素朴な疑問「はんごろし」という食べ物があるって本当?

公開日:2020/08/21 更新日:2021/08/21

 

「はんごろし」という食べ物があるって本当?
はんごろし

 

こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。 

 

今年の夏は本当に暑かったですね! マスクをして犬の散歩をしていると、あまりの熱気にめまいがしそうでしたが、ようやく猛暑も峠を越したかなというところ。先日も散歩のときによく会うご近所さんと「涼しい秋が待ち遠しいですねえ」なんて立ち話をしていたのですが、そのときにご近所さんが何気なくこう言ったのです。

「今夜、『はんごろし』にしようかな~」。

「は、半殺し⁉」 品のいいご婦人から飛び出した不穏な言葉に、涼しさを通り越して凍りついてしまったワタシ。それに気付いたご近所さんが「いやだ! はんごろしって食べ物のことよ~」と大笑い。なんて心臓に悪い食べ物なのかしらと冷や汗をかきましたが、ご近所さんの故郷では有名な和菓子なんですって。どんな食べ物か気になって調べてみることにしました。

 

「はんごろし」は、おはぎのお米の状態


調べたところ、「はんごろし」というのは秋のお彼岸に欠かせない「おはぎ」とまったく同じ和菓子だということが判明しました。もともと、はんごろしというのは、お米のつぶつぶが残る程度にごはんを粗くつぶした状態を指す調理用語で、ごはんを半分つぶすからはんごろしというそうです。

 

もち米とうるち米(地域によってはもち米のみ)を粗くつぶして、小豆あんで包んだ「おはぎ」のことを、徳島県や群馬県など、一部の地域でははんごろしと呼ぶんだそうです。ご近所さんは、おはぎのことを話していたということですね。

ちなみに、つぶつぶが残らないよう滑らかにすることを「全殺し」「本殺し」「皆殺し」などというそうです。また、お米ではなくて小豆のつぶし具合のことをいう地域もあるそうで、粒あんのおはぎを「はんごろし」、こしあんのおはぎを「本殺し」と呼ぶんだとか。どちらにしても、物騒すぎる呼び名だわ……。

 

お彼岸におはぎを食べる理由

おはぎとお彼岸

そんな「はんごろし(おはぎ)」ですが、お彼岸が近づくと和菓子屋さんやスーパーに並びますよね。お彼岸は毎年3月20日頃の春分の日と、9月22日頃の秋分の日を挟んだ前後3日間、計7日間を指します。ご先祖さまや自然に感謝を捧げる期間で、日本独自の仏教行事です。お彼岸にはお寺の法要やお墓参りに行き、亡き人へ思いをはせ、祈りを捧げます。

 

春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが同じになりますよね。この日は太陽が真西に沈むことから、仏様を供養し太陽に祈りを捧げることで極楽浄土(彼岸)に行けると信じられていたのだとか。秋のお彼岸におはぎを供えるのは、小豆の赤色が邪気をはらい魔よけになると考えられていたからなんですって。

 

呼び方はともかく、甘いものはいつだって大歓迎。ご近所さんが「はんごろし」をお裾分けしてくれるらしいので、楽しみだわ〜!

 

 

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参照:macaroni

   NIKKEI STYLE

   京都製菓製パン技術専門学校

   ハルメクWEB

   メモリアルアートの大野屋

 

腹が立って仕方ないときは、キッチンで「半殺しだー」とか「皆殺しにするぞー」って言って家族をびっくりさせちゃおうかしら。
腹が立って仕方ないときは、キッチンで「半殺しだー」とか「皆殺しにするぞー」って言って家族をびっくりさせちゃおうかしら。

 

イラスト:飛田冬子

 


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