更新日:2020年09月26日 公開日:2018年10月11日

素朴な疑問

ヒジキは食べ過ぎると体に良くないの?

ヒジキは食べ過ぎると体に良くないの?

 

こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。

 

親戚が結構な量の乾燥ヒジキを送ってきてくれました。いつも煮物ばかりじゃ飽きちゃうから、なにかアレンジしてみようかな。

 

でも、待って。その前に確かめておかなきゃいけないことがあったわ。2004年7月のこと、今も当時の報道がネット上にいくつも残っているけど、英国食品規格庁(FSA)が、ヒジキには無機ヒ素が多く含まれているから食べないようにと、自国民に勧告を出したんですよね。

 

ちなみに、ヒ素には大きく分けて有機ヒ素と無機ヒ素があって、毒性は無機ヒ素の方が強いと言われているそう。無機ヒ素を短期間に大量に摂取すると急性中毒を起こして、発熱や下痢、嘔吐、脱毛などの症状が出ると報告されています。そんな無機ヒ素がヒジキに多く含まれているっていうのだから、本当にビックリ。だって日本人が、昔から口にしてきた伝統的な食材じゃないですか。何かの間違いじゃないかと思ったので、ちゃんと調べてみました。

 

まず日本人がどれだけヒジキを食べているかについてだけど……。

 

2002年度の国民栄養調査によれば、日本人の1日あたりの海藻摂取量は、14.6gですが、これは海苔や昆布といった他の海藻類を含んだ量。海藻類の国内生産量、輸入量及び輸出量から、海藻類のうちのヒジキの占める割合を試算したところ、6.1%で摂取量の割合もこれと大きな差はないと仮定すれば、ヒジキの1日当たりの摂取量は約0.9gと厚生労働省では推定しています。

 

WHO(世界保健機関)が1988年に定めた無機ヒ素の暫定的耐容週間摂取量というのがあって、英国食品規格庁(FSA)がこれに基づいて調査したそうです。体重50kgの人が毎日4.7g、1週間当たり33g以上を継続的に食べ続けない限り、ヒ素の暫定的耐容週間摂取量は超えないって結論づけています。

 

でも、厚生労働省の見解は古すぎるようなの。農林水産省では、有害化学物質をはじめとする危害要因に関してのリスクプロファイルシート(詳細な説明)を発表していますが、2018年2月14日に作成(更新)した「ヒ素」項目の中に次のようなことが書かれています。

 

実は、体重50kgの人が毎日4.7g、1週間当たりなら33g以上を継続的に食べ続けない限り大丈夫という設定を、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が合同で運営する科学専門家委員会が取り下げちゃったんですって。「ヒトに健康影響をもたらす可能性があるため、最新の知見に基づくと適切ではない」という理由で。現在は「設定なし」になっているそうです。

 

でもね、その一方で日本人は昔からヒジキを食べてきたけど、それでヒ素中毒を起こした人が大量に出たって話も聞きませんよね。

 

「ヒジキには、無機ヒ素が他の食品に比べ高濃度で含まれていることが文献などで報告されていますが、我が国の食文化に基づく通常の摂取の範囲では、ヒジキを食べてヒ素中毒を起こすなど健康に悪影響が生じたとの報告はありません」と内閣府に設置されている食品安全委員会も2010年10月にコメントを出しています。

 

このコメントに続いて、厚生労働省も「ヒ素は自然界に広く存在する元素であり、ひじきに含有される無機ヒ素については、海水中に存在するヒ素をひじきが取り込んだものと承知しております。ご指摘のように、ひじきは我が国の伝統的食材として古くから食べられておりますが、これまでにひじきを食べてヒ素中毒を起こすなど健康に悪影響が生じたとの報告はありません」と発表しています。

 

報告がないと言っているだけで、安全だとは言ってないわね。でも、ヒジキは食物繊維が豊富だし、必須ミネラルも多いからもったいないわ。今、農林水産省がヒジキに含まれる無機ヒ素を低減する方法を調査しているそうです。私の個人的な意見だけど、無機ヒ素より怖い食品添加物もありそうだけどなあ……。

 

そうそう、何でも飲み過ぎ、食べ過ぎはよくないって聞くけど、欠かせない水も飲み過ぎはよくないってご存じですか? 詳しくはこちら→「水の飲み過ぎはいけないって本当?

 

 

■人気記事はこちら!

 


 

出典:内閣府 食品安全委員会「食品中のヒ素に関するQ&A」

 

ヒジキの炊き込みごはん、大好き
ヒジキの炊き込みごはん、大好き

 

イラスト:飛田冬子

 


みんなの コメント
ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

驚きの軽さ&使いやすさ!

1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール
1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール

足の爪が切りづらい方必見!医師監修「正しい爪の切り方」

足の爪が切りづらい方必見!

年齢とともに爪の形が変化し、「足の爪が切りづらい」「爪が巻いてきてどう切ればいいか分からない」と悩んでいませんか?トラブルを防ぐための正しい爪のケア方法を専門家に伺いました。

2025.07.16
夏に暑い・冬に寒い部屋は 断熱窓リフォーム!

ハルメク読者がショールームで体験!

環境省「先進的窓リノベ2025事業」で、窓やドアのリフォームに最大200万円の補助金が!お得にリフォームできる断熱窓の重要性が分かるショールームを、読者が体験しました。さらに、実際にリフォームしたご自宅にも潜入します!

2025.07.10
あれっおまたが擦れる……?40代からのおしもの悩みチェックリスト

あれっおまたが擦れる……?

40代、最近デリケートゾーンが気になったり、尿モレが気になったりということはありませんか。実はそれ、単に年齢のせいではなく、更年期に向かい始めている1つのサインかもしれません。今回は早めに知っておきたい閉経前後の症状「GSM」を解説します。

2025.07.10
今、レンズを薄いカラーにするのがおしゃれ♪

今、レンズを薄いカラーにするのがおしゃれ

50代女性の紫外線対策は、メガネのレンズを「カラーレンズ」にするのがおすすめ!おしゃれ&機能的に、カラーレンズを選ぶコツを紹介します。

2025.06.24
【PR】自分の尿モレタイプはどれ? 簡易診断でチェック!

自分の尿モレタイプはどれ?

たまに尿モレがあっても、だましだまし過ごされている方も多いのでは? けれど一口に尿モレと言っても症状によってタイプはさまざま。そこで自身の尿モレのタイプがわかる簡易診断チャートをご紹介!

2025.06.10
【PR】巻き爪や外反母趾などの足悩み解消を目指せる「正しい歩き方」

巻き爪解消を目指せる「正しい歩き方」

間違った歩き方は足トラブルを招き、健康寿命に影響があることを知ってましたか?正しい歩き方と足トラブル対策を専門家が解説!

2025.05.12
健康への意識が高い人へのギフトにもぴったりなオリーブオイル

夏のギフトはオリーブオイルで差を付ける!

健康志向の高い人や料理好きの人に喜ばれるオリーブオイルは、贈り物にもぴったり。かけるだけでもリッチな気分になれる優れモノなんです。

2025.07.16
皮脂・メイク汚れに要注意!夏こそ眼鏡をメンテナンスしよう

眼鏡の皮脂汚れ気になる…

夏は汗や皮脂、メイク崩れなどで、いつもより眼鏡が汚れやすい季節。レンズやフレームの汚れを放っておくと、眼鏡の寿命が縮むことにもつながります!

2025.07.01
眼鏡愛好家の紫外線対策に!度付きサングラス・調光レンズを活用しよう

紫外線の量でレンズの色が変わる眼鏡!?

紫外線に反応して色の濃さが変わる調光レンズはこの季節にぴったり。屋外などではレンズカラーが濃くなり、紫外線が弱い屋内などではクリアに近くなります。

2025.07.01
更年期は気象病になりやすい?つらい症状を遠ざけるおすすめ対策3つ

更年期は気象病になりやすい?

雨が降ると頭痛やめまい、だるさなどの不調が起こる「気象病」。天気の変化によって起こる気象病は、実は更年期とも関わりがあると言われます。気象病のメカニズムや更年期との関係、つらい症状を和らげる対策について、医師の石原新菜さんに伺います。

2025.06.22
「ほったらかしの投資」~手軽に投資を始める・続ける方法

「投資は難しそう…」と思っている人は必見

興味があるけど自信がない人におすすめな、長期的に資金を積み立てていく「ほったらかしの投資」。家計をラクにする資産運用の方法が知りたい人はぜひチェック!

2025.06.02
物価高の今こそ考えたい!インフレ時代に「資産運用」ってどうして必要なの?

本当に必要な「お金の準備」

物価が急激に上昇している今こそ、将来に向けて「お金の準備」が必要です!年金や退職金に頼らない、資産形成を進めるには?

2025.04.18