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2020年06月12日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
先日、ハーネスを付けて猫を散歩させている人を見掛けました。うちの猫、外に出したことがないのですが、もしかしてストレスがたまってたりして……。急に心配になったので、猫には散歩が必要なのかどうか調べてみました。
猫に散歩が必要なのかは、専門家の間でも意見が分かれるようです。散歩が必要という意見は、「動物が豊かな生活をできる環境を整えよう」といった動物福祉の「環境エンリッチメント」という概念からきているのだそう。豊かな生活とは、その動物本来の暮らしを指します。
犬は本来、集団で獲物を追い駆けて暮らしていたため、散歩は運動不足の解消につながっています。しかし、猫は単独で行う待ち伏せ型の狩りだったので、もともと長距離を走る習性がありません。つまり、散歩をしないからといって、運動不足にはならないのですね。
ただ、元野良猫や外飼いの猫は、自分の縄張りをパトロールするために、外へ出たがるといいます。一方、幼い頃から室内飼いで育った猫は、家の中を縄張りとして認識します。よく外を眺めているのは、出たいというより、侵入者がいないかを見張っているらしいです。
飼い猫にとって、外はリスクの高い場所です。例えば、外に慣れていない猫は、車が危険だと知らず、交通事故に遭う可能性が高いそう。また、野良猫とケンカをして感染症にかかったり、追い駆けられて迷子になったり、去勢していなければ不幸な子猫を増やすことになります。
散歩が必要でないとしても、安全で楽しく、心身ともにストレスのたまらない環境を整えてあげたいのが飼い主の親心。まずは、キャットタワーのように高低差があるスペースを用意しましょう。猫は警戒心が強いので行動範囲は狭く、上下の移動だけで十分運動になるそうです。トンネルや猫じゃらしで、狩りの本能を刺激する遊びを取り入れるのもおすすめ。
それでも、もし猫を散歩させるなら、首輪に付けるリードでなく、腕を通して装着するハーネスを使用します。猫は体が柔らかいので、首輪をすり抜けてしまう恐れがあるからです。ハーネスを嫌がる猫は、慣れるまで家の中で練習をしましょう。装着した状態でおやつを与えると、抵抗感が薄くなるそうです。付けっ放しは、ジャンプする際などに引っかかって危険ですから、時間を決めて練習しましょう。
ハーネスに慣れたら、ベランダや庭で散歩の練習をします(脱走に注意!)。抱っこして、家の周りを歩くだけでもいいそうですよ。ワクチン接種や、ノミやダニの予防も忘れずに。
万が一、迷子になったときに役立つのがマイクロチップです。体内に埋め込むなんて怖い気もしますが、猫にかかる負担は予防注射と同じ程度だそう。費用は数千円から1万円程度、耐久年数は約30年です。
うちの猫は外を眺めるのが大好き。それが実は、縄張りを守るために見張っていただなんて知りませんでした。何だか、猫なのに番犬みたいです。
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参照:ねこのきもち
イラスト:飛田冬子
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