50代からの女性のための人生相談・70

人生相談:家計管理は夫任せ…老後資金が足りるか心配

畠中雅子
回答者
ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)
畠中雅子

公開日:2022.04.24

更新日:2023.08.15

「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は52歳女性の「家計管理」についてのお悩みに、ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんが回答します。

52歳女性の「家計管理」についてのお悩み

「家計管理」についてのお悩み

夫は個人事業主で、私は専業主婦。成人した息子と小学校低学年の娘がおります。

夫は、会社員、会社経営者、個人事業主……と転々としています。老後の年金額も不安なのに、お金の管理は一切合切、夫が一人でしており、どうなっていくのか不安です。

「iDeCo」(イデコ)など耳にしますが、どう踏み込めばいいかわからず、悩むばかりです。

(52歳女性・ミヤBさん)

畠中さんの回答:覚悟を持って、資産状況を確認しましょう

覚悟を持って、資産状況を確認しましょう

 「お金については夫がすべて管理していて、私は生活費をもらうだけ。貯蓄がいくらあるのかなど、一切教えてもらえずに困っています」

このような悩みを、ご相談の現場でときどき耳にします。そして、そのほとんどのご家庭で、貯蓄の状況を確認できたとき、がっかりする金額しか保有していない結果になっています。「実は、こんなにたくさんの貯蓄をしてくれていた」という、喜ばしいケースは、過去に1件しかありません。

ミヤBさんは50代に入られているわけですから、具体的な老後資金プランを立てるのは必須です。貯蓄の状況を知らないままでは、老後資金づくりのプランを立てられません。

とはいえ、ご主人を問いただしても、うやむやにされてしまう可能性が高いと思われます。そこで、資産状況を書き込んでもらうシートを作り、そのシートに記入してもらえるように、頼んでみてはいかがでしょうか。

記入シートは工夫が大切!真剣な気持ちをご主人に伝えること

記入シートは工夫が大切!真剣な気持ちをご主人に伝えること

シートに記入してもらう内容として、貯蓄額と借金額の現在高は必須です。できれば総額だけではなく、どこの金融機関にいくら預けていて、どこからいくらの借り入れをしているのかなども、分けて記入してもらいたいところです。

そのためには、シートは合計額だけを書くような仕様ではなく、金融機関ごとに分けて記入してもらえるように工夫して作成してみてください。

記入シートを作成しても、ご主人がなかなか記入してくれない可能性もあるはずです。何度も頼むと嫌がられるとは思いますが、ミヤBさんが繰り返し、書いてもらえるように頼むしかありません。

記入を促す際は、できるだけご主人を責めるような口調にならず、これからの暮らしを自分もきちんと考えたいという、真剣な気持ちを伝えたいところです。

下のお子さんがまだ小学生ということもあり、教育資金の準備状況の確認も必要になります。教育資金が十分に準備できていないと、年金暮らしの際に赤字が多くなってしまうからです。

「iDeCo」への加入などは貯蓄状況を確認してから進めましょう

「iDeCo」への加入などは貯蓄状況を確認してから進めましょう

また、ご相談に書かれていた「iDeCo」の件は、老後資金の準備を手厚くするために加入したいところではありますが、現状の確認ができていない今の状況では、「iDeCo」への加入はおすすめできません。加入すれば節税にもつながるとはいえ、掛け金を払い続けられる保証はないからです。

家計状況が把握できた次の段階として、検討するのが適切だと思います。

もし、貯蓄が想像している以上に少なくて、老後資金どころか、教育資金の準備も危うい場合は、奥さまが働かれることも検討されてはいかがでしょうか。

お子さんが小学校中学年から高学年になれば、塾に通い始めるケースも多いはず。長時間でなければ、働く時間を捻出することも可能だと思います。50代の今から働くのは気が進まないと感じられるかもしれませんが、老後資金が足りなくて、60代に入ってから働かざるを得なくなるよりもましだと考えてみてください。

いずれにしても、ミヤBさんのお宅では、貯蓄状況などを明らかにしないと、具体的な貯蓄計画や対策が立てられない現実を直視して、できるだけ早く現状確認シートを作成し、貯蓄状況を把握しましょう。

回答者プロフィール:畠中雅子さん

回答者:畠中雅子さん

はたなか・まさこ 1963(昭和38)年生まれ。ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)。『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』(近代セールス社刊)他、著書は70冊以上。また「ミニチュアワールドと観光列車」に造詣が深くブログを開設している。

※この記事は2022年8月の記事を再編集をして掲載しています。

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