50代からの女性のための人生相談・57

人生相談:夫婦でお金に無頓着…今になって老後が不安

公開日:2022/01/27

2

「女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は55歳女性の「今になって老後のお金が足りるか不安」というお悩みに、ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんが回答します。

人生相談:夫婦でお金に無頓着…今になって老後が不安

55歳女性の「今になって老後のお金が足りるか不安」というお悩み

55歳女性の「今頃になって老後のお金が足りるか不安」というお悩み

会社員の夫(57歳)、主婦の私(55歳)、会社員の娘(25歳)の3人で暮らしています。夫の収入は900万円ほどで、大手企業に勤めているので定年後も働けますが、収入はぐっと減る予定です。

価格がかなり高かったときにマンションを購入し、あと2年くらいで住宅ローンの返済が終わります。教育費もかかりましたので、子どもたちが社会人になってからようやく貯蓄できるようになり、現在は200万円ほど貯蓄があります。

外食も旅行したいなどもないですが、上の子が今年結婚したので、孫のお祝いや会社員の娘が結婚したときのお祝いはしてやりたいと思っています。

それと、そろそろリフォームを考えていますが、どこまでできるのか?

また、夫婦共にお金に無頓着で、今頃になって老後に足りるのか?怖くなってきました……。

(55歳女性・ゆずはっさくさん)

畠中さんの回答:退職金を受け取っても、すぐには運用に回さないように

畠中さんの回答:たとえ退職金を受け取っても、すぐには運用に回さないように

退職金を受け取ったときが、人生で最も貯蓄が多くなる時期です。そのため、退職金を受け取ると、気持ちが大きくなって高額のリフォームを施したり、お子さんやお孫さんに援助をしたりする方も少なくありません。

また、少なくない割合で、退職金を受け取ったら、多くを運用資金に回す方がいます。少しでも老後資金を増やしたいという気持ちはわかりますが、退職金は1年間くらい、普通預金などに置いたまま、先に生活設計を立てるのが適切です。

退職金を受け取った後は、「黒字の生活」から「赤字の生活」に変わるケースが多いため、貯蓄の減り方を予想する必要があるからです。

資産運用の案内

現実的には、退職金を受け取ると、退職金が入金された銀行から運用をすすめられるケースが多くなっています。

ちなみに我が家でも、夫が昨年(2021年)定年を迎えて、退職金を受け取りました。退職金が入金された銀行からは、今でも運用についての勧誘を受け続けていますが、回さなくて良かったと感じています。

夫が退職金を受け取った時期は、現在よりも株式相場が高い時期で、そのときに運用に回していたら、今頃、損失を抱えていたはずだからです。

退職金を受け取った時期が、運用を始めるのに適した時期とは限らないことも、理解しておく必要があります。

とはいえ、運用を否定するつもりはまったくありません。運用に回していいお金は、仮に減ってしまっても、老後生活には影響が出ない範囲に限定してほしいため、「老後の余裕資金」をきちんと見積もってから、運用を始めるべきだと考えているのです。

例えば3000万円の老後資金を持っていても、毎年70~100万円くらいの赤字を出していれば、運用に回せる余裕資金はほぼありません。

「毎年70~100万円もの赤字なんて出さない」と思っていても、リフォームをしたり、お子さんやお孫さんへの援助をしていたり、ましてや介護が発生すれば、そのくらいの赤字は出てしまうものです。

家計の見直し&年金生活での赤字を見積もることが大切です

まずは家計の見直し&年金生活での赤字を見積もってみることが大切です

ゆずはっさくさんのご家庭では、今まであまり貯蓄ができてこなかったこともありますので、これからご主人が退職するまでは、手取り年収の15~20%程度を貯蓄に回せるように家計費を見直してみてください。

併せて、「ねんきん定期便」を確認して、年金だけの生活になったときに、どのくらいの赤字が出そうかを見積もる必要もあります。ご主人の年収を考えますと、家計費を見直さないまま、継続雇用や年金生活に入られると、かなりの赤字が出ることも予想できます。

また、住宅ローンの返済が終わっても、固定資産税の負担は続きます。車を持たれていれば、自動車税や自動車保険料、車検の費用などの特別支出もかかります。

月々の赤字に、これらの特別支出を加えたのが「年金生活での年間の赤字」になります。お子さんの結婚資金やお孫さんへの援助も、特別支出に入ります。

年間の赤字額に30~35年を掛け合わせて算出される金額は、老後の生活で消えていくお金です。さらに介護費用として、一人につき最低500万円程度は、予備資金として確保しておきたいところです。

赤字額や介護のためにかかるお金は、少なくとも運用に回すべきお金ではありません。預金類で、大切に管理しましょう。

老後に出る年間の赤字や介護への予備資金を足してみて、退職金を含めゆずはっさくさんの貯蓄では足りないと思われる場合は、生活費の削減と、お子さんやお孫さんへの援助の見直し、リフォーム資金などを再検討する必要があります。

多くのご家庭が持つ老後資金への不安ですが、漠然と不安がっているご家庭が多く、具体的な解決策を施していません。老後の不安は、できる限り数字に置き換えてみて、生活費の軽減策や子どもたちへの援助の見直しなどを検討することで、少しずつ軽くしていけるはずです。ゆずはっさくさんも、がんばって対応策を考えてみてください。

回答者プロフィール:畠中雅子さん

回答者:畠中雅子さん

はたなか・まさこ 1963(昭和38)年生まれ。ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)。『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』(近代セールス社刊)他、著書は70冊以上。また「ミニチュアワールドと観光列車」に造詣が深くブログを開設している。

■もっと知りたい■


専門家に相談したい質問を募集中です!

連載「50代からの女性のための人生相談」では、専門家の方に相談したい内容を募集中です。下記応募フォームに、人間関係や老後の生き方、お金や介護、恋愛についてなど、相談したい内容を書いてお送りください。

応募はこちら

ハルメクWEB編集部

雑誌「ハルメク」の公式サイト。50代からも輝く女性の毎日を応援する、暮らしや美容に役立つ記事をお届けします。 無料会員登録をすれば、会員限定記事へのアクセスや豪華プレゼント応募などの特典も!

この記事をマイページに保存

\この記事をみんなに伝えよう/

ページ先頭へ