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- 日本の税金は約50種類!?何がある?使い道は?
普段はあまり意識しない税金。身近な税金の内容を理解することで、最終的には、いろいろな制度を利用することで納税額や税負担を減らせます。今回は、日頃納めている税金の内容について、税理士の坊山由美さんがケーススタディーでお伝えします。
身近な税金のこと、理解していますか?
2019年10月に消費税が10%になり、お買物するときの支払金額が増え、身近に税金の影響を肌で感じるようになった方も多いのではないでしょうか。
消費税以外にも私たちの生活に関係する税金には、さまざまな種類があります。普段はあまり意識しない税金を知ることで、身近な税金の内容を理解し、最終的には、いろいろな制度を利用することで納税額や税負担を減らすことができます。
税金にはどのようなものがあるのか、また、その使い道や動向について今回は見ていきます。
税金は何種類あるの?
日本の税金は、約50種類という本当にたくさんの種類があります。大きな税金の分類として、納め先の違いにより国に納める国税と都道府県・市区町村に納める地方税があります。今回は、主に生活に身近な税金についてケーススタディーを通してご紹介していきます。
~ハル子さんの日常と税金~
「夫婦で共働きのハル子さん。先週末に、給料とボーナスが会社から支給されました。そして休日には、子どもたちと車でアウトレットにお買物にいき、食事しました。一方、夫は、友人らとゴルフに出掛け、帰りに入浴施設で温泉に入ってから夜遅くに帰宅しました」
このような日々の中では、どんな税金がかかっているのでしょうか。あなたはいくつわかりましたか? 答え合わせをしてみましょう。
(1)所得税・住民税
まず、身近な税金として、毎月のお給料やボーナスにかかる「所得税(国税)」と「住民税(地方税)」があります。「所得税」は個人のもうけに対してかかる税金で、「住民税」は居住地において給与の支払額などに基づき、かかる税金となっています。
会社員の場合、「所得税」と「住民税」は、お給料等を支払う会社が支払い時に天引きして徴収する、源泉徴収という形が基本的にとられており、会社が代行して納税する制度となっています。「所得税」と「住民税」は、給料(所得)が大きいほど税金が高くなる形がとられています。
(2)消費税
生活にもっとも身近な税金として、毎日お買物や食事をしたときに支払う「消費税(国税・地方税)」があります。「消費税」は、物の購入やサービスを消費したときにかかる税金です。税率は、1991(平成元)年に3%から始まって、2019(令和元)年に10%(国税と地方税あわせて10%)までなりました。「消費税」は、物やサービスの価格に10%が含まれて徴収される税金になります。
(3)その他の生活に関連する税金
自動車を購入・保有する場合には、「自動車重量税」と「自動車税(または、軽自動車税)」がかかります。また、ガソリンには、「揮発油税・地方揮発油税・石油石炭税」が販売価格に含まれています。
ゴルフ場でプレーする際には「ゴルフ場利用税」が、たばこを吸いながらお酒を飲んだ場合には、「たばこ税・たばこ特別税・地方たばこ税」と「酒税」がその販売価格に含まれています。また、温泉に入るには「入湯税」がかかってきます。
さらに、自宅が持家の場合には、購入時に「不動産取得税」を納税する必要があり(その他に「登録免許税」や「印紙税」も必要)、保有時には毎年、「固定資産税・都市計画税」がかかってきます。
以上のように普段の生活の中でも税金は身近にあり、意識せずともみなさんが納めているのです。
お給料にかかる「所得税」・「住民税」とお買い物のときにかかる「消費税」は、日頃接する税金で、かつ納税額も大きなものです。日常生活ではあまり意識しない、自動車や不動産などを取得・保有する場合に税金がかかりますし、ゴルフやお酒、たばこといった嗜好品やぜいたく品には必ず税金がかかっているので、一度、生活の内容を見直してみる(できれば税金がどれくらいかかっているか調べてみる)のもいいかもしれません。
(4)その他のよく聞く税金の種類
財産を取得したときにかかる税金:相続税は、亡くなった人から財産を相続したときにかかる税金です。また、贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。
会社にかかる税金:法人税は、勤めている会社など法人のもうけに対してかかる税金。
海外旅行をしたときにかかる税金:国際観光旅客税(出国税)は、2019年1月からかかる新しい税金で日本から出国する人に対してかかる税金です(航空券やツアー料金に上乗せする形で1回1000円徴収されます)。また、関税は輸入品にかかる税金です。海外旅行時のお土産で免税範囲を超えた場合には税金がかかることになっています。
税金の使い道は何がある?
私たちがどのようなところから、税金を納めているのかわかりましたね。
消費税が増税となり、税金の具体的な使い道は、どのようになっているのか見ていきましょう。日本全体の国の税金について、2019(令和元)年度の収入(歳入)と支出(歳出)を見ると、使い道はわかります。
(1)国の収入はどのぐらい?
単位が大きすぎて想像できないですが、国の収入は全体で約101兆円となっており、そのうち約6割(約62兆円)が税金からの収入、残り約4割が国の借入金とその他の収入です。税収の62兆円のうち所得税が約20兆円、消費税が約19兆円となっており、消費税と所得税で合わせて身近な税金が、約6割超と大きな割合を占めています。
(2)税金の使い道
そして、何に使われているかというと、国の支出のうち最も大きなものが社会保障費(年金・医療・介護等)で約34兆円となっています。次いで国債費(借金返済)が約23.5兆円となっています。
主な税金の使い道としては、年金や医療などの社会保障費用と借金返済がメインで6割近くまでなっています。
では、災害対策や道路整備、学校教育などにはどれほど使われているのでしょうか。道路整備などの公共事業費と学校教育などの文教・科学振興費を合わせても約13兆円とそれほど大きな割合ではないです。
今後の税制の動向は?
消費税が10%となってお財布にも厳しくなりましたが、今後の動向が気になるところです。
そもそも、税金のうち消費税は、基本的に社会保障費にあてることとされているのは覚えておきたいところです。消費税の税率は上がったばかりなので、近いうちは増税にはならないでしょう。しかし、長期的には少子高齢化の影響で年金や医療などの社会保障費が増加すると見込まれますので、さらに増税する方向に進むのではないでしょうか。
少し難しい話になりましたが、税金は必ず払わなくてはいけないし、長期的には増税の方向なので、少しでもお得になる方法があれば知りたいですよね。
税金にはいろいろな制度や決まりごとがあり、その制度を利用するかしないかで納税額も変わってきます。今後、「知って得する税金のお話」として、税金のお話をご紹介していきたいと思います。
参考文献:財務省
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