年金生活のお金の不安&リスクを減らす!#2

どうすべき?経済的不安を抱える子どもへの援助

どうすべき?経済的不安を抱える子どもへの援助

更新日:2023年11月23日

公開日:2023年08月05日

どうすべき?経済的不安を抱える子どもへの援助

家族をとりまくお金の問題。親から子への経済的にダメな援助・いい援助について、読者のお悩みを元にお金のプロと家族問題のプロに聞く2回目です。今回のケースでは、離婚などで経済的不安を抱える子どもへの経済援助について聞きました。

教えてくれたのは、お金と家族問題の2人のプロ!

畠中雅子(はたなか・まさこ)さん

ファイナンシャルプランナー(CFP(R))。1963(昭和38)年生まれ。大学時代にフリーライター活動をはじめ、1992年にファイナンシャルプランナーになる。「高齢期のお金を考える会」や「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにするお金の新常識』(高橋書店刊)他、著書・監修書は70冊を超える。

宮本まき子(みやもと・まきこ)さん

家族問題評論家、カウンセラー。1947(昭和22)年生まれ、津田塾大学卒業。79年から22年間、主婦の友社の電話相談室で育児、親子関係、家庭問題などのカウンセラーとして勤務。現在はフリーライター、エッセイストとして著作のかたわら、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどでコメンテーターとして活躍。『孫ができたらまず読む本』(NHK出版)『輝ける熟年』(東京新聞出版局)など著書多数。

結婚したから・働いているから安心、はもうない⁉ 広がる経済格差

結婚したから・働いているから安心、はもうない⁉ 広がる経済格差

結婚、離婚、未婚……その後の働き方を含め社会的な選択肢が増えている現代。選ぶ道によって経済格差も大きくなっています。子どもの決断は応援してあげたいけれど、親の生活に過度な負担がかかっていませんか。

前回は子どもへのちょこちょこ援助について紹介しましたが、今回は離婚などにより経済的に不安を抱える子どもへの援助について紹介します。知っておくとよい各種制度などもあわせて確認を!

子どもが経済的に自立していないので生活費を負担

Q.離婚して家に戻ってきた娘と孫の生活費を賄うために年金を使ってしまっています ――山口いづみさん(67歳)

 

子どもが経済的に自立していないので生活費を負担

A.世帯を別にする方法も検討。ケースによっては扶養手当や非課税枠を利用できます

ひとり親の家計を助けるために、国は児童扶養手当など各種制度を設けています。ただし利用できるのは低所得の場合。また親と同一世帯だと、親の年金も加味されるケースもあります。

娘さんが低所得の場合、親と世帯を分ければ制度を利用できるケースもあります。家族といっても独立した大人です。親がいつまでも元気とは限らないので自分たちで新しい生活を立て直した方が、娘さんと孫にとっても、いい結果になるのではないでしょうか(畠中さん)

親は子が何歳になっても心配をするもの。離婚で心が傷ついた娘を助けなければと奮起するかもしれませんが、親自身が老境に入っていて、気力、体力、資力が衰えていることを忘れてはいけません。動揺が落ち着いたらまず自治体窓口等に相談へ。使える制度をすべて使って再スタートをするべきと、励ましてあげましょう。

実の親子でも世代間の価値観が違うので、同居よりは近居の方がストレスの少ない暮らし方ができそうです(宮本さん)

国や自治体の救済制度を知っておきましょう

●非課税枠の対象となるひとり親世帯とは
ひとり親で子ども1人を扶養している場合、前年の合計所得が135万円以下で住民税は0円。また国立大学の授業費免除など教育費の負担が軽減されます。    

●児童扶養手当とは
ひとり親を対象にした生活安定と自立を目的にした制度。所得に応じて子ども一人当たり月1万410円から4万4120円までの範囲で支給される一部支給と、月4万4140円が支給される全部支給の2通りあります。

子どもの住居費を抑えるために同居している

Q.経済的に自立していない子どもを見捨てられないけれど、このままでは自分の老後が不安です ――鈴木和子さん(67歳)

子どもの住居費を抑えるために同居している

A.子どもはセーフティネット住宅などの検討を
長引く不況により非正規雇用が増え、その結果、働いてはいるが低所得の子どもが住居費を抑えるために年金生活をしている親と同居するケースが増えています。一般的に、所得が低くても成り立つと思うと子は自立しないもの。

限られた年金で暮らしながら、自分たちの老後と子の将来を守るには、子どもの生活を抱え込まないことが大切です。子の住居費が心配ですが、市営住宅など低所得者向けの安い賃貸を候補に話し合ってみましょう。とはいえ、市営住宅は応募倍率が高くて、なかなか入居できない現実もありますので、国交省がバックアップしている「セーフティネット住宅」についても調べてみてはいかがでしょうか。

市営住宅のイメージ

セーフティネット住宅には、保証人のいない高齢者や低所得者などの入居をこばまないマンションやアパートが登録されています。取り扱いは全国に及んでいますし、ホームページで部屋の様子や家賃などの条件が見られますので、お子さんに検索することを促してはいかがでしょうか。家賃の安い部屋を見つけて別居できれば、お子さん自身の自立にもつながると思います(畠中さん)


次回は、3つ目のケース「ひきこもりなど将来が心配な子どもへの経済援助」について、読者の質問に答えます。

※この記事は雑誌「ハルメク」2020年3月号を再編集、掲載しています。

取材・文=井口桂介、児玉志穂、長倉志乃(すべて編集部) イラストレーション=伊藤ハムスター
 


■年金生活のお金の不安&リスクを減らす!■
【第1回】ソレ使いすぎ!子どもと孫に流れるお金を見直そう
【第2回】どうすべき?経済的不安を抱える子どもへの援助
【第3回】この先どうすれば…ひきこもりの子どもの将来が心配

雑誌「ハルメク」
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