八十路を歩く(2)

ひとりでぶらり、海上を歩く

公開日:2022.12.12

ひとり暮らしには一長一短ありますが、「1日24時間、私のもの」です。「思い立ったが吉日」という都合の良いフレーズが私の行動をプッシュしてくれます。

千載一遇のチャンス!

日本三景の一つ、広島県宮島の厳島神社。

その社殿から沖合160mの海上に浮かぶ朱塗りの大鳥居(総重量が約60トンとか)は、宮島のシンボルです。

平安時代に建てられたそうですが、再建は何度かあり、現在の鳥居は1875(明治8)年に建造され、140年以上が経過。そして70年振りの大改修、ビッグメンテナンスが2019年6月に始まりました。

千載一遇のチャンス!
防護ネットがはずされて、久しぶりに見た朱色の大鳥居

建築ど素人の私でも厳島神社の歴史の目撃者になれると期待したのですが、大鳥居は防護ネットでスッポリ覆われていて、太陽光線の加減で鳥居のシルエットが時折見えるだけでした。

この11月、3年半振りにその防護ネットが撤去され、海上の工事用通路を利用して大鳥居を間近で拝見できるようになりました。

世界の観光地

世界の観光地
海上に浮かぶ社殿群、高潮や台風に負けぬよう床板に隙間を作るなど工夫が施されています。

厳島神社は、開山以来手つかずの自然林(原生林)を背景とし、海上の朱塗りの社殿群、さらに160m沖合の日本最大の木造鳥居がセットになって、1996年12月、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。

そのエキゾチックな雄大さと奥深い歴史が人々を魅了し、世界の観光地となっています。

観光日和が続く今年の秋

コロナ解禁(?)で観光客の多いこと、多いこと。これまでに何回も宮島詣でをしておりますが、今回の目的は開放された海上の工事用通路(高さ3m)を歩いて、今までと違う目線でリニューアルした大鳥居を拝見することです。

干潮時には、浜を歩いて大鳥居まで行けます。日本最大の木造鳥居と言われているだけあって、主柱の幹の太さが10m近くあり、その太さや頑丈さに驚いたものです。櫓櫂船(ろかいせん)で沖合から社殿を目指して、鳥居をくぐったこともあります。

観光日和が続く今年の秋

この16mの高さの大鳥居は台風にも負けずどうやって立っているのか、海底の工事はどうなっているのか、不思議でした。あっと驚く答えは、海底に「ただ置いている」だけとのことでした。

期間限定で一般開放される大鳥居

そして今回、満潮時に違う目線で大鳥居を見ることができる!(工事用通路が11月1日から27日まで)

私のミーハー精神全開です。天気晴朗にして波もなく、絶好の日和。立ち止まらずに、ゆっくりと、一方通行でまわります。ところどころに神社職員や警備員が立っています。多い日には5000人余りが見学に来たそうです。 

観光日和が続く今年の秋

観光日和が続く今年の秋

間近で見る太い柱はきれいに朱色で化粧されていましたが、少年のニキビ面を思わせる凹凸もあって、自然木を利用したことがよくわかります。次のメンテナンスまでがんばって、世界中の観光客を魅了してほしいものです。

帰途に「もみじまんじゅう」作りを体験

モミジを形どったもみじまんじゅうは、カステラ風の生地でこしあんやつぶあんを包んだ素朴な和風菓子です。形を変えて、全国どこにでもあるようなお菓子ですが、広島出身の漫才コンビB&Bの一発芸で全国的に有名になりました。

帰途に「もみじまんじゅう」作りを体験
「チョコレート」と「こしあん」のもみじ饅頭を焼きました。

宮島はもみじの名所でもあることから、もみじまんじゅうのお店がずらりと並んでいます。かねてから興味はあったのですが、ひとり旅の気軽さで、団体客が入る前に滑り込みでひとり体験をさせてもらいました。

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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