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- 70代でもできた! イギリス ロングステイ(前編)
70代の留学体験談。異文化体験を綴ります。今までやったことのないことをやってみたいと、今回は1か月の語学留学でイギリスへ。英語に奮闘する様子や、大英博物館で見かけた思い出深いシーンの紹介も。
今までできなかったことをやってみたい!
2012年、雑誌「いきいき(現ハルメク)」に載っていた企画で、イギリスに1カ月滞在しました。ロングステイか、ショートステイかは微妙なところですが、私にとっては、ツアーコンダクターと行く観光旅行ではない、生まれて初めてのロングステイでした。
夫が逝って2年近く経ち、地域のボランティア活動で忙しくしてはいましたが、ただ何となく生きているような気がして、「生活のリズムを変えたい、今までできなかったことをやってみたい」と思い立ち、1カ月の語学留学に挑戦することにしました。
留学といっても若い学生さんの留学とは違い、文化・生活習慣などを学びながら、観光や様々な実習体験もする、盛りだくさんの「遊学」です。実習体験では、テーブルマナーの講習やワインのテイスティング、お菓子作りなどを楽しみました。
辛うじてファーストグループに滑り込み
「遊学」先はロンドン郊外にある語学研修センター。日本の外務省職員がヨーロッパに着任する前に、語学やヨーロッパ情勢の研修のために1~2カ月滞在するケースが多いとか。かつては雅子妃殿下も学ばれたというとてもレベルの高い研修センターです。広々とした敷地にある宿舎は寮のような個室で、清掃やベッドメイキングなどは施設側がやってくれるので、ホテル住まいのような快適さでした。
もともと私は大学で英文学を専攻していました。しかし私の時代「読み書き」が中心。ワンマンスステイではグループ分けテストがあり、辛うじてファーストグループに滑り込みました。あと他に5名いましたが、みなさんは海外での生活経験があったり、卒業後も英語を身近に関わる生活をしている方たちでしたので、私はファーストグループの劣等生でした。親に大学まで行かせてもらったのに勉強したことをどんどん忘れてしまって情けないです。テストの結果6グループに分けられたと思いますが、アルファベット程度の方でも大丈夫、それなりの対応してもらったようです。
観光名所には休日を利用して連れて行ってもらいましたが、私たち遊学生で企画して足をのばすこともありました。勉強のない午後には遊学生2~3人で近くの町までショッピングにでかけたり、講師の先生のお宅や近所の人の家に夕食に招かれたり、となかなか忙しい毎日でした。
大英博物館で遭遇した、ほほえましい光景
見学に行ったなかで印象深かったのは、やはり、世界で最も有名な植物園「王立植物園Kew Garden」と、古今東西の美術品を収蔵する「大英博物館British Museum」。
他にも、風光明媚な「湖水地方」など、感動したスポットはたくさんあるのですが、なんといっても、圧巻だったのは「大英博物館」。収蔵品の多さに圧倒されたのは言うまでもないのですが、入場料が無料で、子供たちも多く、ボランティアのガイドさんがたくさんいるのも驚きました。
ある絵画の前で、畳2枚ほどのカーペットに3~5歳ぐらいの子どもたちが5~6人座り、まわりにはその保護者らしい大人たちが見守っている光景を目にしました。子どもたちの輪の中心には若い女性がいて、幼稚園の先生かと思いきやボランティアの方で、絵について子どもたちに説明をしていました。相手が幼い子供たちですから当然難しい話ではなく、「何が見える?」「羽の付いた子供は何人いる?」といったふうに、会話を通して子どもたちに絵画を楽しむことを教えているようでした。毎日何回か時間を決めて、子どもたちにこのような「ミニ美術講座」をひらいているそうです。とてもほほえましい光景でした。
次回は、イギリス ロングステイの後半です。エリザベス女王の在位60年の祝賀会を経験しました。
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