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- 【裁縫バトル番組】英国代表 裁縫の熱き戦い2
まだまだ書き足りない! というわけで前回に続き、裁縫のバトル番組について書いていきます。「ソーイング・ビー」は服飾の歴史を学べる番組でもあります。中世にベビー服は存在せず、赤ちゃんは包帯でぐるぐる巻きにされていました。
見た目や生い立ち、職業は関係ない
ひときわ盛り上げてくれたのが、第3シーズンのメンバーです。それぞれの個性がまぶしい。
元CAのローナは、ザ・勝ち組女性といった感じで美的センスも技術も高い。時間配分もうまく、常に優等生です。身長が183cmもあるため、着る服は自作してきたという強者です。
英国軍、中佐のニールは、縫製技術が高く1位を取ることも多い。しかし前衛的すぎるズボンのリメイクに審査員は失笑。空気を盛り上げてくれる、やらかし系の人は番組において重要です。
また、個性あふれるメンバーもさることながら、第4シーズンから参加した審査員のエズメ・ヤングのコメントも効いています。「みじめなリボンね。犬のおやつみたい」など軽くけなすところが私の好みです。
要領の良さが光ったITコンサルタントのマット、ルールに従うのが好きな小学校教頭のアマンダ、女装する友達にドレスを作ってきたポール。脱落者のコメントで聞かれるのは、「素晴らしい仲間に出会えた」「見た目や生い立ち、職業は関係ないよ」というものです。
イギリスは階級社会が根付いている国であり、格差も日本より厳しいといわれます。それを踏まえると、「ソーイング・ビー」は普段心に溜まっていたものが解放される、カタルシス効果があるかもしれません。
結局心惹かれたのは、ソーイングルームの空気
私がたまたまつけたTVで「ソーイング・ビー」を見たのは、NHKで放映されていた第4シーズンです。
そこに流れる、なんともいえない優しい空気に惹かれました。実にいろんな人が参加していて、皆が自然に溶け込んでいます。この場所では、ファッションフリークな若者でも、上品なおばさまでも同じ空気を共有しています。
日本だと、年齢や立場を重んじる風潮がありますから、これほど差異がある人たちが集まると硬い雰囲気になってしまいがちです。
それが「ソーイング・ビー」にはない。階級社会もそうですが、イギリスの文化、国民性などに興味がわいてきました。
そういえばファッションは楽しいものだった
第2ラウンドの既製服のリメイクでは、定番のシャツやワンピース、布団カバーなど、さまざまな布が劇的に変化して、ある意味最終ラウンドより見応えがあります。また懐かしい肩パッドの入った80年代のジャケットのリメイクなども斬新。
伝統文化を大事にし、人それぞれ好きな服を着るというイギリス文化。年齢とともにファッションに興味がなくなり、かつファストファッションばかり着るようになってしまいましたが、この番組を観ると、ファッションの楽しさを思い出します。
■作品詳細
- ソーイング・ビー(The Great British Sewing Bee)
- BBC Two 放送 ラブ・プロダクション製作
- 2013年から始まり2021年にはシーズン7が放送
- Amazonプライムビデオ、huluはシーズン4まで視聴可能。NHK Eテレの放映は終了
- 司会:クローディア・ウィンクルマン 審査員:パトリック・グラント、メイ・マーティン(シーズン3まで)シーズン4からはエズメ・ヤング
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