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アマプラ~読者手記から生まれた等身大の愛の物語 3

公開日:2022.03.22

更新日:2022.03.22

『モダン・ラブ』シーズン2からは、ニューヨークに限らず別の場所が舞台となっています。今回はアイルランドの首都ダブリン。クラシックで素敵な街です。

アマプラ~読者手記から生まれた等身大の愛の物語 3
アイルランド・ダブリンの街並

シーズン2・エピソード3「(ダブリンの)見知らぬ乗客」あらすじ

2020年3月アイルランド、コロナの最初の爆発的流行がヨーロッパを襲っていた頃のお話です。

主人公の女子大生ポーラは大学が閉鎖になり、母の住む実家へ。一方技術者のマイケルは2週間の一時解雇に遭い兄の家に身を寄せることに。ダブリン行きの列車内で意気投合した二人は、2週間後の再会を約束します。

シーズン2・エピソード3「(ダブリンの)見知らぬ乗客」あらすじ

「すれ違いドラマ」だけどコミカル! その意外性がたまらない

偶然の出会いから生まれ、再会を誓うもすれ違ってしまうドラマはたくさんありますね。

このドラマの中でもポーラが列車内の顛末を母親に「ビフォア・サンセット」と例えるところがあります。2004年のアメリカ映画「ビフォア・サンセット」は、列車で出会った男女が9年後再会を果たすラブストーリー。ポーラとマイケルの物語も確かに似ているところがあります。

しかし主人公ポーラは非モテ女子で、ポーラとマイケルがいい感じになるかと思えば、突然コントのような感じになり雰囲気が一変。その意外性が笑えます。

ポーラは乗り込んでくる人をチェック。しかし、乗客は一本ネジが外れているような人物ばかり。彼女は乗客に次々とあだ名をつけます。そのあだ名のセンスがすばらしい。

自宅に籠もっている間は二人の行動がシンクロするなど、ちょっとした仕掛けにも楽しめ、テンポのいい会話、ロマンスの中にコント風味、オタク風の女子の恋愛など現代的なエッセンスが詰まっていると感じます。

ポーラ役のルーシー・ボイントン(ボヘミアン・ラプソディにも出演)は、フェアアイル柄のベストと刺繍入りの白いブラウスというファッション。子ども服を着ているかのようですが、彼女のはっきりとした美しい顔立ちとブロンドのボブのおかげでセンス良くうつります。

中世を研究、そして本好きというマニアぶりから男が寄ってこないと自覚しており、その屈折ぶりを上手に演じています。

マイケル役のキット・ハリントンは独特の綺麗な目と困った時に八の字になる眉が素敵です。仕立ての良さそうなPコートの上からでも立体的な胸板の厚みが感じられます。

そしてポーラの母、マイケルの兄(ともにハッパを嗜む自由人)がストーリーをじわじわと盛り上げます。

ロックダウンによって翻弄される運命、ダブリンの街に広がる希望

しかし、噂されていたロックダウンが始まり不穏な空気に包まれます。コロナ感染拡大防止のためのロックダウンとはどんなものか、その厳しい状況におかれたアイルランドの様相も描かれています。

規制をやぶると、厳罰(罰金、懲役)に処せられ、ドラマの中でも交通機関がストップ、あちこちで検問が敷かれていました。

マイケルと兄は、規制をめぐり、考え方の違いで対立します。しかし登場人物は程よく力が抜けている感じが良いです。兄はマイケルからの“おいしい”提案にあっさり陥落。マイケルの、ルールをかいくぐろうとする心意気もオトナとしての魅力を感じます。

ロックダウンの最中、苦しい生活を強いられるけど、チャンスや可能性も散らばっています。ラストに流れる爽やかな音楽と、引きで見るダブリンの美しい街並がそう思わせてくれました。

作品詳細

  • モダン・ラブ
  • シーズン2、エピソード3「(ダブリンの)見知らぬ乗客」
  • アマゾンオリジナルドラマ(アマゾンプライム会員は追加料金なしで視聴が可能)
  • 2019年10月より配信 2シーズン、16エピソード
  • 監督:ジョン・カーニー
  • キャスト:キット・ハリントン、ルーシー・ボイントン 他

 

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瀬戸内ポエム

特技や趣味というほどのものはなく、ドラマやお笑い番組を家でゴロゴロしながらみるのが幸せなアラフィフシングルです。この場を借りて、気になるドラマを中心にどんどん紹介します。またドラマの中でのファッションやインテリアにも言及できたらいいなと思っています。よろしくお願いします!
 

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