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- 母が、父の認知症を理解し受け入れるまで
認知症のことを何もわかっておらず、「父のことがわからない」が口癖だった母。正直、そんな母との会話にうんざりしていた私でしたが、ケアマネージャーさんの提案により相談員と面談することになりました。
母は認知症について何もわかっていなかった
母は、口では「お父さんは認知症だと思う」と言いながら、認知症というのがどういう病気なのか、実態についてまったくわかっていませんでした。父の行動や言動のすべてが理解できず、父に対して「なんでできないの?」「なんでそんなことをするの?」と、よく否定の言葉を投げ掛けていました。
認知症サポーター養成講座で認知症について学びました
一方、私は父の認知症がわかったら、すぐに図書館で認知症に関する本を借り、たまたま新聞広告に掲載されていた「認知症サポーター養成講座」を見て申し込みました。
「認知症サポーター養成講座」とは、認知症に対する理解を深め、どう対応したらいいのか、などを学ぶ講座です。受講は無料で全国で開催されています。受講すると「オレンジリング」がもらえます。ケアマネさんや携帯ショップの店員さんが身に着けているのをみなさんも見たことがないでしょうか?
相談員の人に会い、アドバイスをしてもらう
母が父に否定的な言葉を掛けるのを見るたびに「それはよくない」と注意したり、愚痴を聞くのがしんどいと思っていました。
そこで、母には、認知症がどんな病気なのか理解してもらいたいと思い、ケアマネさんに「『認知症カフェ』を開催しているところはありませんか」と、相談しました。
「認知症カフェ」とは、認知症の介護をしている家族が集まり、愚痴や悩みを話す場所なのですが、今はコロナなので、開催していないということでした 。代わりに相談員との面談を提案されました。
面談時間は1時間と限られていたので、 前回の記事「認知症の父がデイサービスを利用しない理由」で書いた、デイサービスに行きたがらないという父についての悩みを書き出し、その紙を持って母に面談に行ってもらいました。
母は、相談員の人からあらためて認知症には大雑把に分けて、「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭葉変性症」の4種類あること、父の症状がそのどれにあたるのかについて説明を受け、他にも介護で困っていることや愚痴などを聞いてもらったようです。
帰宅した母は「お父さんの認知症は治らないのね」と、言いました。それまで「薬を飲めば認知症は治る」と思っていた母にとって、認知症を知ることはつらい現実だったと思います。ですが、現実を受け入れてから、母の愚痴は以前より少なくなりました。
理解したからといって、父への対応が柔らかくなったわけではありません。それでも以前なら「わからない」で誤魔化し、私の注意を聞かなかった母が聞いてくれるようになっただけでも、よかったと思っています。
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