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- 私の寄席情報の集め方~志の輔らくご 歓喜の歌~感想
落語が大好きなさいとうさんの落語体験記。落語を聞いて笑うことが、さいとうさんにとって元気の源なのだそう。今回は、寄席情報を集める手段、日本で唯一の演芸専門誌「東京かわら版」と立川志の輔師匠の寄席をご紹介します。
寄席情報は、演芸専門誌「東京かわら版」で!
今日は、東京建物ブリリアホールのこけら落としで、池袋にやってきました。この「落語自由自在」の連載を書き始めてから、「あちこちの落語会に行かれていますが、よくそういう情報が入りますね」と聞かれますので、まずは情報源についてお話しをさせていただきます。
連載の第1回目と前回(20回)でも少し触れましたが、情報は日本で唯一の演芸専門誌「東京かわら版」でキャッチします。創刊は昭和49年11月号で、落語・講談・浪曲・漫才・マジック・太神楽・紙切り・コントなど、寄席演芸とお笑いに関する情報がぎっしりと書かれています。
寄席定席(鈴本演芸場・浅草演芸ホール・末廣亭・池袋演芸場・国立演芸場)の他、関東圏内で開かれる大小の会を、毎月1000件以上紹介しています。
またこの情報誌を提示すると、寄席の入場料の割引もあります。私は定期購読しておりまして、届くとまっ先に読むのが、三遊亭兼好師匠の「お二階へご案内~」です。文章もイラストも兼好師匠が書かれていて、とても面白いんです。昨年それが書籍化されましたので、すぐ買ってしまいました。
「東京かわら版」は各寄席や、一部の書店で購入できます。東京となっていますので、当然東京中心ですが、最近Twitterでは、「地方在住ですが『東京かわら版』を定期購読してしまいました」と言うつぶやきが、ちらほら見受けられます。
みなさん、お江戸へ行っても行かなくても、あそこへ行って、ここを廻って、とあれこれ脳内で楽しんでいるそうです。
さて「志の輔らくご 歓喜の歌」の開演です。
「ディアファミリー」立川志の輔
立川志の輔師匠は、ご存じ立川談志師匠の御弟子さんですが、明治大学落語研究会の頃は、古今亭志ん朝師匠に憧れていたそうです。その後、俳優からサラリーマンになり、入門を決めたのは1983年1月、29才の時でした。明大の同級生がすでに談志師匠の御弟子さんだったため、その紹介で弟子入りしました。私は「志の輔らくごinパルコ劇場」で初めて生で聞きました。その後、比較的チケットが取りやすい東京會舘の「志の輔独演会」を毎年楽しんでおります。
「ためしてガッテンの司会でしか、見たことがないわ」って方が多いかもしれませんが、もったいないです。ぜひ、志の輔ワールドをお楽しみください。
「豊島公会堂の跡地に誕生しました、豊島区立芸術文化劇場です。公会堂クロージングの時も私で、こけら落としも私でいいんでしょうか?板橋区民なのに……」と志の輔師匠、まずは軽く笑いをとります。(←施設命名権契約により、開館当初より豊島区立芸術文化劇場は、東京建物ブリリアホールの名称を用いているそうです)
「つい先日までは、ここで宝塚が大勢でシャンシャンとやっていました。一昨日からは私一人です。今日は3日目、この日の為に初日と2日目はリハーサルでした」
どっと笑いがおきます。
「高座がやたら高いでしょ。2階と3階席の方に合わせたそうです。でも1階席の前の方は首が痛いですよね。さっき3階に上がってみましたが、それ程影響はありませんでした」
またまた大笑いです。今回は豊島区民枠(←豊島区民優先だったそうです)に阻まれ、私の席は1階の最後列で気落ちしていましたが、通常では考えられない高座の高さは、最後列に丁度よく、おまけにど真ん中でかえって見やすかったです。
勤続30周年の記念に、社長から鹿の頭の剥製が送られてきたことで始まる家庭でのお父さんの立場と、お母さんの主張、ごく普通の人々が繰り広げるおかしさに、爆笑の連続でした。鹿の頭だけでも持て余していたのに、さらに鹿の胴体まで送られて来て、一家が困惑したところで噺は終わります。
噺に夢中になりたかったのですが、お寿司を注文したのに、とうとうお寿司が届かず、最後までそれが気になってしまいました。
舞台が回り、高座が後ろに隠れると同時に、ピアノが現れます。
「歓喜の歌」志の輔
聞き違い、勘違いから始まるこの噺は、10年ほど前に映画やテレビドラマにもなりましたが、今日は本家本元の「歓喜の歌」です。
笑いながらも、いつしか涙があふれます。たった一人で演じてたくさんの人々を感動させる落語って本当に凄いとしみじみ思いました。「まつり縫いってどうやるの?」のお馴染のサゲで暗転。
やがてオーケストラの演奏が流れ、女性合唱団登場、燕尾服姿の指揮者に合わせてベートーベンの交響曲第九番第4楽章「歓喜の歌」を歌います。幕が下りても鳴りやまぬ拍手に、再び幕が上がります。くるりと振り返った指揮者は、なんと志の輔師匠でした。サゲの後の大オチ、これぞ志の輔らくごです。
そして会場のみんなで三本締め、今日は志の輔らくごを堪能しました。
まだまだご紹介したい噺家さんはたくさんいますが、日程の関係で足を運ぶことが出来ず、涙をのんだこともありました。
今年も引き続き、楽しい落語情報をお伝えしたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
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