落語会体験記

落語自由自在16~国立演芸場開場40周年記念上席~

公開日:2019.11.26

落語が大好きなさいとうさんの落語体験記。落語を聞いて笑うことが、さいとうさんにとって元気の源なのだそう。今回は「国立演芸場開場40周年記念上席」のリポートです

国立演芸場の開場40周年記念9月上席

国立演芸場の開場40周年記念9月上席

演題

国立演芸場の開場40周年記念9月上席に行ってきました。今日は落語協会が湯島天神で「謝楽祭」(←お祭りです)をやっていますので、こちらは落語芸術協会の面々で、若い人はみんな湯島天神と思いきや、国立にも結構いました。台風情報も入っていて間際まで心配しましたが、雨にも降られず無事に到着しました。

まるで「てじな~にゃ」。青年になった山上兄弟

奇術 山上兄弟

「奇術」 山上兄弟
まず目を惹いたのが、瞳ナナさんの代演で登場した山上兄弟です。ご存知マジシャン北見伸さんの息子さんで「てじな~にゃ」で大人気だった幼い二人でしたが、大きくなりました。あいにくお兄さんは、テレビのアフレコの仕事が入って欠席だそうです。普段お兄さんが主に手品をしていますので、大丈夫かな?って思いました。案の定、マギーシローさんに教わったと言う手品等をしてお茶を濁していました(笑)。今度BS朝日の「お笑い演芸館」に出演するそうですので、成長した姿を見ていただきたいです。

辛辣な言葉も、後の伏線に。三遊亭遊雀師匠

「寝床」 三遊亭遊雀
この噺は大好きですので、今日は聞けてラッキーでした。旦那が義太夫の会を開くと聞き、あの手この手で皆逃げてしまい、誰も聞きに来ないと知った旦那はすっかり怒ってしまいます。やがてその旦那の機嫌がなおり、義太夫の会を開くまではいいのですが・・・・・・。登場人物が多く大変な噺ですが、遊雀師匠は実に鮮やかに演じました。

マクラにすぐ近くの国立劇場で、人形浄瑠璃をやっているとフリます。あっちは1体の人形に3人がかりで、いかに無駄かと話します。「しかも本を仰々しく押しいただき、これから読むぞって大袈裟です。暗記してこいって言いたくなります。噺家なんか30分40分何も見ずにやりますよ。しかもすぐ読まないんですよ。蓋を取ってお茶を飲むんです。それ楽屋で飲んで来いよ。いくらでも時間あっただろうって、言ってやりたくなりました。あれが芸術なんだそうです」と、散々な言いようでした。でも、、これが後の伏線になるのですから、師匠は凄いと思いました。

本日のお目当て!昔昔亭桃太郎師匠

「結婚相談所」 昔昔亭桃太郎
いよいよお目当ての桃太郎師匠の登場です。テレビでは何度も見ていますが、実際に見るのは初めてです。師匠流の小噺が矢継ぎ早に飛び出し、笑いをとります。

結婚相談所に来た男性と相談員のやり取りを再現した噺がおかしくて大爆笑。
「兄ですか?兄は青山です」
「青山学院ですか?」
「いえ、洋服の青山です」
こんな具合です。途中で、師匠はお茶を飲みます。「楽屋で飲んでこい」と言った遊雀師匠の声が聞こえてきそうで、ざわめきが起きます。

桃太郎師匠しげしげと茶椀を見て、「これ田舎の公民館にある茶碗ですよ。茶托くらい付けてほしかったな。これでおにぎり持ったら、田植えの昼休みだ」、でドカンと笑いがおきます。

最後は相談に来た男の特技として、石原裕次郎の歌を歌います。サングラスをかけて「嵐を呼ぶ男」。台風接近の今日に相応しい選曲でした。10月にこの演目はNHKで放映されるそうで、随所に企業名を出してしまい(NHKは特定の企業名はNGなんです)これは駄目かとボヤキながらの一席でした。

遊雀師匠はTwitterではお馴染みでしたが、実際に聞いたのは初めてでした。失礼ながら、マスコミでは登場しないけれど、聞かせる噺家というのはまだまだいるのだと思いました。遊雀師匠は安心して聞けました。これから注目です。

桃太郎師匠はテレビやYouTubeではよく聞いていましたが、生は初めてでした。イメージ通りとぼけた感じが何とも魅力的でした。新作落語が主ですので、落語に興味がわいた方は、桃太郎師匠から落語を聞き始めるのもいいかも知れませんね。

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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