八甲田山スノーモンスターに会いたくて

大人の休日倶楽部パスで豪雪の青森へ

大人の休日倶楽部パスで豪雪の青森へ

公開日:2025年01月28日

大人の休日倶楽部パスで豪雪の青森へ

待ちに待った「大人の休日倶楽部パス」! 今回のメインは八甲田山「スノーモンスター」! 自然は厳しかったけど、人の温かさに触れてますます青森が好きになりました。

八甲田山スノーモンスター

青森に入って3日目。ようやく晴れ渡り、八甲田ロープウェイが運行! シーズン中数日しか動かないこともあると聞いていたから、ラッキー! 待った甲斐があった。

営業開始は9時だけど、スキー客が落ち着いたころを見計らって10時に到着。落ち着くどころか長蛇の列。

八甲田山スノーモンスター

「最後尾の待ち時間は3時間」と英語と韓国語と中国語と日本語でアナウンスがあったけれど、引き下がるわけない。しかし、凍えるほど並んだ末、「山頂の風が強くなったので運休」との悲しいお知らせ。

「スノーモンスター」とは八甲田山の樹氷のこと。大きな怪獣に見えるからモンスター。こんな感じ↓

八甲田山スノーモンスター

酸ヶ湯温泉、積雪438cm

青森1日目。ロープウェイ運休も納得の曇り時々雪。

マイナス9度。

酸ヶ湯温泉、積雪438センチ

向かうは、豪雪の酸ヶ湯温泉。2年前(「大人の休日倶楽部パス」で、お得に東北の旅!)えらい目にあったから、不安といえば不安。

酸ヶ湯温泉、積雪438センチ

立ち寄った小さな町の小さなお店で、「明日から大学共通テストだから、除雪してくれてるはず」と聞いて、ホッ。「陸奥湾のホタテと津軽味噌のパスタ」は美しく、未体験の奥行きのある味。

酸ヶ湯温泉、積雪438センチ

でも、やっぱり真っ白。除雪されていても、道路と雪の壁の境目が見えない。

酸ヶ湯温泉、積雪438センチ

酸ヶ湯温泉の駐車場は、もっと真っ白。どこが道なのか全くわからん。

酸ヶ湯温泉、積雪438センチ

とうとう雪だまりに乗り上げてスタック。旅館の方に救出してもらうも、5m先で雪の壁に突っ込む。スコップで車を掘り出し、タイヤの下に藁を編んだものを敷いて、せ~の! で押す。 

翌日の新聞によると、この日の酸ヶ湯の積雪は438cm、1月としては観測史上最深。

あのイタリアンのシェフは大阪に行ったとき大阪の人に親切にしてもらった、と言っていたけど、青森の人こそ親切。不注意を責めることなく、雪にまみれながら、晴れ晴れと「また来てください」だなんて。次からはバスにします。本当にごめんなさい!

津軽三味線・津軽民謡

津軽三味線・津軽民謡

青森市街地の積雪もスゴイ。

「りんご茶屋」では津軽三味線と民謡の生演奏を目の前で聴けます。

津軽三味線・津軽民謡

「あと2年で50周年だけど、私、もうすぐ土の中に入るの」、とママは小さく笑ったけど、その歌声は大きくのびやかで迫力十分。

カウンター席一同、大きな拍手! カウンター席は休日パス利用のお客さん6人。もちろん初対面。「(パスは)次はいつだっけ?」「6月下旬かな」。じゃ、6月にまたここで!

奥津軽エリアへ

2日目。晴れているのにロープウェイは運休。

五所川原の「立佞武多の館」へ。

奥津軽エリアへ

青森各地にはそれぞれ趣のことなる「ねぶた(ねぷた)」があり、五所川原では、約90年間途絶えていた「立佞武多」を地域の人たちが復活させました。「りんご茶屋」の女性スタッフさんの「青森の夏は短い。だから、ねぶたで思い切り盛り上がるの」を思い出しました。冬が長く厳しい青森だから、ねぶたへの思いは一途で熱い。

芦野公園へ。2年前、津軽鉄道ストーブ列車に乗った時、雪の舞う駅のホームで手を振ってくれた人に会いたくて、旧駅舎を活用したレトロ喫茶へ。

奥津軽エリアへ

お店を切り盛りする彼女の楚々とした雰囲気は想像どおり。

奥津軽エリアへ

お店の裏を「走れメロス号」が行きます。

芦野公園のある金木は太宰治の生まれ故郷。生家は「斜陽館」として公開されています。

奥津軽エリアへ

レンガ壁に守られた豪邸です。裕福に育ったのに愛人と心中、それが腹立たしく遠ざかっていましたが、『走れメロス』を読み返したところ、走るメロスの疾走感と心の動きが伝わってきて、最後は涙。太宰、読まねば。

奥津軽エリアへ

日景温泉、お湯も人もいい!

青森と秋田の県境近くの「日景(ひかげ)温泉」。

日景温泉、お湯も人もいい!

特に皮膚疾患の効能があるといい「アトピー性皮膚炎の方が薬を塗るのを忘れた、ということも」と、旅館の人。ちなみにこの人の受けごたえはとても気持ちいい。

食事の時に吟醸酒「十和田の雪」を選べば、「それおいしいですよ、私も大好きです」、キノコの和え物がおいしかったと言えば「甘酸っぱくておいしいですよね。私なんかは元気が出ちゃいます」。

おひとり様が多いせいか満室といえ、薪ストーブのラウンジも大浴場も静謐そのもの。テレビがないのもいい。お湯もいいし、人もいい。郷土料理中心の料理は正しいし、しみじみおいしい。

今、気づきました。赤く腫れていた指のささくれが治っていました。どの指にささくれがあったんだっけ? ってほどに。

今度、八甲田ロープウェイにチャレンジするときも、日景温泉に寄ろう。それまでインバウンドに日景温泉が見つかりませんように!

3日目に姿を現した、八甲田山↓ こんな晴天でも強風だなんて。

日景温泉、お湯も人もいい!

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みろく
みろく

信州との2拠点居住を始めて5年。住み慣れ(すぎた?)大阪を離れることで、関西の魅力を再発見!京都や奈良、神戸への遠足を楽しみつつ、全国を旅しています。元旅行会社勤務の経験を活かして、お得な切符やおもてなしのよい宿泊施設などを紹介していきたいと思います。