大鰐温泉へ!青森の歴史とアートに触れ、まぐろ尽くしとりんご湯を堪能
2025.02.20
公開日:2025年03月20日
四季を楽しむ!大人の湯めぐりグルメ紀行12
人気温泉地の由布院!絶景の棚田を眺めてジビエを楽しむ癒やしグルメ旅
人気の温泉地として常時賑わう、大分県の由布院へ。噴気が上り、圧倒的迫力を楽しめる、温泉の源泉となる火口を見学し、建築とアートも満喫。宿では美しい棚田の風景をゆったり眺めて、旅の疲れも癒やされました。ジビエ尽くしのディナーも見逃せません!
もくもくと噴気が上がる火口を間近で見学
大分空港から由布院方面へ向かう道のちょうど途中にある「塚原温泉 火口乃泉」。車を走らせると道路からも伽藍岳(がらんだけ)に立ち昇る白い煙を遠くに眺めることができます。受付でチケット(大人200円)を購入すると火口の見学が可能。伽藍岳の標高は1045mありますが、火口は標高800mの中腹にあり、受付から徒歩5分くらいで到着します。それなりに山道なので、歩きやすい靴で行きましょう。
火口はかなりすぐ近くまで行くことができ、目の前で噴煙が上がる様子は大迫力です。煙は常時上がっているそうで、大地のパワー、自然の神秘を感じることができます。見学通路は景色の良い見晴台のようになっており、由布岳をはじめとする雄大な山々や塚原高原、遠くには街並みを眼下に眺めることができます。
「塚原温泉」というからには、もちろん温泉があります(内湯、露天風呂、家族風呂等あり)。歴史は古く、今から800年ほど前に開湯したといわれます。平安時代末期の武将、源為朝が山で狩りをしていたところ、傷付いた鹿がこの湯で傷を癒やしていたのを見て温泉を発見した、という伝説があるそうです。
泉質は、鉄イオン量全国1位、酸性度、アルミニウムイオン量全国2位という日本三大薬湯の一つで、大変珍しい強酸性温泉です。さまざまな効能が期待でき、古来より湯治によく利用されていました。
伽藍岳の噴気で20時間蒸した「むし卵」もここの名物です。温泉成分がじっくりと染み込んでいるせいなのか、少し硫黄の香りがし、塩がなくても旨みが濃く、ホクホクのおいしさでした。お土産にもおすすめです。
建築家・隈研吾設計のミュージアムでモダンアートを楽しむ
由布院の街中には小さな美術館がいくつもあり、アート巡りをするのも楽しいです。今回訪れたのは、「COMICO ART MUSEUM YUFUIN(コミコ アート ミュージアム ユフイン)」。建物は東京の国立競技場などを手掛けた建築家の隈研吾氏が設計しています。焼杉の黒い壁がモダンで落ち着いた印象。由布院の街並みに調和するように作られており、建物自体も見応えがあります。
ゆったりとした空間には、草間彌生、宮島達男、杉本博司、村上隆、奈良美智、名和晃平、森万里子など、誰もが知っているような日本を代表するアーティストの作品が展示されています。入場は事前予約制で人数制限を設けており、観たい作品とじっくり向き合えます。作品には何も説明を付けておらず、自由な感性で没入して作品を鑑賞できます。解説を知りたい場合はQRコードで聞くことができます。
上の階へ上がると、屋上テラスにはいくつか野外展示があり、目の前にそびえる由布岳と美しい自然の風景をバックに、奈良美智の「Your Dog」が佇んでいます。屋上から眺める由布院の街並みもまた一味違って楽しめます。
COMICO ART MUSEUM YUFUINは、街の中心地へも近い立地でありながら、喧騒から離れてゆっくり静かに過ごせる場所。ここから街の散策へ繰り出しても良いでしょう。
棚田に癒やされ、穏やかな時間を過ごす「界 由布院」
本日のお宿「界 由布院」へ。街からは少し離れた静かな高台にあり、丸竹、黒竹など竹をふんだんに使用したエントランスが印象的です。一歩中へ入ると、シックでモダンな色調でありながら、農家の土間のような不思議に温かく親しみやすい雰囲気があり、ホッと心が和む空間です。前述のミュージアムと同じく建築家の隈研吾氏の設計です。
フロントのカウンターの上にはなぜかお釜が鎮座しています。気になる方はそっと蓋を開けてみてください。実はこの地域は昭和の半ばまで田畑の広がる農村だったそうで、そんな土地の歴史文化が空間に反映されています。もともとあった棚田を丁寧に整えて再生し、それを囲むように建物がデザインされています。テラスから眺める棚田の風景は絶景です。
訪ねた時期が冬だったので、お米は実っていませんでしたが、冬季湛水という農法で、田んぼには水が貯められていました。春になるとスタッフみんなで田植えをし、秋には毎年お米を収穫しているそうです。この地域は獣害や台風などあり、栽培には試行錯誤を繰り返したそうですが、年々少しずつお米の質が上がって、収穫量も増えてきているとのこと。まだレストランでは出していませんが、いつかお披露目できたら、とスタッフさんが楽しそうに話していました。
そして由布院といったら、やはり温泉は外せません。
大きな窓の向こうに由布岳がどーんとそびえる姿を眺めながら温まれる大浴場。内湯には源泉掛け流しの「あつ湯」とゆっくりリラックスして過ごせる「ぬる湯」の二つの浴槽があり、外には寝湯もできる露天風呂があります。こちらは化粧水などに使われるメタケイ酸が多く含まれている肌にやさしい湯です。
由布院という土地の特徴を表現した、全室ご当地部屋の「蛍かごの間」にも自然素材が多く使われていました。ベットルームの上の巻貝のような螺旋状のランプは、国東半島で栽培される希少な七島藺(しちとうい カヤツリグサ科の多年草で畳の原料になる)で編まれているそうです。これは、昔は麦わらなどを編んで作られていた工芸品の「螢かご」をモチーフにしており、夜は蛍のように優しく瞬いて、穏やかな眠りを誘います。
冬の期間は夜になると棚田をライトアップ!昼とはがらりと変わってドラマチックで幻想的な風景が現れます。棚田を一望できる「棚田テラス」で、温かい飲み物を片手に夜空と棚田を鑑賞してみるのも良いでしょう。晴れた日は星もきれいに見えます。
この土地の野山の恵みを満喫する「山のももんじ鍋」
夜は土地の食文化を生かした、ジビエが味わえるディナーを。先付けに出てきたのは、「猪と椎茸の最中パテ」と「サラダ」です。サラダはカボスのドレッシングでさっぱりと。器は日田市の小鹿田(おんた)焼。
おつまみのように楽しめる、お酒とも相性抜群の料理。宇佐市にある安心院(あじむ)ワイナリーのスパークリングワイン・ロゼを合わせました。大分はワイン、焼酎、日本酒など、地元で造られるお酒の種類が豊富です。
また大分は真竹の生産量が日本一だそうで、竹をモチーフにしたユニークな盛り付けで「宝楽盛り」が登場しました。お造りは、まぐろ、車海老、真鯛、さわらの4種。有名な姫島産の車海老は、秋から冬が旬です。
さらに鶏とふぐも大分の名産。二つを掛け合わせた「河豚皮と鶏皮のぽん酢ジュレ」が添えられていました。さっぱりとした味わいの中に程よい旨みがあり、またお酒が進んでしまいます。
メインとなる台の物は「山のももんじ鍋」。ももんじとは、ジビエのこと。猪、鹿、穴熊、牛の4種の肉をすっぽんの出汁でしゃぶしゃぶにし、4種のつけだれで味わいます。猪には木の実のたれ、鹿は太白ごま油とフルーツ甘煮、穴熊はかぼすおろし、牛は黄身醤油と共に。味のバリエーションが豊かで、それぞれ肉の旨みを引き立て、飽きることなくペロリとお腹に収まりました。
締めには「姫島ひじきと紫蘇の実の土鍋ごはん」が出てきました。姫島ひじきは、1年でたった二日しか収穫されない、とても稀少なひじきです。通常のひじきより、柔らかく繊細な食感で、上品な味わい。大分らしい食を存分に堪能した夜でした。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 由布院
国内有数の温泉地で、雄大な由布岳に見守られ、棚田のそばに静かに佇む憩いの宿「界 由布院」。春は若苗の瑞々しい新緑、秋は黄金色の稲穂が棚田を彩り、春夏秋冬、朝昼晩に刻々と変わっていく棚田の風景はいつまでも見飽きることがありません。「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。
- 住所:〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上398
取材協力:星野リゾート 文・写真:江澤香織 編集:鳥居史(HALMEK up編集部)
「界 由布院」ペア宿泊(1泊2食付き)1組2名様
由布院の四季を写す湯宿で心安らぐひとときを
星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」。「界 由布院」は、由布院の原風景の一つである棚田や、由布岳を望む景色の、季節ごとの風情が感じられる温泉宿。大分県・由布院温泉の名湯をゆったりと堪能できる宿の宿泊券(1泊2日)を、1組2名様にプレゼントします。(有効期限:2025年7月1日~12月末日)
※宿泊券の発送は6月初旬になります。