加賀の伝統美と絶景を満喫!日本海の幸を存分に味わう
2024.06.202024年08月15日
四季を楽しむ!大人の湯めぐりグルメ紀行5
アルプスの豊かさを感じ山の幸と温泉を満喫する旅
今月は北アルプス方面へ。長野県と富山県にまたがる雄大な山々に魅せられながら、黒部ダムの放水を間近で鑑賞。そして北アルプスの天然水で造るビールをゴクリ。水がきれいだと料理も一層おいしくなるようです。水の豊かさ、清らかさを実感する旅でした。
ダイナミックな放水に圧倒!巨大な黒部ダムへ
黒部ダムへの行き方はいくつかあり、富山方面からも行けますが、今回は長野から行ってみました。東京から北陸新幹線で長野駅へ着くと、そこから扇沢駅行きの特急バスが出ています。約1時間45分。扇沢駅からは関電トンネル電気バスに乗って16分で黒部ダムに到着。
まずはダム全体を眺められる展望台へ行ってみましたが、これがなかなか運動になります!220段の階段を上り、残念ながらエレベーターはなし。途中の踊り場にベンチがあるので、無理せず少しずつ休みながら上りましょう。破砕帯の湧き水が飲めるところもありますので、水分補給も忘れずに。へとへとになってやっと上った先には大パノラマが待ち受けています。毎年6月から10月の間行われる、毎秒10トン以上という放水は……やはり圧巻!
220段も階段を上がるのは厳しいなあという場合は、展望台以外にも、いくつか鑑賞スポットがあります。ただし動き方によってはそれなりに階段があるので、体力に自信のない方は事前に黒部ダムのHPを見て、楽なルートを確認しておきましょう。
ちなみに間近でかぶりつきで観られる「放水観覧ステージ」までは、黒部ダムレストハウス前からバリアフリー通路になっているので、車いすやベビーカーでも容易に移動できます。
黒部湖を周遊する遊覧船「ガルベ」にも乗ってみました。黒部湖は総貯水量2億トンという、巨大な人造の貯水池です。ガルべは1969年より運行していた歴史ある遊覧船ですが、実は老朽化等もあり、今年度(2024年11月10日まで)の営業をもって終了してしまうそう。今年は乗船できる最後のチャンス!様々なラストイヤーキャンペーンも行われています。
満水時には湖面の標高が1448mとなり、日本一高所を走る遊覧船。北アルプスの美しい山並みに囲まれた絶景を眺めながら、約30分の船旅を楽しめます。黒部ダムからガルベの乗船場までは徒歩で約15分。途中はひんやりとした坑道の中を歩き、ちょっとユニークなお散歩コースはなかなか楽しいです。
黒部ダムレストハウスでは、ダム好きには知られる「ダムカレー」も味わえますので、訪問の記念にぜひ。
北アルプスの天然水で造られた極上ビールを味わう
北アルプスは水がきれいなことで知られており、湧水を汲めるスポットがあちこちにあります。信濃大町には、その天然水でクラフトビールを造っている醸造所「北アルプスブルワリー」があると聞き、立ち寄ってみました。扇沢から信濃大町へは直通のバスが出ています。
駅からまっすぐ続く商店街を10分ほど歩くと、山小屋のようなスタイリッシュな木の建物が登場。
北アルプスブルワリーは、この地域の水の豊かさ、清らかさをより多くの人に伝えたい、という思いから2019年にオープン。北アルプスの天然水を使ってクラフトビールを醸造しています。インターナショナル・ビアカップ等、ビールのコンペティションでも数多くの賞を受賞している人気のビールです。
「この町は水道水も湧き水なんです。私たちは上白沢水源の湧水を仕込み水として使用しており、とにかく余計な不純物が少ないことが大きな特徴。素材のおいしさを自然に引き出してくれる水と感じています」と話すのは、醸造家の松浦周平さん。
店内にはカウンターとテーブル席があり、ガラス越しに醸造所を眺めながらビールを楽しむことができます。ビールは常時10種類ほど用意されていますが、その中でもぜひ試していただきたいのが「Coffee PUNCH(コーヒーパンチ)」と名付けられたビール。コーヒーの豊かな香りが広がり、スッキリとした味わいの飲みやすいビールです。
実は松浦さん、コーヒーの焙煎士でもあり、今もユナイトコーヒーというカフェをやっています(ブルワリーから近いので、併せて訪ねるのもおすすめ)。素材を厳選し、焙煎や抽出で味を緻密に調整する作業は、ビール造りとも共通する部分が多いのだとか。
コーヒービールは使う豆を吟味するところからこだわっており、エチオピアのイルガチェフェなど、3種類の上質な豆をブレンド。自身で焙煎を行い、コーヒー本来の豊かな香りを最大限に引き出すよう醸造にも工夫を凝らしています。そして北アルプスの湧水だからこそ出せるクリアな味わいなんだそう。
店ではビールと一緒に食べたいおつまみも充実しています。写真はソーセージ6種盛り合わせ。
「羊飼い松岡」の無塩せきの羊ソーセージや、「明宝ハム」が北アルプスブルワリーのビールに合わせて特別に作ったソーセージなどが盛り合わせになっています。他にはピザやフライ、信州福味鶏をラガービールで煮込んだラガーチキンなど、ビールと相性抜群のメニューが楽しめます。
雄大な山々に囲まれた、自然を満喫する宿「界 アルプス」へ
本日のお宿「界 アルプス」へ。アクセスは信濃大町から車で約11分。または大町温泉郷までバスも出ています。雪国などに多い雁木と呼ばれるアーケード風の回廊を抜け、レセプションを済ませると、その奥には田舎の古民家のような、風情と温かみのある土間がありました。
かまどからはホカホカの湯気が立ち、囲炉裏には炭を焚いています。信州の名物、お焼きをかまどでじっくり蒸した後、囲炉裏の炭火で焼いて振舞ってくださいました。表面はカリッと香ばしく、中はふっくらモチモチ!ほっこりと温かい気持ちになり、旅の疲れも癒されます。
さて、「界 アルプス」の館内を散策していると、あちこちでふと見かけるのが、繊細な切り絵アート。
信州の切り絵作家、柳沢京子さんの作品です。こんな素敵な切り絵作品を家にも飾りたい、と思っていたら、切り絵体験のキットが用意されていました。はがきサイズの柳沢さんデザインの下絵を自分で切り抜き、色鉛筆で色を塗って仕上げます。できた絵は、植物がすき込まれたこの地域の工芸品、松崎和紙の額に入れて、持ち帰ることができます。お部屋で切り絵作業に没頭するのもよい過ごし方です。
大町温泉郷の源泉は、信州の秘湯と呼ばれる葛温泉から引湯されています。葛温泉は18世紀後半頃に開湯したといわれる湯量豊富な温泉。無色透明な単純温泉です。露天風呂では北アルプスの山々とカラマツの林を眺めながら、清々しい空気の中で大自然を満喫!
すり立て生山葵と共に、信州の清らかな山の幸を味わう
お待ちかねの夕食タイム。先付けとして出てきたのは「ローストビーフと信州サーモンの鳴門」です。わさびの葉でデコレーションされ、信州らしい風情があります。さて、注目は写真右上。少しぼけて見にくいかもしれませんが、生山葵が丸々一本と山葵おろしがお皿に乗っています。
水のきれいな信州の名産といえば、やはり山葵!自分で好きなだけ生山葵をすりおろし、フレッシュなすり立てを料理と合わせる、という粋な計らい。すっきりとした辛味と瑞々しさがたまりません。
信州の田舎家を思わせるデコレーションが素敵な「宝楽盛り」が登場しました。お造りは、信州サーモン、馬刺し、シナノユキマス。全て山の幸です。ここでも生山葵が大活躍。お刺身に合わせておいしくいただきました。
そしていよいよ特別会席の台の物は「骨切り鰻と生山葵の白鍋」です。写真では肉が目立ってしまいましたが、諏訪湖の名産といえば鰻です。鰻には骨が120本以上ありますが、それを包丁で丁寧に切って表面をさっと炙っています。
鍋に入った鰹出汁に鰻をくぐらせると、ふわふわの食感と香ばしい風味が引き立ち、ここでもやはり添えたいのはすり立ての生山葵。脂の乗った鰻を、さっぱりと爽やかにいただけます。さらに高原野菜のレタスが名脇役として、瑞々しくジューシーに味わいを深めてくれます。
最後には信州らしいお蕎麦が登場し、鰻や野菜の旨味の染み込んだ出汁に付けていただきました。山の恵みを満喫!お腹も十分に満たされたところで、また囲炉裏の方へ立ち寄ってみると…。なんとお燗が用意されていました。
長野県は日本酒の酒蔵が多く、全国有数の生産地。おいしい地酒とおつまみでゆるゆる過ごしていると、集まってきた他の宿泊客とも自然に会話が弾み、和やかな良い時間が過ごせました。囲炉裏っていいですね。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 アルプス
北アルプスの山々を背後に抱き、水と空気のおいしい宿「界 アルプス」。贅沢でほのぼのとした田舎体験に気持ちがホッと和み、リラックスできます。
四季折々の自然の風景を眺めながら、心も体も伸び伸びと癒される露天風呂も魅力。「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。
●住所:〒398-0001 長野県大町市平2884-26
取材協力:星野リゾート 文・写真:江澤香織 編集:鳥居史(ハルメク365編集部)
「界 アルプス」ペア宿泊(1泊2食付き)をプレゼント!
目前に北アルプスの山々を望む「大町温泉郷」。豊かな自然と、長い歴史の中で育まれた文化の中に佇む「界 アルプス」の宿泊券(1泊)を1組2名様にプレゼントします(有効期限:2024年12月1日~5月末日)
※宿泊券の発送は11月初旬になります。