加賀の伝統美と絶景を満喫!日本海の幸を存分に味わう
2024.06.202024年07月18日
四季を楽しむ!大人の湯めぐりグルメ紀行4
大自然と美食!栃木の民芸に癒やされる鬼怒川温泉の旅
栃木県の鬼怒川温泉は、全国的に名の知れた温泉地であり、日光東照宮や中禅寺湖など、多々ある観光地の拠点としても好アクセスです。鬼怒川の雄大な自然の景観も大きな魅力の一つ。川と緑の美しさに癒やされつつ、名湯と美食を堪能してきました。
鬼怒川ライン下りで大自然の渓谷美を満喫
鬼怒川温泉駅へは、浅草駅または東京スカイツリー駅から東武特急スペーシアに乗れば、直通で約2時間。インテリアにこだわった車両や車内カフェも楽しめます。また新宿、池袋からJR特急きぬがわが直通で出ており、アクセス方法は豊富です。
自然を満喫したいなら、やはり「鬼怒川ライン下り」は欠かせません。鬼怒川は利根川の支流の中でも最長の176.7kmある一級河川。豊富な水は宇都宮など各都市の水源にもなっています。
夏は新緑、秋は紅葉など、渓谷の美しい自然の風景とともに、楯岩、積木岩、象岩、ゴリラ岩など、ダイナミックな奇岩怪石が目を楽しませてくれます。
鬼怒川温泉駅から徒歩3~4分でライン下りの乗船場へ。やや急な階段を下るので、足元に気を付けて、時間に余裕を持って行きましょう。空いていれば当日でも乗れますが、混雑する日もあるので、HPから事前に予約するのがおすすめです。
ライフジャケットを着用し、靴は脱いで各自渡されるビニール袋に入れて乗船します。ユーモラスで愛嬌のある船頭さんの説明を聞きながら、約40分の船旅に出発。
途中で流れの速いところは、ザブンと波しぶきが立つこともあります。ちょっぴりスリリング! 船頭さんの合図でビニールの覆いを掲げて、水に濡れないようにガードします。吊り橋の下を通るときは、橋にいる人にみんなで手を振って!笑いあり、ドキドキありで40分があっという間。楽しい船旅でした。
下船後は、無料のシャトルバスに乗って鬼怒川温泉駅まで戻ります。バスの待ち時間は約10分、移動時間は10〜15分くらいです。
ここでしか買えない!地元素材を使ったバウムクーヘン
鬼怒川温泉駅の近くにおいしいバウムクーヘンの店があると聞き、立ち寄ってみました。「バウムクーヘン工房はちや」と「はちやカフェ」の2店が仲良く並んでいます。以前は土産物屋だった店舗を先代から引き継いだオーナーが、子どもの頃から大好きで幸せな思い出があるバウムクーヘンで地元を盛り上げたいという思いから、この店を立ち上げたそう。
「はちやカフェ」は、甘いものを気軽にテイクアウトして楽しめるスタンド形式。店内はカウンターのみなので、ゆっくり座って食べたい場合は外のベンチへ。
人気メニューは「HOTバウムクーヘン4種盛り」。素材の味を存分に楽しめる「はちやバウム」、栃木を代表するフルーツ「とちおとめ」がたっぷり入ったいちご味、まろやかで甘みのある日光醤油「誉」入りの醤油味、鬼怒川の渓谷をイメージしたカリッと香ばしい「ろっくバウム」の4種類が一度に楽しめるセットです。焼きたてホカホカの温かいうちに食べるのがおすすめ。
夏だったら、薄くスライスしたバウムクーヘンにソフトクリームが乗った「バウムソフト」も。写真はミルクととちおとめのミックスです。イタリア製のソフトクリームマシンを使っているそうで、ジェラートのようなフレッシュでさっぱりとした味わい。
はちやでは厳選された良質な素材、地元素材にこだわっており、バターは希少なカルピスバター、小麦粉は北関東で収穫された良質な小麦を使ってふんわりとした食感に。そして生地の30%を占める卵は、日光産の新鮮なブランド地卵「日光御養卵」を使用。卵本来の奥深い味わいとコクのある風味が生きています。
「バウムクーヘン工房はちや」では、各種バウムクーヘンの他、卵をたっぷり使ったプリンやロールケーキもあり、購入できるのはここだけです。全面ガラス張りの窓からは、バウムクーヘンを製造する様子を見学できます。子どもたちが真剣に覗いていることも多いそう。
店内には益子焼の器や、染織作家が手掛けた暖簾(のれん)、日本画家によるバウムクーヘンをイメージした絵画など、アートや工芸品がさり気なくディスプレイされていることも密かに注目です。
鬼怒川の丘に静かに佇む隠れ宿「界 鬼怒川」へ
鬼怒川温泉駅から車で5分、大谷石をふんだんに使ったシックなエントランスに迎えられる「界 鬼怒川」が本日のお宿。ユニークなのは、ここからスロープカーに乗ってさらに小高い丘の上へ登って行くこと。緑深い森の中を抜け、旅の気分も盛り上がります。
ロビーで待っていたのは、ずらりと並ぶ陶磁器のカラフルな豆皿たち。栃木の焼き物といえば、有名なのは益子焼です。古くは江戸時代からの歴史を持ち、民藝運動を推進した陶芸家の濱田庄司がこの地に窯を開いたことで、より注目されるようになりました。年2回、春と秋に行われる益子陶器市は大変な人気です。
益子焼は、少しぽってりとした素朴で味わい深い土の質感が魅力です。ここには益子焼以外にもさまざまな窯元の器が一緒に並んでいるので、それぞれの違いを見比べながら、どれが益子焼か当ててみてください。
栃木県には、鹿沼組子という伝統工芸もあります。日光東照宮の木工職人がルーツといわれ、釘を一切使わずに細い木を組み合わせることで、驚くほど精巧で芸術的な模様を生み出します。
鹿沼組子のコースター作りを体験してみました。
出来上がりを見ると、ちょっと難しそうに感じてしまうかもしれませんが、材料が作りやすい状態にセットされており、作り方は図解でわかりやすく説明されているので、実際は思ったより簡単。木がパチンときれいに組み合わさっていくのはなかなかの快感です。出来上がったコースターもかわいくて大満足。
「界 鬼怒川」では客室や浴場など、あちこちにさり気なく鹿沼組子がちりばめられているのが印象的です。益子焼や黒羽藍染(くろばねあいぞめ)など、他にも栃木の工芸品がインテリアとして多数使われています。
さあ、いよいよお楽しみの温泉へ。鬼怒川温泉といえば有名な温泉地ですが、江戸時代には、日光詣の僧侶や大名のみが入ることを許された、由緒正しい温泉だったそうです。
写真提供:界 鬼怒川
泉質はアルカリ性単純温泉。肌に優しくクセがなく、長湯をしても疲れない、誰でも楽しめる温泉です。自然に囲まれた露天風呂はのびのびとリラックスでき、実は滞在中に何度も入浴してしまいました。
夜は「ご当地楽」として「益子焼ナイト」が開催。益子焼の歴史や特徴などを、実際に器を見て触って体感しながら楽しく学べます。最後には益子焼を使った驚きのパフォーマンスも!これは行ってみてのお楽しみです。
旬を極めた「鮎の石焼き会席」を堪能
夕食は目にも麗しい特別会席を楽しみました。ここでも栃木の工芸品がふんだんに使われていることに心躍ります。「宝楽盛り」は、まるで和のアフタヌーンティーのようなしつらえ。鹿沼組子の飾り棚に、かわいらしい小皿がちょこちょこと乗っており、これらは全て益子焼。お盆に敷いた黒羽藍染のマットがいいアクセントになっています。
冷酒の入った片口やお猪口のデザインも素敵。おいしさ倍増でお酒が進みました。
今回、料理の中でも特に楽しみにしていたのが「鮎の石焼き」です。
鬼怒川は川魚の宝庫といわれます。6月から10月は鮎釣りの解禁シーズン。初夏の頃の若鮎はまだ骨が柔らかく、真夏になれば成長して脂が乗り、秋は子持ち鮎など、時期によってさまざまな味わいを楽しめる、趣のある魚です。
また、栃木の一部の地域には「石焼き」というちょっと変わった文化があるそう。河原で大きく平らな石を熱して、ジャガイモで土手を作り、野菜や肉などを味噌と一緒にジュージュー焼いて食べるワイルドな風習です。
そこからインスピレーションを得たというこの料理。石の上を鮎が泳ぐような美しい盛り付けにテンション上がりました!
鮎は丁寧に時間をかけて下ごしらえがされており、最後の仕上げに石の上でしっかり炙ります。表面はパリパリ香ばしく、身はふっくら。添えられた味噌を付けるとさらに奥行きのある味わいに。苦味はほとんどなく、頭から尻尾まで丸ごと全部ペロリと食べてしまいました。
写真にはありませんが、最後に出た地元特産の干瓢(かんぴょう)と実山椒の土鍋ごはんがさっぱりと爽やかで、お腹に心地良い締めになりました。
朝食は、すがすがしい緑の木々が生い茂る中庭に面した窓辺のテーブルで。
大豆ともち麦で作った地元の納豆、日光特産の湯葉がすいとんに使われた郷土料理「ばっとう汁」、同じく栃木を代表する郷土料理で酒粕を使った和え物「しもつかれ」など、栃木がぎゅっと詰まった朝ごはんを堪能しました。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 鬼怒川
森の中の小道を辿った先にひっそりと佇む隠れ宿「界 鬼怒川」。黒羽藍染、益子焼、鹿沼組子など、優美でありながら親しみやすい栃木の伝統工芸が館内を彩ります。
冬から春には猪肉とサクラマスの2種の出汁を楽しめる「桜牡丹鍋」が特別会席に登場。「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。
- 住所:〒321-2526 栃木県日光市鬼怒川温泉滝308
取材協力:星野リゾート 文・写真:江澤香織 編集:鳥居史(ハルメク365編集部)
「界 鬼怒川」ペア宿泊(1泊2食付き)をプレゼント!
関東を代表する温泉地・鬼怒川温泉にある、心地いい和の空間にこだわった小規模温泉旅館「界 鬼怒川」の宿泊券(1泊)を1組2名様にプレゼントします(有効期限:2024年11月1日~25年4月末日)
※宿泊券の発送は10月初旬になります。
>プレゼントの詳細をチェック