八十路を歩く(17)

さまざまのこと思ひ出す桜かな(芭蕉)

公開日:2024.03.23

桜前線今日はどこまで行ったやら。今、3月中旬、桜前線がそろそろ動く時期になりました。

さまざまのこと思ひ出す桜かな(芭蕉)
広島縮景園のソメイヨシノ。開花宣言の標本木

桜名所

全国に数多くある桜の名所。

私の近所でも、宮島は厳島神社の桜、広島平和記念公園の桜、造幣局広島支局の桜、縮景園(大名庭園)の桜、広島市植物園の桜といった名所がありますが、そうした知名度の高い桜だけでなく、川土手や小さな公園で近隣の人たちの目を楽しませている桜もたくさんあります。

桜名所
広島平和記念公園
桜名所
広島市植物公園

群れて彩る桜並木は華やかでいいですし、一本だけでたおやかながら凛として立つ桜もいい。

数年前、友人に誘われて、山里の枝垂れ桜を見に行きました。個人の敷地内にある桜の巨木で、竹下さんという方が10cmほどの幼苗から育てたということで「竹下桜」とも呼ばれているそうです。

桜名所
「広島市指定保存樹」の立て看板もある「竹下桜」こと「シダレザクラ」
植樹:昭和7年 高さ:17m  幹の周囲:264cm

2月の終わり頃、テレビでNHK広島支局のお天気お姉さんが海田駅の桜を紹介しているのを聞いて、3月初めに見に行きました。駅構内に1本だけ生えている寒緋桜です。

桜と電車を一緒に撮影しようとがんばったのですが、難しいことこの上なし、でした。

桜名所
海田駅の寒緋桜

我が家の八重桜

わが家の庭には、20年ほど前まで桜の木が一本ありました。八重桜でした。

地域の銀行が開行10周年を記念して、希望者に苗木を無料配布してくれたのです。ソメイヨシノと八重桜の2種類ありましたが、ソメイヨシノは花が散る時ご近所に迷惑になると思い、八重桜の苗木をいただきました。

道路に面した庭の隅に植えたところ、やがて幹も太くなり、見事な八重の桜がたわわに咲き、ご近所で評判になりました。

その頃私は17町内会をまとめる自治会の役員をしていて、夜の会合の帰り道、近くに住む役員さんが車で送ってくれました。我が家に近付くと門灯の灯りで八重桜が実に美しく、送ってくれた役員さんが「見事な八重ですねぇ」と。私は「ええ、庭には八重桜、家内には姥桜」と返し、車内は爆笑の渦。

家に入るなり「姥桜」を調べてみたところ、大失敗!「年老いた女」と思いきや「昔も美人だったけど年老いても美人だ」という意味だそうです。ヒェー! 恥ずかしい!

我が家の八重桜
造幣局広島支局の八重桜

「歌は世につれ、世は歌につれ」。昔NHKのアナウンサー宮田輝さんが「のど自慢」番組で言う常套句でした。「言葉は世につれ、世は言葉につれ」ですね。

その後、八重桜の木に付く毛虫に悩まされ、結局、世話になっている植木屋さんに伐採してもらいました。根株は数年して掘り起こし、今は庭隅のオブジェ(?)になっています。

我が家の八重桜
オブジェ? 

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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