- ハルメク365トップ
- ハルトモ倶楽部
- 文化部
- 落語自由自在⑨~桂文珍大東京独演会(下)~
落語が大好きなさいとうさんの落語体験記をお届けします。古き良き日本文化である落語を聴いて楽しく笑うことで、身も心も元気になりますよ。今回は、新作落語が楽しい桂文珍師匠の独演会後編です。
「スマホでイタコ」 桂文珍
兼好師匠の後は、ふたたび文珍師匠の登場です。
「兼好さんは、好楽師匠のお弟子さんです」
とマクラが始まります。
「他所のお弟子さんはよく育ちますね。うちは? (間があって)弟子が老眼鏡をかけるんですよ。もうガッカリです。なかなか育たない……。弟子が老眼鏡をかけるようでは、おしまいです」
「NHKの『新人演芸大賞』の審査員をやっていますが、自分の弟子が予選を勝ち抜くと、審査はできないのですが、もうずっとやっています。柳家権太楼(やなぎやごんたろう)師匠と2人で、この間もそのことでボヤキ通しでした」
と自虐ネタで笑いを取ります。
「この間、弟子に古典落語の『へっつい幽霊』を教えたくて『へっついって知っているか?』って聞いたんです。そうしたらいきなり、スマホをかざして『へっつい』って言うんです。目の前に師匠がいるんですよ。『何ですか?』って聞けばいいじゃないですか」
「『かまどだそうです』って言うから『かまどはわかるね』って言ったら『かまど』ってまたスマホに話し掛けるんです。かまども知らんのかいなって呆れました。何にも知らないんですね」
「先日若い女性が私を見て『あっ、あっ、』って言ってるんです。立ち止まったら『ファンです』って言ってから、スマホに『関西・めがね・落語』。目の前にいるんですから『お名前なんでしたっけ』って言えば教えますよ。『鶴瓶です』って」
で大爆笑。
「よく鶴瓶と間違えられるんです」
こんな楽しいマクラから「スマホでイタコ」に入ります。
スマホには、あの世とこの世が繋がるアプリがあるというので、「5代目文枝師匠(文珍師匠の師匠です)」とスマホに話し掛け始めます。
「師匠お元気ですか?」
「いや、死んでいる」
のやり取りが妙におかしかったです。さっきのマクラでのスマホの話題は、仕込みというか、ふりだったのですね。
古典落語も素晴らしいけど、文珍師匠の新作落語は本当に楽しいです。「定年の夜」や「老婆の休日」等、もはや名作ともいえる作品がたくさんあります。
「栴檀の森(せんだんのもり)」桂文珍
「栴檀は双葉より芳し 蛇は寸にしてその気を表す」
「洗濯は二晩で乾くか? ジャワ-スマトラは南方に?」
なんてねぇ。
飽きるほど聞いているあの「子ほめ」の中の、栴檀(せんだん)です。
栴檀(せんだん)というのは植物の名前で、昔から虫除けや薬に使われていて、最近の研究ではインフルエンザにも効果があるそうです。
村の公金十両を使い込み困った若い衆2人が、猟師の親分に、隣村の後家さんにお金を借りてくれと頼みにきます。隣村へ行くには、昼でも恐ろしい栴檀の森を通らなければならず、粋がって引き受けた親分ですが、実は人一倍の怖がり。ビクビクして歩く親分の表情が、恐怖に満ち満ちています。
途中、「はめもの(鳴り物)」をふんだんに入れて、怖さを強調。どうなることかと思いきや、自殺願望のある娘に出会います。そんなに死にたいなら手伝ってあげると親切を装う親分。実は娘の所持金が目当てですが、どうやって首を吊るのかと聞かれ、見本を示すと言って、良い枝ぶりを探し、紐をかけ、首をかけ、足元の石を蹴ってしまいます。その様子を見ていた娘「あら、死んじゃった、首吊りは嫌だなあ」とすっかり死ぬ気をなくすのです。
嫌なこと(金策)を人に押し付ける若い衆から始まり、人間の業が次々と描かれていきます。
終演後文珍師匠は「栴檀の森はめったにやりません。面白くないからです」と正直でした。
「さて来年は2020年、ここでお知らせです。実は来年3月にお隣の大劇場でやってみたいと思います。しかも20日間、40公演、全部違うネタですから、1公演2席で80席となります。キャパは1610名ですから、ここにいる方一人残らず、お出かけください」と文珍師匠。って、行きます! 行きます!
「今日は、読売新聞の号外が出ました」と発表されます。
「ネットで3万円で販売します。って嘘です。新元号令和の号外ではないですからね」
2020年「桂文珍独演会」は、国立劇場大劇場です。今からとても楽しみです。
ぜひみなさんもお出かけください!
-
上質な美酒がずらり!
希少で高価な「貴腐ワイン」を美味しく飲める場所をご存知ですか?何年も工夫を重ねて作られた美酒を、家族やお友だちとご一緒に!ギフトにもおすすめです。 -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
ボクと一緒に歩こう!
日々の歩数を記録して、かわいい「うごくま」がカロリー消費を応援してくれる!独自の歩数計アプリを搭載した便利スマホって? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?