落語会体験記

落語自由自在13~四代目三遊亭圓歌襲名披露興行前編

さいとうひろこ
2019/08/31 4

毎回臨場感たっぷりに寄席の様子をレポートしてくださっているさいとうさん。6月に開催された四代目三遊亭圓歌襲名披露興行の様子を2回にわたってお届けします。

落語会体験記
【目次】
  1. 「甲子園の土」 三遊亭天歌
  2. 「つる」 桃月庵白酒
  3. 「禁酒番屋」 林家たい平
  4. 「引っ越しの夢」三遊亭小遊三

「甲子園の土」 三遊亭天歌

三遊亭歌之助師匠が四代目圓歌を襲名しましたので、有楽町よみうりホールに行ってきました。梅雨の真っ只中、今にも泣き出しそうな空模様でしたが、場内は満席でした。

圓歌師匠のお弟子さんです。恐らく「子ほめ」か「寿限無」でしょうと、演目の的をしぼっていましたが、いきなり新作落語で戸惑いました。噺の中で甲子園の土はメルカリで売っていたと言っていましたが、調べたら「悲報、甲子園の土 メルカリで売られる」とネットに出ていました。実際にあったのですね。二つ目になって5年目、これからが楽しみな噺家さんに、出会えました。

「つる」 桃月庵白酒

「つる」 桃月庵白酒

「私が前座の頃は、寄席にはお客様が入らず、1人来たら始めようか? なんて時代でした。1対1の落語は辛い物がありますよね」で笑いが起きます。

「壁際に3人程おじいさんがいて、よく寝ていました。わざわざ入場料払って寝てないで、家で寝たらいいのにね。そのうち、カルチャーブームがあり、勘違いしたのでしょうね。女性が寄席にお見えになるようになりました。やはり女性が来ると、場が華やぎますね。今日も女性の方が多い気がします。女性は花、いちいちこちらの話にうなずいてくれたりして、でも何一つ為に成る話しなんかしませんよ」で場内大爆笑。

「大体8割方笑ってくれればいいのですがね。今日みたいに雨が降りそうな時は、降ったら困るな、洗濯物大丈夫かな? なんて気持ちが落ち着かず、集中できないんですよね。だから5割いや4割かなっ?」で、またまた爆笑。

「体調もありますでしょ? そうなると3割くらい?」とドンドン笑いの割合が下がり、ホールが爆発するのではと思うくらいの大爆笑が沸き起こりました。

「圓歌師匠とは同じ鹿児島県の出身で、しかも隣町なんです。向こうには信号機があって、押しボタン式なので、本当に変わるかな? ってよく押しては試したものです。その後『らくごイン六本木』(フジテレビで放映、圓歌師匠は最多出演)を見ては、憧れました」

いつもながら毒混じりのまくらにすっかり笑い疲れたところで噺に入ります。おめでたい席ということで、演目はおなじみの「つる」でした。

「禁酒番屋」 林家たい平

「禁酒番屋」 林家たい平

「歌丸師匠が旅立たれて、やがて1年になろうとしています」と、暫し思い出に浸ってから、「この後すぐに出てきます小遊師匠とは「笑点」でいつも一緒です。『あの番組には、どうしたら出られるの?』とよく聞かれますが『私出たいです』と言ったら出られるというものではありません。誰かがお亡くなりにならないと駄目なんです」

拍手と笑いがどっとおきます。「真ん中にいるS平君のように、芸能界にありがちな忖度が働いて出られることもあります」で大笑い。やはり皆さんそう思っているんですね。

徐に羽織を脱ぎ、噺に入ります。

「酒の席で刃傷沙汰が起き、藩士一同に禁酒令が出されました。城門に番屋ができ、出入りの商人の持ち込む品までチェックされることになり、酒好きの近藤という侍が、何とか知恵を絞って酒を届けてほしいと頼み込みます。困ったのは酒屋、どうしたら番屋をかいくぐれるかとあの手この手を試みます」。伊達直人まで登場し笑いを誘います。「ランドセルをお届けにあがりました」「中を改める」「む、この徳利は何だ?」「呑んで覚える漢字ドリルでございます」

「朝日新聞にまた書かれるぞ。こん平一門の落語はなってないと」ここで拍手。

「拍手は要らん。なんだ古典落語に漢字ドリルとは?」で大爆笑。

あえなく失敗し、酒を飲まれてしまいます。その後下っ端の定吉が、番頭達の仕返しをすると言うハチャメチャな噺です。

「この正直者めが」というサゲまで、笑い通しでした。

「引っ越しの夢」三遊亭小遊三

「圓歌師匠とのご縁は、九州に行った時、タクシーに乗りましたら『歌之助、当時は歌之助でした。知ってますか?』って言うんです。そりゃ仲間ですから、知ってますやね。『面白いテープがあるんですが、聞きますか?』それ程興味はありませんから、お断りしましたが、その後レコード屋に入ったら、驚きました。歌之助が平積みになっているんです。美空ひばりや石原裕次郎を立たせておいて、寝てるんですよ。あれには驚きました」

「私の好きな言葉は、夜這いです」と言ったので、「引っ越しの夢」を演るのだとすぐに分かり
ました。これはサゲがそのまま題名になっているので、分かりやすい噺です。

吊戸棚を右肩で担ぐ番頭と、左肩で担ぐ番頭に、井戸のつるべに捕まる番頭のしぐさがおかしく
て、場内割れんばかりでした。

お仲入り後は、口上と弟弟子(「おとうとでし」です。誤字ではありません)の歌武蔵師匠と、圓歌師匠が登場致します。

後編でお楽しみ下さい。

さいとうひろこ

東京都 /69歳
東京都 /69歳

趣味は落語鑑賞・気功・テレビ体操・読書・トールペイント・美術館めぐり等。健康は食事からがモットーで「AGEフード・コーディネーター」の資格を取得、老化や病気の原因となるAGEを溜めない食事の仕方や調理の仕方をご紹介します。また、これから落語を楽しみたい方のためにその魅力もご案内します。

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