新春を寿ぐ。「多賀大社」翁始式(下)
2023.02.152023年10月24日
作者と劇評家の目線で歌舞伎をみる講座
歌舞伎の世界をより身近に感じるために
今まさに脂の乗っている若手演出家 木ノ下裕一さんと、三重大学準教授で劇評家としてあらゆる舞台に精通している田中綾乃先生のコラボで人気の講座に参加してきました。歌舞伎を観劇に行く前に、作家や内容を少し学ぶだけで楽しさが倍増します!
コトバで読み解く歌舞伎?歌舞伎の演目を知る講座
エンタメはジャンルを問わず好きで興味がありますが、ここ十数年はK-POPを軸にK-カルチャー沼にどっぷりの生活。他のエンタメに足を運ぶことは、あまりありませんでした。
歌舞伎に関しては、子どもの学生時代にPTAのイベントで行ったことがあるくらいです。
そんな私ですが、少し前から声をかけていただき『作者と劇評家のコトバで読み解く 歌舞伎のセカイ』という講座の裏方をさせていただいています。
講師は、現代歌舞伎演出家の木ノ下裕一さん(2024年にはまつもと市民芸術館の芸術監督団 団長への就任が決定)と三重大学準教授で劇評家の田中綾乃先生。
同じ演目を、演出家と劇評家という双方向目線から話をするスタイルの講座です。
第7回目の講座は、日本人なら誰もが一度はその名前を聞いたことがあるという『近松門左衛門とその作品』がテーマでした。
近松という人の生い立ちから作品を書くに至った背景、作品をどんな思いで書いたのか、それが歌舞伎になると誰が演じてどんなところが見どころなのかなどを、小さい頃から落語が好きだったという木ノ下先生がソフトな語り口調ながらハードで深い話をされます。
また配布される莫大な量の資料、これも楽しみの一つです。
スクリーンやホワイトボード、先生が持ち込まれた資料や本を使っての講座は息をつく暇もないないくらい充実していて気がつくと夢中で体が前のめりになり、ノンストップの2時間はあっという間に過ぎてしまいます。
近松門左衛門について学ぶ
私は、近松門左衛門についても江戸時代に活躍し、人形浄瑠璃や歌舞伎の作品を書いた劇作家で『曾根崎心中』を書いた人ということしか知りませんでした。
近松は生涯のうち100作品以上も執筆しているということを初めて知りました。
実際に起こったとされる事件を題材にしたこの作品が世の中に出たことで、心中が美化されブームのようになり、幕府が上演禁止にしたという時代背景。また人となりなどを知ると他の作品にも興味がわき、知的好奇心を満たすって楽しいと感じています。
歌舞伎観劇をするために
歌舞伎観劇ってなんとなく敷居が高いイメージがありますが、元々は庶民の娯楽ですし時代とともに進化してきたエンターテインメントです。
演目にはラブストーリー・政治劇・社会派ドラマ・サスペンス・コメディ・などなど実にバラエティー豊かで、しかも歌舞伎座ではほぼ毎日上演されているってすごいですよね。
初心者は芝居の内容がわからなくても「イヤホンガイド」という強い味方が、あらすじや見どころを教えてくれます。
最初は短い時間で3階席を選ぶこともいいですよね。
TVで見た気になる人が出るから見てみよう、でいいと思います。
でも、初心者だからこそあらかじめあらすじや歌舞伎のこと作家のこと背景などを知っていた方が、より楽しめるんだということを講座を通して学びました。
次回の講座
8回目の講座は、2023年12月7日 18:45~市ヶ谷で実施されます。
歌舞伎を別の角度から楽しむ講座、興味を持たれたらぜひ参加してみてください。
オフラインの楽しい講座は疑問に思ったこともその場で質問できるので本当に楽しいです。今後は歌舞伎や文楽がグッと近く感じられるようになること間違いなしです。
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