上大岡トメ×黒田尚子 親の介護とお金が不安です・7
不安ばかりの「親の介護」向き合い方の正解は?
不安ばかりの「親の介護」向き合い方の正解は?
更新日:2022年03月08日
公開日:2022年02月05日
「マンガで解決 親の介護とお金が不安です」エピローグ
著者のイラストレーター・上大岡トメさんは、山口県に住む56歳。神奈川県に住む80代の両親に「要支援1」の要介護認定が下り、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんから介護における心構えや介護保険制度、親にお金について確認するときの切り出し方まで教えてもらいました。
また、実際に介護をしている人からエピソードを聞いたり、介護経験者に実施したアンケート結果を踏まえたりして、自分の中で「介護への向き合い方」がまとまってきたトメさん。これからどのように進んでいこうと考えているのでしょうか?
※マンガ画像は複数あります。Yahooで閲覧している方は、画像をスライドしてストーリーを確認ください
親の介護に正解はない!子どもが考え続けることに意味がある

富山に一人暮らしの私(※黒田尚子さん)の母は、1940年生まれで、今年(2021年)81歳になります。
母のような親世代が介護を担っていた1980年は、三世代同居がまだ多く、65歳以上の高齢者がいる世帯の半数は三世代世帯でした。
私の家庭もそうでしたので、ごく自然に日常生活の流れの中に介護があり、小学生だった私も、寝たきりの祖母に食事を運んだり、薬を飲ませたりしていた記憶があります。
しかし、核家族で成長した今の40〜50代の子ども世代は、人が老いて死んでいく様を間近で見た人が少なくなっています。経験がないわけですから、突然、親の介護に直面したとき、どうすればいいのか、悩んだり迷ったりするのは当たり前です。
それに、介護保険が導入されたことで、今では、複数の選択肢から、子どもが親に代わって介護を選ぶ場面が増えました。子どもとしては、親のために介護の「正解」を見つけねばとプレッシャーもかかるのでしょう。
でも、在宅介護が必ずしも親孝行とは限りませんし、施設に入って、子どもに気兼ねなく過ごしたいと思う高齢者も意外に多いものです。
大切なことは、介護に直面したときに、自分が親に対して、何ができて何ができないのか、何をしたくて何をしたくないのか、胸に手を当ててよーく考えてみること。そして、親の「これから」に心を寄せることです。
その上で、介護サービスを利用しながら、親が望む必要なサポートを自分や他の家族と協力して、最善の道を考え続けることに意味があると思っています。親の状況は刻一刻と変わりますし、医療技術の進歩で、私たちが経験したことのない長寿社会が来ているのですから。
介護は、正解や完璧さを求めるものではなく、親も子も、「まあ、このくらいで良しとするか」くらいのスタンスでいなければ、長丁場になったときに、お互い疲弊してしまいます。
もちろん、何事も早めの準備が安心。「情報は力なり」ですので、情報収集したり、親が元気なうちに身の回りを整理したりしておけば、時間やお金の節約にもつながります。
いずれにせよ、介護をしていると、年老いた親が自分勝手なことばかり言って腹が立つこともあるでしょう。でも、親はいくつになっても子どもの幸せを考え、子どもも親の幸せを願っているものです。
行き詰まったら、そんな気持ちに立ち戻ってみてはいかがでしょうか?
上大岡トメ(かみおおおか・とめ)さんのプロフィール

東京生まれ、横浜育ち。東京理科大学工学部建築学科卒業。建設会社を経て、イラストレーターに。現在は山口県在住。著書に、ミリオンセラー『キッパリ!たった5分間で自分を変える方法』(幻冬舎)、『のうだま1・2』(池谷裕二氏と共著・幻冬舎)、『日本のふくもの図鑑』(ふくもの隊と共著・マイナビ文庫)、『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎)など多数。
黒田尚子(くろだ・なおこ)さんのプロフィール

CFP(R)、1級FP技能士。CNJ認定乳がん体験者コーディネーター、消費生活専門相談員資格。富山県出身。千葉県在住。立命館大学法学部卒業後、日本総合研究所入社。在職中にFP資格を取得。1998年独立。現在は、医療や介護、老後、消費者問題などに注力。がんと暮らしを考える会の理事や城西国際大学の非常勤講師も務める。
隔週土曜に掲載してきた本連載は、今回で終了。介護の悩みに直面したら、黒田尚子さんのお話のように自分が何ができて何ができないのか考えたり、親の未来に心を寄せたりしてみてください。あなた自身も無理せずに歩んでいってくださいね。
※本記事は、上大岡トメ・著/黒田尚子・監修『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)より一部抜粋して構成しています。
構成=渡邊詩織(ハルメクWEB)
■もっと知りたい■
- 【第1回】これが老いの兆候?親の介護に向き合うきっかけ
- 【第2回】親の介護で大切な心構えは?必要な準備をFPが解説
- 【第3回】介護に必要な費用はいくら?介護保険制度の仕組みとは
- 【第4回】介護に備え親のお金を把握したい…良い切り出し方は?
- 【第5回】遠距離介護の先輩が教える!押さえておきたいポイント
- 【第6回】介護経験者の「困ったベスト3」は?解決アドバイスも
『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』発売中
イラストレーターの上大岡トメさんと、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子先生がタッグを組んで作った、親の介護に初めて向き合う人のための本『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)。親が高齢になり、いろいろ心配になってきた介護初心者のトメさんが、実際に富山県の実家で遠距離介護をスタートしているお金の専門家・黒田尚子先生にさまざまなギモンをぶつけながら学んでいきます。
「介護」のことなんて、考えたくないと避けていた方にも、いつの間にか基本の知識が身に付く内容です。ぜひあなたの「親の介護とお金の不安」を解消するヒントにしてください。
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