昭和女子大学総長でありベストセラー作家

坂東眞理子さん79歳!意識して機嫌よくすれば毎日はもっと楽しくなる

坂東眞理子さん79歳!意識して機嫌よくすれば毎日はもっと楽しくなる

公開日:2026年01月13日

坂東眞理子さん79歳!意識して機嫌よくすれば毎日はもっと楽しくなる

人生をもっと充実させるために、心掛けるべきことは何でしょう。『女性の品格』『70歳のたしなみ』をはじめ女性を励ます著書を数々執筆してきた坂東眞理子さんは「日頃から『感謝』と『上機嫌』を意識することが、人生に幸せを与えてくれる」と話します。

坂東眞理子(ばんどう・まりこ)さんのプロフィール

1946(昭和21)年富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府(現・内閣府)に入府。埼玉県副知事、ブリスベン総領事、内閣府初代男女共同参画局長などを歴任。2004年から昭和女子大学教授。学長、理事長などを経て、16年から総長を務める。著書に320万部のベストセラー『女性の品格』など多数。最新刊は『祖父母の品格』(朝日新書)

意識して機嫌よく“ちょっといいこと”を重ねて!

意識して機嫌よく“ちょっといいこと”を重ねて!

私はほぼ毎朝、大学に歩いて通っています。数年前まで自転車通勤でしたが、まわりから「危ない」と言われて歩くことに。だいたい2kmの道のりを、自転車なら10分ですが、30分ほどかけて歩きます。通勤だけでなく、どこへ行くにも車には乗らず、なるべくスニーカーで歩いて、貯金はしないけど、貯筋はしているの(笑)

通勤途中に小さな神社があって、そこで感謝のお祈りをするのが朝の習慣です。今こうして健康でいること、子どもや孫たちが元気なこと、仕事があること、お世話になった方のこと、うれしかった言葉など、まずは今現在のことに感謝します。

それから、母や叔母、父、友人たちなど、これまでお世話になった人たちのことを思い出しながら心の中でお礼を言うんです。

人間っていうのは、自分がしたよいことは割と覚えているけど、人から親切にしてもらったことや支えてもらったことは忘れてしまいがちなんですね。だから私は朝、神社で思い出すの。

“そういえば、母はあんなに腰が曲がっていたのに、働く私を助け、子どもたちの世話をよくしてくれたな”とかね。朝、時間がない日は夜、お風呂の中での3分間を感謝のための時間にしています。

年を重ねたからこそ「気付ける」こと

年を重ねたからこそ「気付ける」こと

そうやって意識して感謝する時間をつくると、自分はいろんな人に支えられてこれまで生きてきたんだなと、あらためて気付くことができて、今度は自分が誰かを支えていこうという気持ちになります。これは年を重ねたからこそ気付けることでしょうね。

やっぱり若いときには、なかなか気が付かないんですよ。私もかつては母に助けてもらって当たり前と思っている恩知らずな娘でしたが、今、娘や孫たちを見ていると、つい「これは当たり前ではないのよ」と言いたくなります(笑)

先日も、娘たちが家に来ると言うから、だいぶがんばって料理をして待っていたんですが、急に行けなくなったと連絡がきて。がっかりしたり腹が立ったりすることもあります。そういうときは脳をクールダウンさせることが大事。怒りやモヤモヤはいったん手放して、寝てしまうのが一番です。

夜、頭の中に悩み事や不安が浮かんで消えないときも、私は“明日ゆっくり悩もう”と考えて寝ちゃいます。すると翌朝には、脳がリセットされて気分が変わっています。

「無理をしてでも機嫌よく」が坂東流

「無理をしてでも機嫌よく」が坂東流
昭和女子大学の応接室で。「公務員を辞めて大学にきて20年。新しい挑戦を続け魅力ある大学になったと思います」

これは自著『70歳のたしなみ』にも書いたんですが、60代、70代になって何より心掛けるべきは、機嫌よく過ごすこと。年を取ると、ここが痛い、あそこが悪いと次々不調が出てくるし、幸せそうな他人と自分を比べたり、若い頃の自分と今の自分を比べて、不機嫌になる種は山ほどあるわけです。

だけど、そこで不機嫌オーラを撒き散らしてしまったら、まわりまで気が重たくなるし、“私ってなんて未熟な人間なんだろう”と、さらに落ち込むでしょう。だから意識して上機嫌でいること。少し無理をしてでも機嫌よく振る舞うことで、まわりも笑顔になるし、結局、自分自身が一番励まされるんです。

私には上機嫌でいるための習慣があります。鏡って、なぜか顔映りのいい鏡と悪い鏡があるでしょう。我が家では、洗面所の鏡がほんのちょっと顔がきれいに見えるんです(笑)

だから朝一番、洗面所の鏡を見ながらニコッと笑って、“うん、今日もそう捨てたもんじゃないぞ”と、心の中で自分を励ます。すると機嫌よく一日を始められます。

意識して「感謝」すること、そして「上機嫌」でいることは、きっとこれからの人生に幸せをもたらしてくれるはずです。

ちゃんと声に出して褒めて応援したい

ちゃんと声に出して褒めて応援したい
坂東さんが大切にしている言葉の一つが「過ぎたらいい思い出」。「どんなに今つらくても、そう言える日がきっときます」

私は2年前の夏に、10代の頃からの大切な友人を亡くしました。同じ富山出身で、高校も大学も一緒。私は大学を出て国家公務員になりましたが、優秀だった彼女は仕事をすることなく専業主婦として人生を送りました。

ずっと住む場所が離れていたから、一緒に会ったり食事をしたりするのは年に2~3回でしたが、電話で話しては、うまくいかずに落ち込んでいる私を励ましてくれる人でした。

よく「あなたのここが悪い」と的確に指摘してくれるのが真の友達だという人がいますが、彼女は得意不得意のデコボコが大きい私の欠点も受け入れた上で、いいところを見つけ、「マリはがんばってるよ」と褒めてくれる友達だったの。

だから心がちょっと元気じゃないときに話すと、すごく癒やされてエネルギーをもらえました。

彼女のことを思い出すたび、私も家族や友人、それに若い人たちをちゃんと褒めて応援していきたいなと思うんです。

自分がつらかったとき、“地獄に仏”で助けてもらったことを、自分も人にやってあげられたらいいですね。少しでも相手が元気になってくれたら、“いいことをしたぞ”と、こちらも幸せになれます。ほんのちょっとのことでいいんです。

例えば私はシングルマザーでがんばっている若い友人に時々いただき物のお菓子や果物をお福分けするんです。すると子どもがとても喜んでくれるそうで、私もうれしくなります。

最近の心理学では、人が一番幸せを感じるのは、自己実現よりも、誰かの役に立ち、感謝されたとき、という説が唱えられているそうです。あなたも、自分にできる“ちょっといいこと”を探してみませんか?

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) 撮影=中西裕人

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年6月号を再編集しています。

HALMEK up編集部
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