4人に3人が不安!作法より心が伝わる大人のマナー
実は見られているのはここ!50代が知らない“葬儀マナーの落とし穴”
実は見られているのはここ!50代が知らない“葬儀マナーの落とし穴”
更新日:2025年11月13日
公開日:2025年11月12日
4人に3人が不安!「作法を間違えそうで怖い」
「お焼香の回数って何回だったっけ?」
いざというとき、そんな不安が頭をよぎったことはありませんか?
親の葬儀やお別れの場に参列する機会が増える50代。4人に3人が「葬儀マナーに不安」と感じているというデータも——。
株式会社NEXERと自由に家族葬が実施した調査(※)では、実に75.4%が「葬儀マナーに不安を感じる」と回答。「宗派で作法が違う」「久しぶりで忘れた」「ネットの情報がまちまち」など、理由はさまざまです。
特に不安が高かったのは、「焼香の作法」(73.7%)、「弔いの言葉」(61%)、「服装」や「香典」。——つまり多くの人が、「これでいいのかな?」と感じながら参列しているのです。
実は見られているのは“形式”より“配慮”
一方で、葬儀の場で「マナー違反を見たことがある」と答えた人は16%。「派手なアクセサリー」「ピンヒール」「火葬場で写真撮影」などに、違和感を覚えたという声が目立ちました。
共通しているのは、「遺族や故人への気づかいを欠いた行為」。細かい作法よりも、“心がこもっているかどうか”が印象を左右しているようです。
では、具体的にどんな点を押さえておけば安心なのでしょうか。調査で不安が高かった項目から、実用的な“正しいマナー”を5つ紹介します。
これだけは押さえたい!葬儀マナーの正解5つ
【1】焼香の作法
宗派や地域で違いがある焼香。迷ったときは1回でも問題ありません。香を右手でつまみ、胸の前で軽く押しいただいて香炉へ。(おでこの前まで上げるのは宗派によるため、胸の高さがもっとも無難です)終えたら一礼し、静かに席に戻りましょう。
焼香は「香りで心を整える」意味があります。大切なのは回数よりも、静かで丁寧な姿勢です。
【2】挨拶・弔いの言葉
言葉選びに迷う人も多いですが、基本は短く、「このたびはご愁傷さまです」で十分です。遺族に声をかけるなら、「お疲れのことと存じます」など控えめな気づかいの一言を。「頑張って」「元気出して」は避けましょう。
静かな声と軽い会釈——それだけで十分に気持ちは伝わります。
【3】服装・身だしなみ
女性は黒のワンピース・スーツ・アンサンブルが基本。光沢・透け感のある素材は避けましょう。ストッキングは黒の30デニール以下(薄手マット)が正式。真っ黒の厚手タイツはカジュアルすぎる印象に。寒い季節は、肌色ストッキングに黒の膝下ソックス重ねがマナー上OKです。
靴・バッグは黒の布製またはマット素材で、金具やロゴのないものを。アクセサリーは一連または二連の白・黒真珠のみ。「地味すぎるかな」と思うくらいの控えめさが、いちばん上品に見えます。
【4】香典の渡し方・金額
金額の目安は、親族=1〜3万円、友人・知人=5千〜1万円、職場関係=5千円前後。新札は避け、きれいな旧札を。宗派が分からない場合、表書きは「御霊前」で無難です。袱紗(ふくさ)から出し、表を相手に向けて両手で渡すのが正解。
金額よりも「丁寧に扱う姿勢」が大切。焦らず、落ち着いた所作が“礼儀の美しさ”を伝えます。
【5】所作・ふるまい
会場ではスマホをマナーモードではなく電源OFFに。入退場時は30度ほどの軽い一礼でOK。会話は控えめに、遺族に長く話しかけないのがマナーです。
「遺影を撮影」「SNS投稿」「明るすぎる笑顔」などは厳禁。厳格さよりも、“静かな思いやり”こそ大人の礼儀です。
50代から見直したい“自分らしい葬儀のあり方”
同調査では、55.2%が「基本的なマナーを押さえれば、故人を偲ぶ気持ちが大切」と回答。「遺族への配慮があれば十分」という意見も目立ちました。
一方、「厳格に守るべき」は12.6%にとどまり、葬儀に対する価値観が「完璧な作法」から「心を込めた振る舞い」へと変化していることが分かります。
親の葬儀を経験する一方で、「自分の時はどうしたいか」を考える人も増える50代。「堅苦しくなくていい」「家族に迷惑をかけたくない」と考える声も多く聞かれます。
家族葬や小規模葬が一般的になった今、形式よりも「想いの伝わる場づくり」が求められています。日ごろからマナーを知っておくことは、いざというときの安心だけでなく、“自分らしい最期”を考える第一歩にもなります。
※「葬儀のマナーに関する調査」株式会社NEXER×自由に家族葬 調査期間:2025年10月7日〜10月14日/有効回答500名/調査手法:インターネットでのアンケート




