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2024.10.022024年04月26日
プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック
「アルストロメリア」を飾って初夏のさわやかムードに
初夏の花「アルストロメリア」をお部屋に取り入れませんか?「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で「二十四節気の花あしらい」を担当する谷中直子さんに、アルストロメリアの飾り方・楽しみ方を伺います。
バリエーション豊富な「アルストロメリア」
アルストロメリアは南アメリカ原産。別名「インカのユリ」や「ユリズイセン」とも呼ばれる花で、60~100の野生種が分布しています。
日本では1980年代以降に栽培が盛んになり、切り花や花壇苗として多く出回るようになりました。
花色はパステルカラーやシックな色など、カラーバリエーションが豊富です。花びらの一部に他色の色が混じり、ユリを思わせるドット状の模様(スポット)が入るのが特徴ですが、今回使用した小輪品種の「パール」のように、一部の品種にはスポットが入らないタイプも存在します。
アルストロメリアの飾り方1:ボリューム感を活かす
「アルストロメリア」にはたくさんの品種と花色があります。その中でも、今回は白と淡いグリーンのコントラストがさわやかな、小輪で段咲きの「パール」という品種を選びました。
アルストロメリアは1本でも何輪も花が付いているので、数本あれば立派なブーケのような姿になります。上部にボリュームがあるので、口が広い器でもバランスよくきまります。
長さは難しく考えず、花瓶やお好みに合わせてください。少し離れて全体を確認しながら調節するのがコツです。もし、花の長さに迷ったときは、全体を見て、花と器の高さが1対1程度のバランスにするのもおすすめです。
アルストロメリアはとても水あげのよい花ですが、より長持ちさせるためにも他の花と同じように水を替えるタイミングで少しずつ切り戻しましょう。
お手入れで少し短くなってきたら、花の位置を動かしたり、花瓶を変えたりして雰囲気の変化を楽しんでくださいね。
アルストロメリアの飾り方2:意外な花をプラスして楽しむ
今回使用した「パール」のような、草ものの趣があるアルストロメリアは、個性的な花とも好相性です。
ここでは珍しい「フリチラリア・インペリアリス」という、ヨウラクユリや王冠ユリとも呼ばれるユリの仲間の花を合わせてみましたが、もう少し入手しやすい花であれば「サンダーソニア」や「グロリオサ」なども相性がよい組み合わせだと思います。
色も形も個性的な花を使う場合、本数は少なめにして、あえてアシメントリーに生けると花の個性がより際立ちます。アルストロメリアは茎が複数ついていますので、その間に差し込めば他の花を加えるときも配置しやすいですよ。
さらに動きのある枝物の「コデマリ・オーレア」と「オンシジューム エレナ」を加えてみました。このように何種類もの花を組み合わせる場合には、色数を少なくすると失敗が少なくなります。
特に枝物は1枝でも全体に動きが出て、ボリューム感がアップして大きく見えます。一本一本姿が違う、自然が作り出した大胆な動きも魅力です。
ここでは、黄金葉の「コデマリ」を使いましたが、この他にも新緑が美しくなる時季なので、お好みの枝を見つけてお試しくださいね。
アルストロメリアの飾り方3:器でイメージチェンジ
ガラスの花瓶に生けた花をそのまま竹かごに入れてみました。
たったこれだけで、雰囲気がガラリと変わります。ここでは竹かごを使いましたので、和の雰囲気になりましたが、バスケットであればナチュラルな雰囲気が出せます。
器が入るサイズのカゴやバスケットがあれば、簡単にイメージチェンジできますので、ぜひ身近にあるものを探してみてくださいね。
アルストロメリアの飾り方4:一輪をさまざまに楽しむ
アルストロメリアは1本に何輪も花が付いているので、たった1本でもブーケのような雰囲気が楽しめる花です。長めのまま、すらりとした姿を楽しんでみましょう。
長めの1本を生ける場合、口が狭まっている器ですとバランスよく見えますので、一輪挿しにこだわらず、お気に入りの空き瓶などを見つけて飾ってみてください。
お手入れを重ねて少しずつ茎が短くなってきたら、器を変えて楽しんでみましょう。
今度は色ガラスの少しだけボリューム感のある器に生け替えてみました。
「パール」は控えめな印象の花なので、個性的な器でも合わせやすいかと思います。シンプルに花をあしらう場合にこそ、個性的な器を選んで、器との組み合わせも楽しんでみてくださいね。
放射状に付いている花を小分けにして、小さなガラス瓶に生けました。
そのまま飾るのもかわいらしいのですが、もし、ケーキスタンドがあれば、こんなふうに小さな器に生けたアルストロメリアを集めてみると、ドレスアップした雰囲気が演出できます。
ここではケーキスタンドを使いましたが、トレーやお皿などにのせても素敵ですよ。
アルストロメリアは日持ちがよい花なので、きれいな花が残っていることも多いと思います。ぜひ最後の一輪まで工夫して楽しみつくしてくださいね!
「アルストロメリア」の基本情報
●出回り時期: 通年(旬は4月~6月)
●香り:なし(一部品種あり)
●学名:Alstroemeria
●分類:ユリズイセン科 ユリズイセン属(アルストロメリア属)
●和名:百合水仙(ユリズイセン)、インカの百合
●英名:Alstroemeria / Peruvian lily / Lily of the incas
●原産地:南アメリカ
●花言葉:「献身」「愛着」「幸福」「凛々しさ」など
構成・写真=石川恵子(第一園芸・花毎)
花屋の第一園芸が運営する花にまつわるコトを楽しむWEBサイト「花毎」。二十四節気とともに感じる季節の花を軸に、買うだけではない花の楽しみ方をさまざまな角度からご紹介。花毎の書籍に『 花月暦』(株式会社パイ インターナショナル刊)
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※この記事は、花毎での連載「二十四節気の花あしらい」を基に制作しています。