021:渡邊雅美さん(54歳)
新規事業は未来の自分のための投資!50代から始めた「豆活」と食習慣
新規事業は未来の自分のための投資!50代から始めた「豆活」と食習慣
更新日:2025年11月21日
公開日:2025年11月18日
50代から新たな人生を歩み始めた人たちを追う「わたしリスタート」。体力の衰えや社会情勢の変化の不安を乗り越えて、「やりがいのある仕事がしたい!」と未来の自分への投資になる働き方に変えた渡邊雅美さんに最初の一歩の踏み出し方をお聞きしました。
50代、働き方も体も変わってきた――。「無理がきかない」「この先どうしよう」……そんな不安が押し寄せる中でも、好きなことなら前に進めるのかもしれません。
渡邊雅美さん(54歳)は、コロナ禍で仕事が激減したことをきっかけに、給付金200万円を“未来の自分のため”に使う決断をしました。選んだのは“豆”。おいしく食べられて、元気に暮らすための力の源にもなる食材です。
大きなことじゃなくていい。好きなものから人生は変わる――。渡邊さんのリスタートには、そんなヒントが詰まっていました。
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渡邊雅美さんのリスタート・ストーリー
大学卒業後、留学、ファッション誌の編集等を経て、夫の転勤でヨーロッパへ。海外で宝飾・美術のコーディネーターとして仕事をしながらいろいろと経験値を広げる。30代後半で帰国、そして離婚。帰国後は日本企業の海外事業部で働いていたが、リーマンショックを機に独立。
40代を目前に、知人とイベントを企画したことから、2013年に企画・PR会社を設立。コロナ禍で仕事が激減したのを機に、49歳で豆の総合ブランド「beanholic」を立ち上げる。100歳までずっとおいしく、健やかにハッピーでいられる人生を目指して、オリジナルの豆食品を開発、販売している。
12月2日(火)~8日(月)虎ノ門ヒルズ(虎の門横丁)でポップアップ食堂を開催!詳細はインスタグラム(@beanholic_tokyo)でチェック!
コロナ禍で迎えた50代…給付金200万円を未来へ投資した理由

――豆のブランドを立ち上げたきっかけは?
2010年からイベント企画を中心にPR業をやってきましたが、コロナ禍でイベントのキャンセルが相次いで、どうしようと思っていたら、国から持続化給付金が支給されたんです。200万円!
せっかくならこの資金を元手に将来に向けた新しいことを始めようと、以前から関心のあった食のブランドを立ち上げ、お豆のスープを作り始めました。とはいえ、コロナ禍だったので広報活動はほとんどできず、細々と活動をスタートしたのが2020年6月。
そこから豆プロテインミートに出合い、2024年から本格的に事業展開を開始しました。
体力的にももう無理はきかないな。だったらそんな今にあった働き方にシフトしていかないと。豆はおいしくて体にいいので、習慣化して食べていきたい食材。興味があることだから、やりたいという気力も湧く。それで、豆食品に賭けてみようと思ったんです。
――給付金をコロナでの損失にあてようとは思いませんでしたか?
これまでもPRの仕事を、楽しくやってきました。でもイベントの仕事は体力勝負。自分の体力が少しずつ落ちてきているのを実感していました。しかもコロナを経て、企業のPRの方法も、リアルなイベントよりもSNSに予算を割くように変わってきて。
もちろん私もSNSでのPRの仕事にも携わりましたが、SNS世代でもないし、正直そこまで情熱が持てない。それだったら最後に、自分の本当に作りたかったものを作り、それを自分で宣伝してみようと思ったんです。
――そこで、注目したのが豆。その理由は?
子供の頃から食べることが大好きで、いつか食関連の仕事に関わりたいとずっと思っていました。私、もともとすごくオタク気質で、仕事とは関係なくても、気になるとなんでも調べて研究するクセがあるんです(笑)。当時、ハマっていたのが「出汁」。そこで出合ったのが豆から出る出汁でした。
豆から出汁が出ることに、とにかく感動してしまって。そこからは「豆だ!」って、お豆にロックオン。何か商品を作りたくてたまらなくなっちゃった。
豆は性質的にもレトルトに向いていたので、「世界を旅する豆スープ」を作り始めました。
豆と言っても大豆だけでなく、レンズ豆やソラマメ、いろいろな豆を扱っています。


夢中になれることを仕事に。未経験から始めた“豆の商品化”
――展開が早いですね。商品開発はどうやってされたんですか?
今までいろいろな企業の商品の立ち上げを見てきました。食品に関しては素人でしたが、宣伝・広報の仕事をしていたこともあって、食品の商品開発に詳しい知人や友人もそれなりにいました。
運がいいことに、スープのメニュー開発をしている友人がいたので、その友人に監修を依頼し、レシピを再現するための試作を重ね、商品化に至りました。工場探しと工場とのやりとりは、めちゃくちゃ大変でした(笑)
――挫折したり、途中で諦めたくなったことは?
幸か不幸か深く考えずに行動しちゃうんですよね。もちろん、とんとん拍子に何でもうまくできたわけではありません。でも、やった者勝ちではないですが、チャレンジを繰り返していると何かにつながるんです。
例えば私は、会う人みんなに、「お豆のブランドを始めたこと」と「豆への愛」を伝えまくっていました。とにかくいいということを知ってもらいたくて。そうすると、「そういえば雅美ちゃん(私)が、“豆豆豆”って言っていたな」と思い出してもらえたりして、どこかのタイミングで何かがつながり始めたりするんです(笑)。
今はまだ完全に軌道にのるというところまではいけていなくて、販路を拡大するには?新商品は?など課題はたくさん。できることから少しずつトライ&エラーの毎日です。

――豆の魅力はどんなところですか?
私自身、外食することも多いので、胃腸が疲れたと感じる日も度々。そんなときは豆のスープやカレーをいただきます。きちんと調理した豆料理は食物繊維やビタミンも豊富で消化もいい。だから、体がリセットされる感じがします。
最近では、自社のそら豆プロテインミートを肉そぼろ風に味付けして作り置きするのが定番です。おひたしにのせたり、和え物に使ったり、そうめんの薬味にしたり、卵焼きに加えたり、麻婆豆腐を作ったり。疲れていても、すぐに一品できるので実生活でも重宝しています。しかも良質なタンパク質補給にもなるので。
私はお酒も外食も大好き。食事の時間は楽しい時間だから我慢はしたくありません。でも、同じくらい体をいたわる時間も必要になってきたと感じています。そのバランスを取るのに豆の食材をうまく活用してもらえたら、絶対体が喜んでくれる。そう信じています。

怖くても動いてみる。50代だから出せる「ちょっとの勇気」
――チャレンジをするときに勇気を出す秘訣は?
もちろん最初は何をするにもドキドキしますよ。ただ私の周りには起業している方がとても多くて、成功している方がたくさんいらっしゃる。その中で私はいちばん弱小ですけれど、活躍している起業家の方たちの話を聞いて、アドバイスをもらっていると、不思議と「私にもできるかも」と、幸せな勘違いをして、突き進んでみようと思えてくるんです(笑)
企業への売り込みも、アポイントを入れてみると、意外と会ってくださることが多いんです。ダメで元々!とにかくやってみること。本気でいいと思っていることをやっているわけですから、大企業にだって、たとえすごいと思う人にだって、ご意見を伺ってみる…ことは全然OKだと思うのです。
54歳の私のことをまずは私自身が信用してみる、という感じです。そうしないと、伝えたいことが伝わらないままになるのではないかと思います。
――今までがんばってきた自分を信じる、ということでしょうか?
はい。すごいことをやってきたとか、キラキラしたキャリアがなくてもいいんです。この年齢まで、健康でいられたことだけでも素晴らしいこと。つい当たり前だと思いがちですが、元気においしく食べられて、お風呂に入って眠れる。それができている時点で幸せなはずですから。
だからこの先、どれだけ長生きできるかわからないけれど、健康に生活ができるだけで幸運なことだ思うのです。長生きはしたいけれど、悔いなく生きたいとも思っています。毎日やりたいことをして、会いたい人に会って、やりたいことをする。そして、適度な思い込みや勘違いも大事だと思います、仕事も恋愛も。
落ち込んでも3時間。前向きに戻る“私ルール”

――新しいことを始めるとき、人の目、人の声は気にならないですか?
年齢とともに気にならなくなってきました。何の根拠もないけれど、私がこんなにやりたいと思っているのだから、きっと今やるべきなんだと思うようになりました。
人は好き勝手に言いたいことを言うものですからね。ビーンホリックについてだって、いろいろなことを言う人はいます。それをいちいち気にしていたら何もできません。外野の声にやられちゃダメだなと思います。
だからSNSも得意ではないながらもやっています。誰がどこで見ていてくれるかわかりませんから。人に何か言われることを怖がるよりも、素敵なご縁や展開に繋がるほうに賭けてみたい。
――不安や怒りでモヤモヤしたときの対処法は?
40代なんて、よくキーッて、なっていましたよ(笑)。50代になってからも、落ち込むことはあります。でも、そこから抜け出すのが少しうまくなったかな。大変なことでも、その経験をしたということは、それがいつか必要になるのか、「そっちじゃないよ」のサインなのかもしれないと思えるようになりました。
気分が下がった時は、3時間くらいどっぷりと落ち込み尽くします。悶々と考え続けていると、考えることに飽きてくるんです。ネガティブなことを考え続けてもどうにもならないでしょ。そうしたらもう、よし!って上がるしかなくなります(笑)。
恋も趣味も心の栄養。“ときめき習慣”で明日を元気に

――先ほど「恋愛」というワードが出てきましたが、今ときめいていますか?
日々、さまざまなことにときめいています。ちゃんと食べて体が健康だと、心が穏やかになり、食事をおいしく味わうと気持ちが満たされる。それって、仕事だけでなく、恋愛にもいいと思うんです。生活全般にいいはず。
絶世の美女にはなれないけれど、私と一緒にいたら、そこそこ楽しく幸せに過ごせるんじゃないかな。思いもよらないことが起こることが実際にあり得るから、そんなはずないと決めつけるより、何か良いことが起きるかもって思っていたほうが楽しいですよね。恋のときめきも忘れず、男女問わずいろいろな人と会い、ワクワクする気持ちを持ち続けるようにしています。
――これからチャレンジしたいことは?
最近はずっと国内で活動をしてきたので、来年は少し海外にも出ていきたいなと考えています。欧米で過ごした時間も長かったので、日本が大好きだけど、時々外国が恋しくなる。
豆は世界中で食べられているし、豆と発酵を軸にした日本の家庭料理の文化を世界に届けて、健やかに健康寿命を伸ばす「幸せなロングライフ」を広げていけたらなと思っています。
50代になって、クラシックバレエも習い始めました。
70歳くらいになったときに、肌艶良くて、背筋が伸びてはつらつとしていて、人生のピークを迎えるのが目標です(笑)。
50代のリスタートに必要な3つの備え
周りに翻弄されず、自分を幸せにしてあげる方法をいくつか持っていること。やりたいことに向かって行動していれば、人の目を気にしている暇はないのです。
1.常に全力
「あのとき、ああ言えばよかった」「こうしていればよかった」と悔いが残らないように、伝えたいことは伝え、会いたい人には会いに行きます。素敵だなと思ったら「素敵ですね」と言うだけでもいい。できるだけ自分の心にシンプルに従う。また、必要なことは向こうからやってくると「信じて待つ」ことも大切にしています。
2.とにかくやってみる
やらないとわからないことってたくさんあります。少々思い込みや勘違いがあってもいいから、とにかくやってみる。人目が気になるという人もいますが、意外とみんな、人のことは見ていないもの。心からやりたい!と感じたら、ダメ元でも行動してみることです。経験はすべて宝物になり、思わぬところにたどり着いたりします。
3.自分の欲求を叶えてあげる
小さなことでいいから、自分がしたいことを叶えてあげることです。私は食べることが好きなので、毎朝自分に「今日、何が食べたい?」と聞いて、72時間以内にそれを食べるようにしています。自分の欲求に素直に向き合い、叶えられることから叶える。自分が満たされると、自分の好きなこと、やりたいことがちゃんと見えてくるように思います。
取材・文=樋口由夏 写真=日高奈々子 企画・構成=長倉志乃(HALMEK up編集部)
渡邊さんもゲスト出演!ハルメク新番組『モヤモヤのち晴れ』公開中!
アラフィフ女性の悩みに、千秋さんと一緒に向き合う番組『モヤモヤのち晴れ』。「50代からは仕事にやりがいが欲しい」「いつまで働けばいいの?」などなどアラフィフ女性のお悩みを千秋さんやプロのアドバイスを交えて考えます!渡邊さんもゲスト出演中!





