「他力本願」の意味から知る心穏やかに生きるコツ
2024.02.082022年09月28日
玉置妙憂さんの心穏やかになる言葉と瞑想#1
諸行無常の意味と1分間瞑想で、心穏やかに生きる
看護師で僧侶の玉置妙憂さん。命の現場に立ち会う玉置さんに、仏教の言葉の意味と、心穏やかに暮らすための知恵を教えていただきました。先が見えない時代だからこそ自分の感情と向き合い、心の平安を保ちましょう。
玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さんのプロフィール
東京都生まれ。看護師であり、僧侶。非営利一般社団法人「大慈学苑」創設者で代表を務める。夫の看取りをきっかけに、その死に様があまりに美しかったことから、開眼。高野山真言宗にて修行を積み、僧侶になる。現在、スピリチュアルケア活動を行う。著書に『まずは、あなたのコップを満たしましょう』(飛鳥新社刊)。
「玉置妙憂さんの心穏やかになる言葉と瞑想」を動画で
これから6週にわたり、玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さんに仏教由来の四字熟語を毎週1語ずつ教わり、その後1分間の瞑想を行います。今日はその1回目。マインドフルネスとして注目される瞑想のやり方、作法も教わりましょう。ぜひ動画でご覧ください。
第1回の言葉「諸行無常」の意味、その教えとは?
平家物語の一説
祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、 娑羅双樹(さらそうじゅ)の花の色、 盛者必衰の理をあらは(わ)す。 おごれる人も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏に風の前の塵に同じ
「諸行無常」という言葉の意味を、玉置さんはいくらがんばっても結局は駄目になってしまうという言葉だと、ずっと思っていたそう。
「でも、本当の意味は実は違うんですね。諸行無常、これはこの世にあるものは、何一つとして同じ形であり続けないということを教えてくれている言葉なんです」と玉置さん。
しかし、諸行無常の言葉のようにはいかないものです。例えば「若さ」への執着があります。いつまでも若くいたいと思ったり、シワが出てきたら、化粧品を一生懸命塗ったりたり、プチ整形をしたり……。それから、お金もそうです。お財布に入っているお金を減らしたくない。ずっとここに置いておきたいと考えてしまうものです。そして、人間関係も同じと指摘する玉置さん。
「いつまでも、いつまでも一緒にいたい。仲良くいたい。全部これは、諸行無常であるということを忘れているということなんですね。良いことも、悪いこともどんどんと変わって巡っていきます。私たちが同じであることはないんですね」
それを踏まえて執着しない。変わっていくものを、変わっていくままに受けとめていくことが、穏やかに、豊かに生きる一つのコツだと言います。
「苦しくなっていること、イライラしていること、不安になっていること、それ全部、今あるものそのままでいたいという私たちの執着から出ているんじゃないかなと思うんです。今一度、みなさま方がもし、不安だったり、つらかったり、悲しかったりしたら、それを思い起こしてみてください。変わりゆくものを抑えようとしているのであれば、時にその手を放してしまう。流れゆくものを流れるままに眺めてみる。それが、諸行無常という言葉の私たちにくださる教えです」
この世にあるものは、何一つとして同じ形であり続けることはないということを教えてくれている「諸行無常」の本当の意味。良いことも、悪いこともどんどん変わって、巡っていきます。こだわらない。執着しない。変わっていくものを、変わっていくままに受け止めたいものです。
瞑想のやり方とは?
いすに座っている方は、しっかりと足の裏が地面に着くようにしてください。椅子の背に寄りかからず浅く腰掛け、体を前後左右に振って、ご自分の真ん中の線を探します。骨盤の上に背骨が真っすぐ上に積み上がって、頭を一番上にポンと乗せるイメージ。手の先は上向きでも下向きでもOKです。静かに目を閉じ、呼吸は大きく、鼻から吸って、口から吐きます。吸うよりも吐く方が3倍は長くなるように、細く長く吐いていきます。
今週の曼荼羅の意味は?
玉置さんが描いた曼荼羅(まんだら)をご紹介。今週は「希望」です。よく見ると葉っぱや花などが見られます。命がどんどん芽吹いていく、そういうエネルギーを感じて描いた曼荼羅だそうです。