50代女性の体験談シリーズ:実家じまい編 #2
空き家の実家、4年で100万円。持っているだけでかかるお金の内訳は?
空き家の実家、4年で100万円。持っているだけでかかるお金の内訳は?
更新日:2026年02月02日
公開日:2026年01月21日
実家が空き家になって、まず最初にやったこと
実家が空き家になって、最初に行ったことは次の通りです。
- 新聞を止める
- 定期的に届く通販やDMの停止
- 生ものやゴミの処分
- 冷蔵庫の電源を抜く
- 郵便の転送手続き、ポストのチラシ対策
- 電気・ガスの契約内容の見直し
- ご近所へ、空き家にする旨と連絡先を伝える
子育てと日常の家事に加えて、実家の管理、施設への往復の日々。時間と体力だけでなく、家計にも影響が出始めていました。
空き家4年で約100万円。想定外だった維持費の内訳
私の場合、空き家管理は4年間。その間にかかった金額は、約100万円でした。
何もしていなくても、年間で約20〜25万円。固定資産税だけでは済まなかったのが、正直なところです。
空き家の維持費といえば、光熱費と固定資産税くらいだと思っていました。でも実際には、庭の手入れ、害虫対策、火災保険など、想定外の出費が次々とありました。
「持っているだけで、お金がかかる」。固定資産税しか想定していなかった私にとって、これは大きな誤算でした。
実際にかかった費用は、次の通りです。
- 固定資産税 約13万円/毎年
- 火災保険 約2万円/毎年
- 最低限の光熱費 約1万円/毎年
- 庭木の剪定・草の管理 約5万円/毎年
- 害虫対策 約5万円
- 実家に通う交通費 約2万円/毎年
合わせると、年間で約20〜25万円。何もしていなくても、これだけの維持費がかかっていました。
売却を考え始めた矢先に、立ちはだかった壁
「このまま維持して大丈夫?」
想定していなかった維持費と手間。母の介護にも費用がかかります。とりあえず相談してみようと 地元の不動産会社2社に査定を依頼し、売却の流れを説明してもらいました。
査定額は、思っていたより高め。
「この金額なら、売ってもいいのかもしれない」と、 心が揺れました。けれど、手続きを進めようとしたとき、言われたひと言で凍りつきました。
「お母さま、判断能力は大丈夫ですか?」
「認知症です」
「それでは、売ることができません」
認知症と診断された母には、売却という大きな契約を結ぶ判断能力がない。
認知症=判断能力がなく、自宅売却など大きな決断ができない。頭ではわかっているものの自分がその場面になるとは思っていませんでした。
「家に帰りたい」という母の言葉が、心の支えに
4年で100万。毎月2万円以上の維持費。売ることもできない状況。
そんな中で、心の支えになったのは、母の「家に帰りたい」という言葉でした。
施設に不満があったわけではありません。それでも、主婦として長年家を守ってきた母。住みなれた家に帰りたいという気持ちは、自然なものだったと思います。
「暖かくなったら帰ろうね」
「涼しくなったら帰ろうね」
そう声をかけながら、体調がいい時期に帰宅できるようにと家を整え続けました。結局、4年間のうち、帰宅できたのは一度だけ。でもそのときの、母のうれしそうな表情を見て、「家を売らなくてよかった」と、心から思いました。
母が帰れる場所を残しておくこと。介護施設に預けたことに罪悪感を感じていた私にとって、せめてもの償いのような感覚でした。
売ることもできず、空き家のまま維持し続けるしかなかった実家。
母の他界後、この家をどうするかという決断は、今度は私自身に委ねられることになりました。




