老いは壊れることじゃなく、ほどけること
50代からの“ゆるみ”は、人生のごほうび「いい感じ」が待っている!
50代からの“ゆるみ”は、人生のごほうび「いい感じ」が待っている!
公開日:2025年07月10日
こんにちは。終活コーディネーターであり、グリーフケア士の吉原友美です。
私はこれまで、たくさんの「人生の終わり」と向き合ってきました。でも、終わりを見つめるからこそ、気付いたことがあります。
それは……人生の後半は、がんばり続けた人にだけ訪れる、やさしい時間だということ。
吉原友美(よしはら・ともみ)プロフィール

東上セレモサービス常務取締役、終活コーディネーター。一般社団法人ライフ・パートナーズ理事。
自身の家族が早くから他界。その経験から死生観を育成して生きていくことの大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い、死生観育成について伝えている。また、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説する。セミナーの参加数は累計2万人以上の人気を誇り、自社では3万件以上の葬儀を承っている。
老いは衰えていく過程ではなく、「ほどけていく」時間

50代・60代を迎えたときに訪れる「心と体の変化」。それは決して、衰えていく過程ではありません。
むしろ「ほどけていく」ことで、自分らしい美しさと生き方に出合える季節なのです。
今日はそんなお話を、心をこめてお届けします。
「最近、疲れやすくなった」
「白髪が増えたし、涙もろくなった」
「体も心も、なんだかゆるんできた気がする」
そんな自分に戸惑う瞬間、ありませんか? 私はそれを“老い”とは呼びません。
これは、ほどけていく時間だと考えています。
50代、もう戦わなくてもいい

これまで私たちは、ずっと“きちんと”生きてきました。母として、妻として、職場でも。
周囲にどう見られるかを気にして、ファッションもメイクも「ちゃんとしていること」を優先してきたはずです。
20代の私は、ジャケットを羽織ることで気持ちを引き締め、40代まではハイヒールで背筋を伸ばして“戦う日々”を送っていました。
でも50代を迎え、ふと気付きました。もう戦わなくてもいい日が、増えてきたのだと。
白髪が目立つ、似合っていた服がしっくりこない、メイクをする手が止まる……。そんな変化に戸惑うのは当然です。
でも、それは「衰え」ではありません。がんばってきた心と体が、「ちょっと休んでもいいよ」と言っているだけ。
私はこの“ゆるみ”を、人生からのごほうびだと受け取っています。
今のあなたにしか似合わないスタイルがある

「何を着たらいいかわからない」という声も多く聞きます。けれど、それは似合わなくなったのではなく、これまでの“役割に似合っていた服”を卒業しただけ。
今のあなたには、今のあなたにしか似合わないスタイルがあります。
例えば今年の流行なら、
・風をまとうようなリネンのワイドパンツ
・透け感のあるシアーシャツを軽く羽織って
・アースカラーをベースに、ラベンダーやミントグリーンをひとさじプラス
“きちんとしすぎないけど、だらしなくも見えない”。このバランスが、大人のおしゃれを自由にしてくれます。
メイクも「整える」から「引き立てる」へ

メイクもまた、「整える」から「引き立てる」へ。
厚塗りよりも、ツヤ感重視の下地で肌を呼吸させて。
眉は輪郭をなぞるより、毛並みを生かして自然に。
リップはマットよりも、潤いのあるティントが今っぽくておすすめです。
喪失の痛みは、ゆっくり、静かに

グリーフケア士として、私は長く“心のほどけ方”に向き合ってきました。人は、大切なものを失ったとき、すぐに切り替えることはできません。
喪失の痛みは、ゆっくり、静かに、自分のペースでほどけていくものです。
そしてこれは、人生の節目にもあてはまります。母としての役割を終えたとき、働き続けた職場を離れるとき、「若い私」とそっとお別れをするとき。
それは、悲しいことではなく、新しい自分に会うための“脱皮”のようなもの。
グレイヘアに挑戦してみる。ウエストに締め付けのないワンピースを着て出掛ける。ビューラーを使わない日があっても、自分に笑いかける。
そんな日々が、きっと「本当の私」と再会する時間になります。
どうか、自分に言ってあげてください。「今の私、ゆるんでいて、いい感じ」って。
年齢を重ねることは、自分を縛っていた“こうあるべき”から、少しずつ自由になること。
ほどけた先に待っているのは、もっと心地よくて、もっと自分らしい、あなただけの“やさしいおしゃれ”と“生き方”です。
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