「種種雑多な世界」水木うららさん
2024.11.302023年01月30日
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座第5期第4回
「里芋って冷凍できるんですね」中江翠さん
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクの通信制エッセー講座。参加者の作品から山本さんが選んだエッセーをご紹介します。今月のテーマは「会話で書くエッセー」です。中江翠さんの作品「里芋って冷凍できるんですね」と山本さんの講評です。
里芋って冷凍できるんですね
今年は予想以上に立派な里芋が沢山収穫できました。
一人暮らしの私には食べきれなく、丁度次男の所へ行く用事ができたので少し持って行きました。
「里芋が沢山できたから持ってきたよ。これはホクホクして美味しい種類だから食べてね」
「それやったら、豚汁にでもするか?」
と言ったので、皮をむいて適当な大きさに切って冷凍しておきました。
後日、長男の所にも他の野菜と一緒に里芋も送りました。
「泰さん(次男)が食べると言うから、皮をむいて冷凍してきました」
というメモを添えて。
「野菜届きました。有難うございました。里芋って冷凍できるんですね!知らなかったです!」
「そう。色々な野菜が冷凍できるのよ。沢山採れた野菜を食べきれないから、オクラ、ゴーヤなども冷凍しているのよ」
「ここは町が遠くて買い物に不便だから、10日~2週間に一度買い物に行って、その日のうちに色々冷凍しておくの」
「鰯や鯵が一盛300円くらいで売っていたら、買ってフライ用にパン粉をつけて冷凍しておくの」
「肉類は、小分けして塩麴をつけてこれも冷凍」
「わぁ~、そうしておけば後が楽ですね。お母さんの冷凍庫、すごく充実していますね!私も色々やってみます」
田舎暮らしの買い物事情から始まり、食材の保存方法、冷凍の仕方や簡単な保存食作りまで、色々な話ができました。
冷凍の仕方も、なるべく急速冷凍できるように、金属トレーに薄く広げて冷凍。
解凍する時は、金属トレーを2枚重ね間に食材を挟み、上のトレーに水を張って解凍すれば、食材の鮮度も保たれます。
そんなことも追加して書いて送ればよかったと後で思いました。
山本ふみこさんからひとこと
さりげない会話をもって、ひとつの世界が立ち上がります。登場人物のひとりひとりが、どんな人物で、書き手との関係がどうであるかが、会話を通じてはっきり伝わります。
次男はやさしいのです。長男の嫁とは、気持ちを通わせています。ありがたいことです。
なんて書いたって伝わらない事ごとが、伝わるのです。
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座とは
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。
現在第5期の講座を開講しています(第6期までの募集は終了しました)。次回第7期の参加者の募集は、2023年6月を予定しています。詳しくは雑誌「ハルメク」2023年7月号の誌上とハルメク365イベント予約サイト(6月更新予定)のページをご覧ください。
■エッセー作品一覧■