山本ふみこさんが選んだエッセーの紹介とQ&A動画

山本ふみこさんエッセー通信講座第5期参加者の3作品

公開日:2022.12.28

随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座。エッセーの書き方を半年間で学んでいます。第5期3回目の動画と、参加者の作品から山本さんが選んだ3本のエッセーをお楽しみください。

山本ふみこさんエッセー通信講座第5期第3回
山本ふみこさんエッセー通信講座第5期第3回参加者の3作品

山本ふみこさんが選んだ3つのエッセー

クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。第3回で取り組んだエッセーのテーマは「一歩」です。

「時どき女、時どき男」石川久子さん
いつもの旅友(たびとも)とスペインにはじめていった時の事。……

「ジムノペディ」佐伯典子さん
「家では電子ピアノを使ってるんで、これはもう使わないの。良……

「なんとかなる」宮本昌子さん
次女春子から聞いた話 淳のこと。ただいま21歳。わたしの5番目の……

型に当てはめず「あなたらしさ」を大事に書きましょう

人気随筆家の山本ふみこさんにエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座には、全国各地から約30名が参加しています。第3回の解説を動画でご紹介します。

山本さん:作品を読ませていただく中で、みなさん書きながら徐々に「迷い」や「変わりたい思い」が生まれてきているのかなと感じました。

みなさんは学校で、作文の書き方を教わったかと思います。「段落の始まりは1字下げて書く」とか「起承転結で構成しなさい」とか、「型」をだいぶ教え込まれたのではないでしょうか。

そういった背景からか質問の中には「こんな表現をしても許されるのでしょうか」「助詞の使い方は合っていますか」という「型」に関するものがいくつかありました。

私のエッセー講座では「思いがけないところから書き始める」「切りっぱなしで終わってOK」など、今までみなさんが教わってきた「型」とは違う書き方をお伝えしています。

型は型として美しいものだと思うのですが、エッセーには「あなたらしさ」が大事です。悩んだら「こういうやり方はどうかな」と書いてみてください。思い切って思ったとおりの表現で綴ってみてください。

こういった質問は、私は「解放の始まり」だととらえています。「いいぞ、いいぞ」と思いながら見ていますよ。

山本さんがおすすめしたい1冊をご紹介

今回は、山本さんがエッセーを書くみなさまにおすすめしたい1冊をご紹介します。

『雪のひとひら』ポール・ギャリコ 著/矢川澄子 訳

山本さん:『雪のひとひら』は、空の上の雲の中で生まれた水滴の一生のお話です。それが女の一生になぞらえて連なっていき、また空に帰っていく壮大な作品。私たちの人生と水滴の一生が重なり合うその巧みさに胸打たれる名作です。本当に美しい表現の連続です。

私は、著者をしばらく女性だと信じていたのですが、男性だと知って驚きました。

これはポール・ギャリコの名作ではあるのですが、矢川澄子さんの名訳にも注目です。原題は「Snowflake」。これを「雪のひとひら」と訳す感性が素晴らしいと思いませんか。矢川さんの翻訳の仕事に限って追いかけてみても、一つの読書の旅になると思います。

私はこの作品を年に2回は開いて、音読もします。読むたびに作品の受け取り方が変わるのが面白い。

書いていく日々を過ごす私たちは、繰り返し読むことで「表現」という視点でも受け取り方が変わっていくと思います。本を読んだり映画を見たりすることは、文章を書くことと繋がっています。ぜひ、みなさんも様々な作品に触れてみてください。

随筆家・山本ふみこさんのプロフィール

「エッセーの書き方講座」講師の山本ふみこさんとは?

1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/

ハルメクの通信制エッセー講座とは?

全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。

募集については、今後 雑誌「ハルメク」誌上とハルメク365イベント予約サイトのページでご案内予定です。

エッセー作品一覧

ハルメク旅と講座

ハルメクならではのオリジナルイベントを企画・運営している部署、文化事業課。スタッフが日々面白いイベント作りのために奔走しています。人気イベント「あなたと歌うコンサート」や「たてもの散歩」など、年に約200本のイベントを開催。皆さんと会ってお話できるのを楽しみにしています♪

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