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- 青木奈緖さんのエッセー通信講座第2回参加者の2作品
「家族」をテーマにしたエッセーの書き方を、エッセイストの青木奈緖さんに教わるハルメクの通信制エッセー講座。大切な思い出を形に残すべく取り組む参加者たちの作品から、青木さんが選んだ2つのエッセーをご紹介します。
青木奈緖さんが選んだ2つのエッセー
「青木奈緖さんのエッセー講座」参加者による家族のエッセーです。クリックすると、作品と青木さんの講評をお読みいただけます。
「次男の言い分」北谷利花さん
「3人の兄弟の中で、俺だけが幼稚園から大学まで、ずっと公立や。兄ちゃんや妹は……
「終わりと始まり、流れのままに」吉川洋子さん
30数年前のことだ。40過ぎの夫は……
エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答
エッセイストの青木奈緒さんを講師に、半年間でエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座。
このエッセー講座のテーマは「家族」。日本各地からご参加いただいた30名の皆さんが毎月1本、家族との大切な思い出をエッセーの形に残すべく取り組んでいます。
参加者ひとり一人がエッセーを書くうちに直面する悩みや疑問は、実は、書く人にとって共通する学びの宝庫です。ハルメクでは、月1回青木さんが参加者の質問に回答する動画を制作。現在の参加者がいきいきと学べるように、また、どなたでもご覧になって学びを生かせるように公開していきます。
第2回目となる今回の動画では、「自分の気持ちを作品に表現したいとき」の表現方法についてお話を伺いました。
Q.「(感動を表現するときに)ありったけの言葉を重ねてしまいます。どうすれば的確に思いを表現できますか?」
青木さん:これは、なかなか奥深い質問ですね。ありったけの言葉を重ねてしまう、というのはその奥にある「自分の気持ちを一生懸命に伝えたい」「読者に気持ちを分かってもらいたい」という表現に対する欲でもあり、何かを書くうえでとても大切にしてもらいたい気持ちです。
そのうえで、どこまでが的確な表現になるか? についてお話します。
例えば、とても素晴らしいエッセーを書かれた人がいたとします。その人の作品を拝読して心底褒めたいと思ったとき、「素晴らしく申し分のない書き馴れた上々の出来です」と伝えたら、その言葉を受け取った人はどう思うでしょうか?
単純にうれしいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、表現に表現を重ねることで「ん?」と何かがひっかかるように感じ、「もしかして、皮肉?」と思う人もいるかもしれません。
もうひとつの例えとして、歌の歌詞があります。
歌には歌詞だけで読んでみるとあまりにストレート過ぎる表現のものもあり、中には文字だけでは成り立っていないと感じるものもあります。ただ、歌には曲があるので、メロディーに言葉が合わさることで聞く側に心地よく届き、ストレート過ぎる表現でも伝わります。
かたや、エッセーには曲がありません。読者の心に届いているのか、離れてしまっているのかは分かりません。読者がどう読んで、どう反応しているか、その場では書いた私たちは理解ができません。これは対面にはない、文字で伝える難しさです。
表現を重ねに重ねた場合、書き手の気持ちと読者の気持ちが合っていればいいのですが、外れてしまったとき、読者の気持ちは冷め、離れてしまいます。効果的な表現にしたつもりが、逆効果になってしまうのです。
過不足ない表現、効果と逆効果の線引きは書く人にしかできないので、その線をどこに引くかを見極めていくことも書くうえで大切な仕事です。
読者の好みも受け取り方も千差万別で、万人へ届くものは書けません。最終的に頼るのは、自分の感性です効果と逆効果の紙一重の線を引く客観的な感覚を掴み、感性を磨くには、やっぱり自分でひたすら書いてみる、書き馴れていくことではないでしょうか。
書き馴れていくと文章に自分の中にあるリズムや表現、話の進め方の傾向が出てきます。感性や個性は隠したくても隠せるものではありません。
エッセーは自由度が高いゆえに、表現も千差万別だと思います。自分の思いを伝える的確な表現を見つけるために、気持ちを細やかにもつことが大切です。
動画では、さらに詳しいお話や、青木さんの朗読もお楽しみいただけます。朗読するのは、親と子の気持ちの葛藤と、ある一歩のはじまりを心地よく書いた作品「次男の言い分」(北谷利花さん作)です。
エッセイスト・青木奈緖さんのプロフィール
1963(昭和38)年、東京生まれ。文豪・幸田露伴を曽祖父に、作家・幸田文を祖母に、随筆家・青木玉を母に持ち、自身もエッセイストとして活躍。著書に『幸田家のきもの』(講談社刊)、『幸田家のことば』(小学館刊)他。
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回家族の思い出をエッセーに書き、講師で随筆家の青木奈緖さんから添削やアドバイスを受けます。
書いていて疑問に思ったことやお便りを作品と一緒に送り、選ばれると、青木さんが動画で回答してくれるという仕掛け。講座の受講期間は半年間。
現在第5期の講座を開講しています(募集は終了しました)。2023年3月から始まる第6期参加者は2月7日まで受付中。詳しくは雑誌「ハルメク」2023年2月号の誌上とハルメク365WEBサイトのページをご覧ください。
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