山本ふみこさんエッセー通信講座第3回

2021年07月12日

山本ふみこさんが選んだエッセーの紹介とQ&A動画

山本ふみこさんエッセー通信講座第3回参加者の4作品

随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座。参加者の作品から山本さんが選んだエッセーを紹介します。今月の作品のテーマは「笑いかける」。自由な発想が光る4作と、山本さんの動画をお楽しみください。

山本ふみこさんが選んだ4つのエッセー

クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。

「甲羅」板谷越りんさん
「え?唐草模様の風呂敷?泥棒コント?」高2の中間テスト直前の帰り道のこと……

「挨拶下手」いとうきこさん
昼下がり、陽気に誘われて散歩していると、向こうから小学生の男の子が……

「猫助け」いぬいみきさん
なんで走ったんやろ。小さい頃からずっと言われてたのに、まだ膝がしっかりしてない……

「元気でね」丹羽由実さん
ロサンゼルスで働くことになり、赴任して直ぐに車を買った。30年前のことだ……

 

エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答


通信制エッセー講座の参加者から寄せられた質問やお悩みに、山本ふみこさんが動画で回答します。

 

今月の質問「作品の終わり方について教えてください」

山本さん:講座の教材では《切りっぱなし》で終わる効用というお話をしています。

学校教育では、作文や手紙など物を書くときには「最後はまとめる」「うまく結ぶ」と教わっていて、始めはみなさん、その癖がしみついているんですね。でも、まとめ過ぎると、随筆としては面白みや余韻がなくなってしまうと思うんです。

例えば「…だったので、私は一生懸命これを続けていきたいと思います」。この一文はいらないと思いませんか? まとめ過ぎてしまうと、読者が思いめぐらしたり、想像したりする空間にまで書き手が踏み込んでしまうことになる。

他にも本当はそこまでは思っていないのに、癖としてまとめてしまう場合もありますよね。それを避けるために、ちょっと乱暴な言葉ですが《切りっぱなし》をおすすめしています。

動画では、山本さんから書き手に向けて、さらに3つのアドバイスがあります。

  1. 必ず辞書を引きましょう
    辞書って奥が深いです。知っているはずの言葉でも、別の意味を見つけたり、やっぱり意味を間違って覚えたていたということもなくはない。私は800字~1000字の文章を書く際に8回は引きます。そのうちに言葉との親しみも湧いてきます。スマホではなく、紙の辞書でも電子辞書でもいいので、辞書を引くことをおすすめしたいです。
  2. 便利な言葉は使わない
    例えば、よく見られる表現に「大丈夫」という言葉があります。便利な言葉なんだけど、エッセーの場合は、何がどう大丈夫なのか、中身を書くのが仕事なんです。いろいろな受け取り方が可能な表現だと、読んでいる方は全然「大丈夫」じゃない(笑)。実は「楽しい」とか「うれしい」という言葉も同じです。その言葉を噛み砕いて「こういうことです」と書くのが大切になります。
  3. 「である調」と「ですます調」を行き来する
    「である調」でいつも作品を書いている方は、ときどき「ですます調」で書いてみてください。「ですます調」で書くと、相手に語りかけるような感じに作風が変わります。「私はずっとこっち」と決めるのではなくて、ときどき変えて書くと、意外と書きやすい場合もあるので、提案します。

■もっと知りたい■

随筆家・山本ふみこさんのプロフィール

「エッセーの書き方講座」講師の山本ふみこさんとは?

1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/

 

ハルメクの通信制エッセー講座とは?

全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されたテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けます。講座の受講期間は半年間。

次回第4期の参加者の募集は、2021年12月に雑誌「ハルメク」の誌上とハルメク旅と講座サイトで開始予定。募集開始のご案内は、ハルメクWEBメールマガジンでもお送りします。ご登録は、こちらから。

ハルメク旅と講座
ハルメク旅と講座

ハルメクならではのオリジナルイベントを企画・運営している部署、文化事業課。スタッフが日々面白いイベント作りのために奔走しています。人気イベント「あなたと歌うコンサート」や「たてもの散歩」など、年に約200本のイベントを開催。皆さんと会ってお話できるのを楽しみにしています♪

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