しょうゆ糀、甘糀…横山タカ子さんの発酵食レシピ
2022.08.292022年11月05日
横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・6
10月:思いを手紙にしたためて。おはぎにはくるみを
信州在住の料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けする連載企画。今回のテーマは「秋時間の過ごし方」。横山さんは、小菊を飾った文机(ふづくえ)で手紙をしたためたり、お彼岸にはおはぎを作ったりしながら、秋のひとときを過ごします。
心から伝えたい「思い」は、自分の言葉で便箋に
雑誌「ハルメク」の連載「信州・四季の手遊び」で季節に寄り添った暮らしの愉しみ方を毎月提案している料理研究家・横山タカ子さん。
「暮らし自体が趣味なの」と話す横山さんは、料理だけではなく、家の中のしつらい、四季の行事の迎え方にも毎日を豊かにするこだわりが詰まっていて、そのライフスタイルに幅広い世代の女性たちから注目が集まっています。
横山さんが暮らす信州は、9月に入ると朝晩は涼しくなり、秋の深まりを感じるようになります。家での秋のひとときを、横山さんはどのように過ごしているのでしょう。 横山さんに教えていただきました。
■ 受け継いだ机と、こだわりの万年筆で思いを込めて
スマートフォンを使い始めてから、家族や友人、仕事関係のやりとりが、ずいぶんと便利になりました。時代の波に乗ってみるのも刺激的で楽しいものです。
でも、どれだけメール主流の時代になっても、感謝や感動など心から伝えたい「思い」は、自分の言葉で便箋にしたためるようにしています。
私がペンを執るのは、姑が女子大の寮で使っていたという年代物の机(上の写真のもの)。木曽の職人に塗り直してもらい、大事に引き継いでいます。
万年筆は、年齢を重ねるほど太字に限ります。下手な字もごまかしが利きますし、手が疲れにくいのです。
文章は形式にはこだわらず、思いつくままに。自分の言葉は、より相手にまっすぐ届くもの。親しい方には「あのね」なんて話し言葉で書き出すこともしばしばです。
手紙と向き合うこの特別なひとときと空間。私の日常において、一服の清涼剤でもあります。
今月のお茶うけ:おはぎ3種
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