お正月の祝いのお膳には、慶びを和紙で添えて
2020.11.192021年05月27日
横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・15
7月:年に一度、梅の季節に“さしす”漬け
料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けする連載企画。今回のテーマは「梅干し」。毎年7月頃、信州の梅の季節に横山タカ子さんは、完熟梅を砂糖、塩、酢で漬ける「さしす梅干し」を作るのです。実は、さしす梅干しは、偶然生まれたものだそう。
完熟梅に砂糖、塩、酢を入れたら、できちゃった!
我が家には、父が植えてくれた梅の木があります。いつもその梅で、信州では定番のカリカリ梅を漬けていたのですが、もう30年近く前になるでしょうか、一通り収穫した後、熟したきれいな黄色の梅がぽとっぽとっと落ちるのを見て、もったいないなあ……と思ったのです。
私はよくリンゴやあんずなど余った果物を酢で漬けていたので、最初、その完熟梅を酢で漬けてみました。おいしい酢漬けの梅にはなりましたが、ちょっと酸っぱ過ぎて。
その酢を使って酢飯を作っていたとき、...