自分の持ち物はすべて遺品に!その意識はありますか?
2023.12.132024年02月16日
あなたの終活、間違ってます!9・終活の基本
見落としがちな「終活の基本」5つのポイント
終活コーディネーター・吉原友美さんが、新しい視点で終活を見つめ直す連載。第9回は、改めて「終活の基本」のおさらいです。終活は自分一人で進めるものでも、いっぺんに全部が片付くものでもないという気付きと、進める上でのポイントをまとめます。
吉原友美(よしはら・ともみ)プロフィール
東上セレモサービス常務取締役、終活コーディネーター。
自身の家族が早くから他界。その経験から死生観を育成して生きていくことの大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い、死生観育成について伝えている。また、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説する。セミナーの参加数は累計1万6000人以上の人気を誇り、自社では3万件以上の葬儀を承っている。
「終活」は人生の一部になる
みなさま、こんにちは。新年も開けて早いもので1か月以上が過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか?地域によっては寒暖差が大きい日もあり、体調を崩されている方も多いように思えます。
春はもうすぐそこ。お体を大切にしながら春を待ちたいですね。
今回のコラムでは、改めて終活の基本について書いていきたいと思います。私が終活セミナーをスタートさせた2011年頃は、まだ世の中に「終活」という言葉はそれほど浸透していませんでした。
セミナー参加者もまだまだ少なかったと思いますが、その方たちの眼差しはものすごく真剣だったことをよく覚えています。その眼差しから、「終活は人生の一部になるほど重要なものなんだ」と確信するようになりました。
現在は、セミナーに参加される方もずいぶん増えました。世代も50代から80代以上と幅広く、「終活」が身近になったことがうかがえます。実際、セミナーなどでお会いする方々から、「毎日が終活です」とうかがうことが増えています。
「看取る、看取られる」双方の思いを大切に
一般的には、終活とは「ご葬儀、お墓、お布施、遺品整理や相続などについて、事前に準備しておくこと」を意味します。
通常は、いずれ最期を迎える本人の思いや希望だけをまとめれば良いと思われがちですが、「看取る側、看取られる側」双方の想いにフォーカスして、お互いの考えを確認しながら「終活」を進めることが大切です。
ご家族と、親御様と、時折話し合う機会を持って、その時その時のお互いの考えや希望を伝え合ってみてはいかがでしょうか。昔の共通の思い出をたどるなど、何気ない会話からも、これからを考えるヒントが出てくることもあります。
また最近では、代々信仰してきた宗教について改めて知識を深め、自分の人生に役立てて生きていこうとする方もいらっしゃいます。神社やお寺に出向いて宗教に触れていくことも、何かしら先祖への想いを馳せるきっかけになるかもしれません。
取り組みやすいことから少しずつ
では、終活は何から取り組めば良いのか?と悩むことも多いかと思います。実は、多くの方がまず「お片付け(身辺整理)」から始めているようです。
身辺整理とは何か、次の5つにまとめてみました。
「身辺整理」まず取り組むこと
- 実家、自分の家の片付け
- エンディングノートを書く。遺言書の用意
- お金関係(財産、株券、預貯金、借金)、土地、家屋などの整理
- お墓を購入、お墓の引っ越し
- いざという時の連絡したい人リストの作成
1番から5番までありますが、人によっては取り組む順番が変わることもありますし、「お墓はもう決まったところがある」という方は4番をひとまず外しても良いでしょう。
それぞれの事情に合わせて、取り組みやすいところから少しずつ始めていくのが良いと思います。「終活お片付け」については、このコラムの第1回と第2回でも詳しくご紹介していますので、ぜひご一読ください。
すべての物には思い出が宿っている
先日、終活セミナーに参加された方が興味深いことをお話ししてくださいました。「身辺整理をしようとしても、その都度、思い出の物を見ると昔を振り返ってしまって先に進めない」と。
そうなんです。物には思い出が宿っていますから、整理するのには時間がかかってしまうのです。そんな終活をなるべく効率良く進めるためのポイントを、5つご紹介します。
終活のポイント
- 日常生活の中で、終活に関することが頭に浮かんだらメモを取る癖をつける(メモできる紙を用意しておくと良い。カバンの中にはメモとペンを入れておくと便利)
- ある程度メモがまとまったら、もう一度読み返し、自分自身の想いに向き合う
- メモを参考にエンディングノートに書き写す
- 終活をしていると「会いたい人」が頭に浮かぶようになります。この機会に会いたい人に連絡を取ったり手紙を書いてみる
- 行きたい場所に行けるならば、この際、行ってみる。そして思い出の一つにする
特に1番がポイントで、こま切れの内容でも良いので思いついたことをちょこちょことメモするようにしましょう。いきなりエンディングノートを広げて「さあ、全部いっぺんにすっきりまとめよう」と思っても、考えることの多さにすぐにくじけてしまいますので、1番・2番の手順を踏んで少しずつ進めることをおすすめします。
終活は、自分の想いを一つ一つまとめて、最期を迎えるまで、さらにその先のことも、未来をどのようにしたいのかについても頭を巡らしていく仕事。始めてみると、こんなに時間がかかるのか、と思う方も多いものです。今回ご紹介した基本の考え方も参考に、少しでも早めに着手して、その先はできることから少しずつ進めていきましょう。
では、次回の連載コラム「あなたの終活、間違ってます!」も、どうぞお楽しみに!
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