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- 実は大事!思い出をたどると、大切なモノが見えてくる
終活コーディネーター・吉原友美さんが、新しい視点で終活を見つめ直す連載。前回に続き「片付け」を掘り下げます。思い出に浸るポイントを自身のエピソードも交えて紹介。モノを増やさないコツやアルバムの整理法など、お片付けの上手な進め方も解説します。
吉原友美(よしはら・ともみ)プロフィール
東上セレモサービス常務取締役、終活コーディネーター。自身の家族が早くから他界。その経験から死生観を育成して生きていくことの大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い、死生観育成について伝えている。また、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説する。セミナーの参加数は累計1万5000人以上の人気を誇り、自社では3万件以上の葬儀を承っている。
終活お片付けは思い出に浸ることから
みなさま、お元気ですか? 今回は「終活お片付け」の第2弾です。これを読むことで、みなさんのお片付けが少しでも前進するようなコラムにできればと思います。
前回のコラムでは、「通常のお片付けと終活お片付けの違い」についてご紹介しました。終活お片付けとは、「いずれ自分の持ち物はすべて遺品に変わる」ということを心に置きながら行う片付けのことです。意識の持ち方が、通常のお片付けとは大きく違いますね。
その中で、終活お片付けでは「まず思い出に浸ることから始めてみましょう」とお話し しました。じっくりと時間をかけて過去を振り返ることを通して、お片付けに向けて心を整えることができるので、私はおすすめしています。
思い出に浸るコツは、とにかくリラックスすること。「大事なことを思い出そう」と肩に力を入れるのではなく、何気ない日常のワンシーンから思い出をたどっていくように、気軽なスタンスで進めてみるのが良いでしょう。
大切な人との思い出から大切なモノがじんわり見えてくる
思い出に浸るときには、自分のことだけでなく、家族や友人など大切な人と過ごした時間を振り返るのも良いと思います。その中で教えられたことや、心に残ったものが、あなたという人間を形づくり、生き方にも影響を与えているはずだからです。大切な人を思い返すことは、自分自身を見つめ直すことにもなるのです。
一例として、私自身が母の思い出をたどったエピソードをご紹介します。亡き母との思い出を、「私が母に宛てたお手紙」としてまとめたものです。ぜひリラックスして読んでみてください。
「亡き母から学んだ 本当に必要なモノ」
私の母は常に家をきれいにすることが好きな人だった。毎日、汚れているところを見つけては、母お手製の雑巾で掃除をしていた。母の口癖は「この雑巾で掃除をすると、心までキレイになった気がするの」と。眼をキラキラさせてよく言っていた。
しかし反面、モノをため込んでしまうところがあった。デパートの紙袋、包装紙、チラシなどなど……。なぜだかとても大切に保管していた。予想どおりそれらは活躍することもなく場所だけ占領していた。
母は、自分なりの人生のルールがある人だった。だからなのか、自分の最期もそれなりに決めていたし、エンディングノートも書いていた。
エンディングノートの余白に「今年はモノは増やさない」と書かれていた。母が亡くなる半年前に書きしるした言葉だった。
その最終ページには、私が生後6ケ月ころの写真が挟んであって「38度の発熱、下がらない。母乳飲まない。早くはやく治りますように。」と滲んだ文字が写真の裏に書いてあった。
母が亡くなって長い月日が過ぎたけれど、母の想いをすごく近くに感じられた日になった。平凡だったけどあたたかい想いの中で私と母はつながっていたのだと感じた。
そして、亡くなった今も繋がっている。想いを込めたモノたちと一緒に。
私と母との思い出の一説を読んでいただきました。母との月日は、確実に私という人間の一部になっていると改めて感じます。
みなさんもきっと、大切な人とのいろいろな思い出とともに生きていると思います。それに触れることで本当に大切なモノが何なのか? じんわりと見えてくるようになります。まずはリラックスした気持ちで、大切な人との思い出にも思いを馳せてみてくださいね。
「増やさない法則」買わない・もらわない・拾わない
次に、終活お片付けの具体的な進め方について、一つポイントをお話ししたいと思います。
セミナーなどでは、「モノがあふれ過ぎていることが悩みだ」「体が思うように動かなくなってきて片付けが大変だ」といったお声を多く聞きます。これらを解消するポイントは、ズバリ「モノを増やさない」こと。今回はその法則として、次の3点を伝授します!
- 「買わない」→もう買わない。よくよく検討してから買う。
- 「もらわない」→何でもむやみに人からもらわない。
- 「拾わない」→無料のモノやチラシ・パンフレットをもらってこない。
「増やさない法則」を成功させるために、この3つを今、口に出して言ってみましょう!「買わない・もらわない・拾わない」「買わない・もらわない・拾わない」……なんだか笑顔になって、モノを増やさないで過ごせそうな気がしてきませんか?
モノを増やさなければ、お片付けの作業も増えません。ポイントはたったこれだけ。とってもシンプルです。モノが増えそうになったら、この3つを唱和していきましょう!
【教えて、終活先生!】アルバムを整理しながら遺影写真選びも?
今回は最後に、アルバムの整理術についてお伝えします。
パソコンの扱いに慣れているのであれば、アルバムの写真をデータ化して保存してしまうのも一つのやり方です。しかし、パソコン関係はちょっと苦手という方は、今持っているアルバムの写真を「2分の1まで減らす」ことをまず目指しましょう。
さらに、アルバムを整理しながら、遺影に使いたい写真を2枚選びましょう。もし気に入った遺影写真がない場合には、写真館で撮影することをおすすめします。自分のお気に入りの洋服・メイクで撮影すると意外と気持ちが晴れやかになるものです。
またここ数年、ご葬儀で「思い出コーナー」を作ることを希望する方が多くなっています。そこで、思い出コーナー用に並べたい写真を20枚ほど選んでおきましょう。ご家族や参列者の方々が思い出話に浸るきっかけになると思います。
アルバムには思い出がたくさん詰まっているので、整理をしていくとその都度、手が止まってしまい時間がかかってしまいます。早めに整理を始めていくと良いでしょう。みなさんも、ぜひ取り組んでみてくださいね。
さて、連載コラム「あなたの終活、間違ってます!」、次回は第3回目。遺影写真選びから一歩進んで、「自分自身の葬儀」について考えてみたいと思います。お楽しみに!
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■もっと知りたい■
吉原友美
東上セレモサービス常務取締役、終活コーディネーター。家族が早くに他界した経験から死生観を育成して生きる大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い死生観について伝え、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説。セミナー参加数は累計2万人以上の人気を誇る。終活サポートサイト「今日から終活!」。インスタグラムはこちら。
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