「星野リゾート 界 加賀」でカニづくしを堪能

ご当地グルメ|石川・山代温泉の加能ガニ

公開日:2018.11.27

冬の味覚のお楽しみといえば、ズワイガニ。なかでも“日本一”と評されるのが、石川県・橋立港に揚がる「加能ガニ」。青と黒、ふたつのタグが目印のこのカニを食べ、温泉を堪能できるのが北陸・加賀の山代温泉温泉宿「界 加賀」です。

加能ガニ
「星野リゾート 界 加賀」の「タグ付き活ずわい蟹づくし会席」

「加能ガニ」は石川県のズワイガニブランド

ズワイガニは水揚げされる漁港によって呼び名が変わります。たとえば、山陰地方では「松葉ガニ」、福井県では「越前ガニ」、そして石川県で水揚げされたものは「加能ガニ」と呼ばれ、それぞれ色分けされたタグで産地が分かるようになっています。

「加能ガニ」の目印は青いタグ。北陸の漁場のなかで最も美味しいズワイガニが捕れるのは、橋立港がある日本海沖数十メートルの漁場なのだそうです。ここで捕れたカニは金沢港などでも水揚げされるのがですが、橋立港のほうがより漁場に近いため、漁からセリに出るまでの時間が短く、鮮度のいいカニが並ぶのだとか。

タグが付けられたカニが並ぶ橋立漁港。夕方から始まるセリで落でされたカニはその日の夕食に並ぶことも

セリといえば早朝のイメージがありますが、橋立港でセリが始まるのは夕方の4時。夜中に出港した漁船が港に戻ってくる時間です。水揚げされたカニをはじめとした魚介が種類や大きさ別に箱に詰められ並べられていく様子は圧巻! カニには、「加能ガニ」の青いタグとともに、「橋立港」の黒いタグが付けられます。資源を守るために定められたカニの漁期は、11月6日から翌年3月20日まで。毎年この時期、日本中から多くの人がカニを目当てに北陸を訪れますが、温泉とともにカニ尽くしの料理を堪能できるのが橋立漁港から近い山代温泉です。

ミシュランガイドお墨付きのカニづくし料理

シンプルに茹でたものはもちろん、刺し身、焼きガニ、揚げ物などさまざまな食べ方で味わえるズワイガニ。山代温泉の数ある宿のなかでもで、極め付きのカニ料理を提供するのが「星野リゾート 界 加賀」です。ここは、「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」の旅館部門で、「最上級のなかでも特に魅力的」と評価され、「4レッドパビリオン」を獲得した宿。伝統工芸品をあしらった客室ともに、名物のカニ料理も紹介されました。 

卵が魅力のメスのズワイガニ「香箱ガニ」は12月下旬までしか食べられない

その名物料理が、「タグ付き活ずわい蟹づくし会席“極み”」と名付けられたもの。ひとりあたり1.5ハイ分の活カニが付く、贅沢なコースです。

まず、最初に出てくる「香箱ガニ」とは、北陸地方で捕れるメスのズワイガニのこと。オスに比べサイズは小さいですが、身とともに、おなかの外子(卵)と甲羅の内側にある内子(未成熟卵)、そしてカニ味噌の4種類の異なる味を楽しめます。産卵するメスを守るため、漁期はオスよりさらに短く12月下旬まで。まさに一瞬の“旬の味”なのです。このあと、刺し身、焼きガニ、甲羅焼き、揚げ物、お浸し……、とカニづくしの料理が続きます。

香ばしさと凝縮した旨みが特徴の焼きガニ

 

圧巻の「しめ縄蒸し」。ふっくらと蒸し上がった身から、旨みがあふれ出る

そして、いよいよ主役の登場です。荒縄でくくられた「活かにしめ縄蒸し」は、海水に浸した縄を活ガニに巻き付けて蒸し上げるもの。茹でるより旨みが逃げにくく、しめ縄でカニの旨味をぎゅっと閉じ込めるため、ふっくら柔らかく仕上がるのだそうです。

さらにカニすき、雑炊と最後の一滴までカニを堪能することができます。

※「星野リゾート 界 加賀」では、天候や水揚げの状況により石川県外のタグ付き蟹を使用する場合があります。

〆は雑炊! 最後の一滴までムダにしません

加賀情緒あふれる「星野リゾート 界 加賀」のご当地部屋

加賀水引、加賀友禅などの伝統工芸品があしらわれた「ご当地部屋」。
テラスに露天風呂があるタイプの客室は、早朝の朝風呂が最高

「星野リゾート 界 加賀」の48の客室は、すべて加賀水引、加賀友禅、九谷焼、山中漆器の伝統工芸品をはじめ、レターセットなどの小物、アメニティーに至るまで、加賀情緒をちりばめた「ご当地部屋」。居ながらにして加賀の文化を感じることができます。1名から最大4名までゆったり滞在できるお部屋のタイプが揃っているので、夫婦や友人同士、家族でと、いろいろな方々と楽しめます。

お部屋の内風呂もいいですが、温泉大浴場「九谷の湯」の豪華さも見逃せません。こちらも、九谷焼や金沢名産の金箔をあしらった、風情あるつくりになっています。

北陸ならではの雪吊りも情緒がある

 

豪華な内装も魅力の大浴場「九谷の湯」

山代温泉「古総湯」で明治時代にタイムスリップ

明治時代の共同浴場を再現した「古総湯」は、山代温泉のシンボル

「星野リゾート 界 加賀」がある山代温泉は約1300年前、高僧・行基が霊峰白山への修行へ向かう途中に発見したとされる、歴史ある湯です。弱アルカリ性でとろりとした泉質は「美人の湯」とも呼ばれ、女性にぴったり。冬の肌荒れ、乾燥肌の解消にひと役かってくれます。

無料の足湯とともにぜひ訪れてみたいのが、町内にある共同浴場。「界 加賀」の真向かいにある「古総湯」は、温泉の歴史や文化を体験できる山中温泉のシンボルです。観光客だけでなく、地元の人にも親しまれる、地域のコミュニティスポットになっています。

2階建ての建物は、明治時代にあった「総湯」を復元したもの。ステンドグラス、壁や床のタイルも忠実に再現され、とてもモダンな雰囲気。一部にはかつての建物に残っていた大正時代のタイルがそのまま使われています。2階に上がると湯上りにくつろげる畳敷きの部屋があり、当時の人の入浴の楽しみ方をそのまま体験できる「体験型温泉博物館」です。

「星野リゾート 界 加賀」への行き方(交通アクセス)

ゆっくりくつろげる雰囲気は外観からも

界加賀
住所:〒922-0242 石川県加賀市山代温泉18-47
電話:0570-073-011(予約センター9:00~20:00)
交通:電車 JR北陸本線「加賀温泉駅」から車で約10分
   車 北陸自動車道片山津ICから約15分

永田 さち子

旅好き、ネコ好き、お酒好き。国内外の旅、食、手仕事をはじめとしたライフスタイルをテーマに雑誌やコラムに執筆。海外ではハワイ取材歴20年を超え、「ハワイのいいものほしいもの」(実業之日本社)、「よくばりハワイ」シリーズ(翔泳社)ほか著書多数。

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