話題の「星野リゾート BEB5土浦」にも宿泊!

廃線跡を自転車で走る!つくば霞ヶ浦りんりんロード旅

公開日:2020/07/15

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大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、気軽に行ける1泊2日の女性一人旅を紹介。withコロナ時代、今回はソーシャルディスタンスが取れる自転車旅をしてきました。自転車旅といえど、しっかり鉄道とも関係しているんです。

自転車と私

自転車で楽しむソーシャルディスタンスな旅

2020年6月19日、県境をまたぐ移動が全国解除されました。しかし3密は避けたいし、混み合う場所には行きたくない。そう考え思いついたのが、かねてから行きたかった「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を自転車で走る旅です。

つくば霞ヶ浦りんりんロードとは、旧筑波鉄道の廃線跡と、霞ヶ浦の周りの湖岸道路を合わせた全長180kmのサイクリングコース。しかも2019年11月に国土交通省から全国3か所の「ナショナルサイクルルート」のうちの一つとして認定されました。さらに2020年3月、土浦駅に「星野リゾート BEB5土浦」という魅力的なホテルが誕生。これは行くしかありません!

小山駅 宇都宮線上りホーム東京寄りにある駅そば「きそば」
小山駅 宇都宮線上りホーム東京寄りにある駅そば「きそば」

今回、自分の自転車は輪行(自転車を公共交通機関で運ぶこと)はせず、レンタサイクルを借りることにしました。荷物をずっと背負って走るので、疲れないリュックと自転車レースの際に着ていた服を着て出発。まずは宇都宮線で小山駅へ向かいます。

「きそば」の天ぷらそば
「きそば」の天ぷらそば

乗り換えの小山駅「きそば」で朝ごはん。こちらのおそばは中太麺の乱切り、つゆは醤油ベースで黒っぽく、出汁の味がしっかり。ほっとする味です。こういう手作りの駅そばらしい駅そばは、本当に少なくなりました。今の時期限定の生そうめんにも惹かれましたが、パワーをつけるために天ぷらそばにしました。

 

岩瀬駅でレンタサイクルを借りて40㎞のサイクリングスタート

岩瀬駅前の高砂旅館でレンタサイクルを借りる
岩瀬駅前の高砂旅館でレンタサイクルを借りる

そして水戸線に乗り岩瀬駅で下車。右斜め方向にある高砂旅館でレンタサイクルを借ります。こちらは「広域レンタサイクル」といって県と沿線の市町村が運営している、11か所の施設に乗り捨て可能なレンタサイクル。料金は1日1500円と安く、申込みはホームページから3日前まで。こちらを2日連続で借りました。

左/高砂旅館の奥さま手作りのキーホルダーと折り鶴。右/つくば霞ヶ浦りんりんロードマップ
左/高砂旅館の奥さま手作りのキーホルダーと折り鶴。右/つくば霞ヶ浦りんりんロードマップ

高砂旅館もその施設の一つ。ご主人から自転車の説明を聞き、奥さまから「よかったら旅のご安全にどうぞ」と趣味で作っているというキーホルダーをいただきました。ちょっとしたお気遣いがうれしいです。地図は必携なので、もらうのを忘れないようにしましょう。

ホームは昔、こちらにあったと説明する高砂旅館のご主人
ホームは昔、こちらにあったと説明する高砂旅館のご主人

今日は、岩瀬駅〜土浦駅までの約40kmのコースを走ります。この区間がまさに、旧筑波鉄道の廃線跡。今回も、なんだかんだ言って鉄道旅です。コースには現在も、かつてのホーム跡などが残っているそうなので、順に巡っていこうと思います。

 

どこまでも続くまっすぐな道「りんりんロード」

りんりんロード
りんりんロード

さて、りんりんロードをスタートです。どこまでもまっすぐで平坦な道は、まさに線路。ああ、かつてここに鉄道が通っていたのだなあ、と感じながら走ると感慨深いです。しかし空はどんより。お天気はかなり怪しい……。

雨引駅のあった、雨引休憩所
雨引駅のあった、雨引休憩所

あっ!あれはホーム跡では? 土と草で覆われてわかりにくいですが、造りはホームそのもの。うわさ通り、駅跡がそのまま残っていて休憩所として使われていました。休憩所といっても、お手洗いと屋根のあるベンチがあるのみ。自販機もないので飲み物は出発地点で必ず準備しておきましょう。

ちなみにレンタサイクルにはドリンクホルダーが付いていました。

雨で濡れた道
雨で濡れた道

小雨が降り出したと思ったら、急に雨足が強くなってきました。リュックを背負ったまま着られるレインコートを持ってきたので着て走ってみましたが、暑さと湿気で脱いだり着たり。そしてたまに工事をしている箇所があり、迂回しないとならない場合もありました。

古民家が並ぶ真壁の街並み
古民家が並ぶ真壁の街並み

真壁休憩所に到着しました。真壁は江戸から明治・大正にかけての古い町並みが残る街。
こちらの真壁伝承館という施設で、かつての筑波鉄道の資料本が売られていると聞き、訪れてみました。

しかし本の在庫が見つからず、諦めかけたところ、たまたま通りかかった方が本を売ってくださいました。なんとこの本に関わったカメラマンさんでした!すばらしい偶然の出会いに感謝です。

左/『追憶の筑波鉄道』本。右/かつての写真や資料が集められている
左/『追憶の筑波鉄道』本。右/かつての写真や資料が集められている

旧筑波鉄道は、1918(大正7)年に開通し、土浦駅〜岩瀬駅までの18駅間を運行していました。筑波山への観光列車としてにぎわい、行楽シーズンには国鉄が上野駅から筑波駅まで乗り入れるほどだったとか。しかし乗客の減少とともに、1987年3月末に廃線となりました。その後、1992年にこの区間が自転車道として整備され、2016年に霞ヶ浦も含めた「つくば霞ヶ浦りんりんロード」として、生まれ変わったのです。

写真・青々とした田んぼと筑波山
青々とした田んぼと筑波山

観光名所の筑波山には雲がかかっています。本当はケーブルカーで筑波山頂上まで登ろうと思っていたのですが、これでは登っても景色は望めなさそうです。それにしても田んぼが青々として美しい。白鷺もあちらこちらにいて、すぐ横を飛んだりしていました。沿道には桜の木が多く、桜の季節に走るのも、かなり気持ちよさそうです。

左/アップダウンが楽しい。右/塩分と糖分を同時に取りたい
左/アップダウンが楽しい。右/塩分と糖分を同時に取りたい

たまに道に変化をつけるためか、デコボコした部分もありました。しかし暑い……持っているドリンクがついに尽きてしまいました。そんな中、幹線道路沿いに、コンビニを発見!砂漠で水を見つけるとは、まさにこのこと。助かりました〜。

最近のコンビニでは、凍らせたペットボトルも売られているので、重宝します。

再び入り口
再び入り口
自転車の模様のガードレールがかわいい
自転車の模様のガードレールがかわいい

幹線道路で微妙に途切れたりんりんロード、次の入り口はこちら。再びまっすぐな道が続きます。岩瀬駅〜土浦駅間のりんりんロードは、自転車専用道ですが、ちょくちょく車道を横切るので注意しましょう。

 

昼食時は、筑波山口駅にある行列のできるラーメン屋に!

旧筑波駅の筑波休憩所
旧筑波駅の筑波休憩所

旧筑波駅の筑波休憩所に到着しました。こちらで道のりはほぼ半分程。かなりお腹もすきました。ここは現在、筑波山口駅というバスターミナルになっています。筑波山行きのバスはここから出ますが、本数も少なく、雨天のため諦めました。本当は、ケーブルカーに乗って、山頂の展望台の茶屋でご飯を食べようと考えていました。

さてご飯をどうしようと考え、レンタサイクルを借りた高砂旅館のご主人に、駅前のラーメン屋さんをおすすめされたのを思い出しました。

「松屋製麺所」と筑波山口バスターミナル
「松屋製麺所」と筑波山口バスターミナル

「松屋製麺所」の前には、ずらりと人が並んでいました。時間は12時半。朝7時から営業していて、早いときには10時台に麺やスープがなくなってしまう人気店らしいです。並ぶとなんと私が最後の一人でした!またもやラッキーです。

左/パールイズミの手袋。右/パールイズミの腕カバー、脚カバーも
左/パールイズミの手袋。右/パールイズミの腕カバー、脚カバーも

お店の写真を撮っていたら「撮ってあげましょうか?」とサイクリストの方に声をかけられました。ここでも偶然運発揮!なんと私が着ていたサイクリングウェアのパールイズミという、スポーツアパレル会社の社長さんでした!

実は私のこの服、5年ほど前に筑波の自転車レースに出場したとき、友人を通してパールイズミさんにご提供いただいたものなのです。社長さんは、社員さんやご友人たちと10人ほどで筑波山を走ってきたとか。土浦を朝8時すぎに出て、自転車で山を一周し、ラーメンに並んですでに食べ終わったとは、早過ぎます……しかも御年77歳。「筋肉は裏切らない」と、芸能人の武田真治さんがよく言っている言葉が頭をよぎりました。私ももう少しがんばろう。

「松屋製麺所」の松屋ラーメン
「松屋製麺所」の松屋ラーメン

30分ほど待ち、ラーメンとご対面。う、うまい……! ラーメンは結構食べている方ですが、初めて食べる味かもしれません。麺はコシが強く、つるつるとした食感。スープは醤油ベースの個性的な魚介だしですが、全部飲み干してしまうくらいおいしかったです。

 

小田城跡まで来たら、ゴールの土浦駅まであと少し!

小田城の遺構復元広場
小田城の遺構復元広場

元気になったところで再び出発。途中、小田城跡を見学します。2022年(令和4年)の三谷幸喜さんが手掛けるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、小田家初代城主が登場するそうです。

1/通称名は筑波自転車道。2/旧常陸藤沢駅の藤沢休憩所。3/虫掛休憩所には「旧虫掛駅跡地」の表示。4/あと少し!
1/通称名は筑波自転車道。2/旧常陸藤沢駅の藤沢休憩所。3/虫掛休憩所には「旧虫掛駅跡地」の表示。4/あと少し!

突然の土砂降りで1時間ほど足どめをくらいましたが、なんとか土浦市まで来られました。

そういえば、私の旅で雨が降るのはこれが初めてです。この時期はしかたありませんね。しかしアスリートの方はお天気関係なく走り続けていました。ああ、筋肉。

コメダ珈琲店でアイス
コメダ珈琲店でアイス

急に晴れ間が出てきました。雨でも蒸して暑かったのですが、今度はジリジリとした暑さ。

たまらず、土浦駅まであと2kmのところで、「コメダ珈琲店」の看板を見つけ、かき氷を一気に食べてしまいました。今年初のかき氷でした。

 

土浦駅直結ホテル「星野リゾート BEB5土浦」は自転車のままチェックイン!

土浦駅と「プレイアトレ土浦」
土浦駅と「プレイアトレ土浦」

ようやくゴールの土浦駅。回り道などもしたせいか、約48km走っていました。

今日宿泊するホテル「星野リゾート BEB5土浦」は、駅ビル「プレイアトレ土浦」の中にあります。自転車ごと建物内に入れると聞いていますが、入り口がわからず、うろうろ。

「プレイアトレ土浦」正面口
「プレイアトレ土浦」正面口

なんと「プレイアトレ土浦」正面口のこちらから、自転車をそのまま押しながら入れるそうです。自動ドアを過ぎて奥に、自転車ごと乗せられるエレベーターがあります。

左/水色のルート沿いに自転車を押して歩ける。右/店内にも自転車を置ける場所が多い
左/ブルーライン沿いに自転車を押して歩ける。右/店内にも自転車を置ける場所が多い

「プレイアトレ土浦」は日本最大級のサイクリングリゾートというだけあって、駅ビルのテナントは自転車をコンセプトにしたお店が多く、店内にも自転車を置けるスタンドが多数置かれていました。自転車ショップや地元ならではの飲食店やスイーツショップの他、書店や薬局、24時間のコンビニも入っていて大変便利です。

「星野リゾート BEB5土浦」入口
「星野リゾート BEB5土浦」入口

「星野リゾート BEB5土浦」は3〜5階にありますが、フロントは3階です。フロントの前方にはJR土浦駅の改札口も見えます。ここまで自転車とともに来られるとは……なんだかすごく不思議です。

私が泊まったサイクルルーム
私が泊まったサイクルルーム

驚くのはそればかりではありません。なんとホテルの部屋まで、自転車を持って入れるのです。壁には自転車を飾れるフックも。レンタサイクルでも思わず飾ってしまいました。

次回、気になるホテルの部屋やラウンジなど、いろいろとご紹介いたします!

1日めのルートはこちら!
1日めのルートはこちら!

道はずっと平坦で走りやすく初心者向き。飲み物・食べ物は必ず準備して出発しましょう。

【宿泊したホテル】
施設名 :星野リゾート BEB5 土浦
所在地 :〒300-0035 茨城県土浦市有明町 1-30
施設構成:客室、パブリックスペース「TAMARIBA」(カフェ、ライブラリーを含む)、ショップ
客室数 :90室
料金  :1泊6,000円~(2名1室利用時1名あたり、税別、食事別)
アクセス:JR土浦駅直結

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YASCORN

駅弁・駅そばが好きな鉄道好き漫画家&文筆家。温泉ソムリエ。児童誌から鉄道誌まで幅広く活動中。著書に「おんな鉄道ひとり旅」(小学館・プチコミック増刊で連載中)、「メシ鉄!!!」電子書籍1〜3巻(集英社)他。「鉄道漫遊記」を東洋経済オンラインで連載中。HP: yascorn.com

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