ユーレイルパスでヨーロッパ世界遺産と絶景の旅(3)

人気のドイツ名城へは欧州列車パスで。フェリーにも!

公開日:2021.01.04

ヨーロッパ33か国間を自由自在に使える便利な鉄道チケット「ユーレイルパス」で、ゆったり世界遺産と絶景を巡る旅。ドイツ南部にある人気のノイシュバンシュタイン城を巡った後は、パスを使ってフェリーでボーデン湖も渡ります。

欧州列車のきっぷで、ドイツからフェリーにも乗れる⁉
欧州列車のきっぷで、ドイツからフェリーにも乗れる⁉

車窓には、のどかな田園風景。心うるおうドイツ

車窓には、のどかな田園風景。心うるおうドイツ

ヨーロッパを列車で旅するときの頼れるチケットが、ユーレイルパス。さまざまな種類があり、旅の行き先や目的に合わせて組み合わせを選択できます。1か国で使えるものから複数国で使えるもの、有効期間は1~3か月、そのうち乗車使用日数は4日間~3か月間、席は1等席と2等席のどちらかなど。

今回、編集部員は「ユーレイル・グローバル・パス」(1等席、使用日数10日間、有効期間2か月間で、使用開始日から2か月以内なら、連続して使っても断続的に使ってもかまわない)を使って、イタリア、ドイツ、スイス、フランスの世界遺産と絶景を巡る列車の旅に参加しました。

イタリア・フィレンツェから夜行列車「ナイトジェット」でドイツ・ミュンヘンへ

イタリア・フィレンツェから夜行列車「ナイトジェット」でドイツ・ミュンヘンに着いた編集部員は、次の目的地、南バイエルンのフュッセンに向かいます。ディズニーランドの「眠れる森の美女の城」(シンデレラ城ではありません)のモデルの一つにもなったといわれる、「白鳥の城」ことノイシュヴァンシュタイン城を見るために!

夜行列車で思いがけず朝にシャワーを浴びることができたので、すっきりさっぱり、元気いっぱいです。

列車にも駅にも、合理的なドイツ流がいろいろ

列車にも駅にも、合理的なドイツ流がいろいろ
自転車ごと乗れる車両があります

フュッセンへは、ミュンヘンから特急列車に乗って約2時間の旅です。ドイツといえば、自転車大国。なだらかな平地が多く、風光明媚な土地柄なので、国内には100を超えるサイクリングロードがあるそうです。男も女も老いも若きも、自転車に乗る人、自転車で旅する人を数多く見掛けました。だからなのでしょう、列車は自転車のまま乗車できるようにもなっています。

自転車OKの車両。どの車両も窓が大きい!
自転車OKの車両。どの車両も窓が大きい!

自転車OKの車両

乗り換えの駅舎で、素晴らしいものを見つけました。それは、荷物専用エスカレーターです。

荷物専用エスカレーター

荷物専用エスカレーター

登り階段の横にベルト式のエスカレーターがあって、重いスーツケースなどを載せれば、勝手に上まで運んでくれるのです。さすがドイツ、合理的だなあ、と感心しました。

トイレはバリアフリー。しかもデザイン性に富んでいて、とても清潔
トイレはバリアフリー。しかもデザイン性に富んでいて、とても清潔
列車の大きな窓から、スケールの大きな景色を堪能
列車の大きな窓から、スケールの大きな景色を堪能

大きな列車の窓から見える景色は、のどかな田園風景。高低差がほとんどなく、スケールが大きな緑の大地が延々と続きます。

踏切を過ぎるたびに列車が鳴らす「フォーン」という警笛が、音楽のようです。広い空と広がる大地、ずっと見ていたら視力が戻るんじゃないかしら、と思うような2時間があっという間に過ぎ、フュッセンに到着しました。

美しいフュッセンの街、おいしいバイエルン料理

フュッセンは、ドイツの有名な観光ルート「ロマンチック街道」の終点です。バイエルンで最もロマンチックといわれ、中世の街のたたずまいや建物の装飾、深い緑に覆われた山々とお城、鏡のような水面の湖など、絵本に出てくるような美しさとかわいらしさに包まれています。

パステルカラーの建物が並びます
パステルカラーの建物が並びます。メインストリートは基本的に車は走らないので、安心して歩けます
よく見ると、多くの建物はトリックアート(だまし絵)が施されています
よく見ると、多くの建物はトリックアート(だまし絵)が施されています。窓飾りも門柱もレンガも、全部アートです。お見事!
ドイツなので、ビールは店に入るたびに違う種類を飲み比べ
ドイツなので、ビールは店に入るたびに違う種類を飲み比べ。どんな料理にも合
南バイエルンの郷土料理「シュペッツレ」(左)は炒り卵のような味。右は定番の豚肉料理「シュニッツェル」
南バイエルンの郷土料理「シュペッツレ」(左)は炒り卵のような味。右は定番の豚肉料理「シュニッツェル」。このマッシュルーム・クリームソースとシュペッツレを合わせて食べると、おいしい!
郷土料理「シュヴァイネハクセ」。豪快な豚の骨付き肉。ボリューミーです
郷土料理「シュヴァイネハクセ」。豪快な豚の骨付き肉。ボリューミーです
デザートも郷土料理「カイザーシュマーレン」
デザートも郷土料理「カイザーシュマーレン」を注文。パンケーキを、すりおろしリンゴのソースでいただきます。フレンチトーストみたいな甘さにフレッシュなリンゴソースが合います。これで1人前なので、シェアして食べるのがおすすめ

「白鳥城」ことノイシュバンシュタイン城は午前中に!

「白鳥城」ことノイシュバンシュタイン城
正面から見るノイシュバンシュタイン城

そして、目的のノイシュヴァンシュタイン城へ。山々の緑に囲まれて、真っ白なお城が浮かび上がるように見えます。この城も世界中から観光客が押し寄せるので、なるべく朝早いうち、遅くとも午前中に訪ねることをおすすめします。

チケットセンターからシャトルバスで登りますが、馬車もあって人気
チケットセンターからシャトルバスで登りますが、馬車もあって人気。下りはハイキングがてら山道を歩いても気持ちいい
豪華が装飾の城内(左)。お城からは、もう一つのお城「ホーエンシュヴァンガウ城」も見えます
豪華が装飾の城内(左)。お城からは、右手にもう一つのお城「ホーエンシュヴァンガウ城」も見えます
遠くに、絶景ポイントのマリエン橋が見えます。あとで行ってみよう!
遠くに、お城を見る絶景ポイントのマリエン橋が見えます。あとで行ってみよう!
歩いて10分ほどで絶景ポイントのマリエン橋に到着
城から歩いて10分ほどで絶景ポイントのマリエン橋に到着。峡谷に架かる橋は結構な高さなので、足がすくみます……足元を見ないように顔を上げれば、すばらしい眺めです!

ドイツからスイスへ、フェリーで湖を渡る

目的を果たしてフュッセンを楽しんだ後は、スイスに向かいます。

実はユーレイルパスを持っていると、フェリーにも割引料金で乗ることができます。そこで、ドイツからスイスへ向かう道程は、列車ではなくフェリーを選択することに。こんな変更も、自在に動けるユーレイルパスの列車旅の面白さだと思います。

リンダウ駅で列車を降り、フェリーでドイツ・スイス・オーストリアにまたがるボーデン湖を渡ります。

リンダウ駅で列車を降り、フェリーでドイツ・スイス・オーストリアにまたがるボーデン湖を渡ります

リンダウ駅で下車。駅舎を出ると、すぐ右手が港でした
リンダウ駅で下車。駅舎を出ると、すぐ右手が港でした
このフェリーに乗ります
このフェリーに乗ります
ドイツ・スイス・オーストリアにまたがるボーデン湖。乗り換えのオーストリアまで約20分
ドイツ・スイス・オーストリアにまたがるボーデン湖。乗り換えのオーストリアまで約20分
青空の下、気持ちいい風に吹かれての移動。フェリー選択、大正解!
青空の下、気持ちいい風に吹かれての移動。フェリー選択、大正解!
旅の同行者は乗船前にしっかりビールを買っていました。大正解!
旅の同行者は乗船前にしっかりビールを買っていました。大正解!

あっという間に着きました。ここから再び列車に乗り換えて、スイスを目指します。


取材・文=前田まき(ハルメクWEB編集部)※この記事の取材は2019年に行いました

取材協力=ドイツ観光局


■関連サイト■
ユーレイルパス(日本語サイト) https://www.eurail.com/ja

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