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- 青木奈緖さんのエッセー通信講座第6回参加者の3作品
「家族」をテーマにしたエッセーの書き方を、エッセイストの青木奈緖さんに教わるハルメクの通信制エッセー講座。大切な思い出を形に残すべく取り組んでいる参加者たちの作品から、青木さんが選んだ3つのエッセーを紹介します。
青木奈緖さんが選んだ3つのエッセー
「青木奈緖さんのエッセー講座」参加者による家族のエッセーです。クリックすると、作品と青木さんの講評をお読みいただけます。
「麻雀」加藤菜穂子さん
大きな食卓テーブルの横半分を囲んで、夫と次男と私が興じているの……
「青空が見ていた」暉納津美さん
今朝も空は真っ青だ。青さに圧倒される。あの日、あの時間も吸い込……
「母になるということ」とこはさん
私はその頃、母であることを投げ出したいような思いでいた。どうし……
エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答
半年間かけて「家族」をテーマにしたエッセーの書き方を学んできた講座は、今回で最終回。最後に講師の青木奈緖さんから参加者にメッセージが動画で贈られました。いつか直面するかもしれない「自身の上達を感じられないときには」という苦しい時期の乗り越え方もお話ししています。
青木さん:半年間書くことを続けてきたみなさんは、とても上達なさったし、何よりそれぞれが「ご自身のスタイル」を身に付けてきたことを感じました。自分のリズムや文体を見つけると書くことがラクにもなりますし、とてもうれしくみなさんの変化を拝見してきました。
いただいたお便りの中に気にかかるものがありました。
「自分の上達が自覚できない。どこがうまくなっているか実感が伴わない」とお書きになっている方がいらっしゃいましたので、お答えしたいと思います。
私の実感では、文章が上達したかどうかは、自分ではほとんどわからないもの、と思っています。
自転車に乗ることやピアノを弾くこと、編み物をすることなどはまだ上達の実感を得やすいと思うのですが、文章を書くことは(エッセーでなくても)できる状態で始めた中で、自分がレベルアップしたという確かな手応えを得ることは残念ながらとても難しいです。私も自分がうまくなったと思ったことはないんです。
では、本当に何も手応えがないか?
私自身の場合で申し上げると、私はものを書くようになって最初の頃は、自分の文章を読み返すのがすごくいやだったんです。それはどういうことだったのかと考えると、自分が表現したいと思っていることと実際に文章にできたものの差が大きくて「自分はこうじゃないのに」という思いがあったのだと思います。
そのうち、読み返すのがラクになって「これがベストとは言えないけど、こんなもの」と思える時期が、回を重ねるうちにやってきました。
悩みを打ち明けてくださった方も、気が付けばラクになっていたな、と思えるときが来るんじゃないかと思います。もしかしたら、振り返って「意外とうまく書けていたじゃない。もう一度書けと言われたら書けるかな?」と思うときも来るかもしれない。その時が来たら、自分が階段を上がっていたと実感できるのではないでしょうか。
動画の参加者のエッセーを紹介するコーナーでは、青木さんが涙なくしては読めなかったという作品「麻雀」(加藤菜穂子さん作)を、青木さんの朗読で紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
エッセイスト・青木奈緖さんのプロフィール
1963(昭和38)年、東京生まれ。文豪・幸田露伴を曽祖父に、作家・幸田文を祖母に、随筆家・青木玉を母に持ち、自身もエッセイストとして活躍。著書に『幸田家のきもの』(講談社刊)、『幸田家のことば』(小学館刊)他。
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回家族の思い出をエッセーに書き、講師で随筆家の青木奈緖さんから添削やアドバイスを受けます。
書いていて疑問に思ったことやお便りを作品と一緒に送り、選ばれると、青木さんが動画で回答してくれるという仕掛け。講座の受講期間は半年間。
次回の参加者の募集は、2022年6月に雑誌「ハルメク」の誌上とハルメク旅と講座サイトで開始予定。募集開始のご案内は、ハルメクWEBメールマガジンでもお送りします。ご登録は、こちらから。
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