バラエティな色合いが魅力なカラーリーフ

長く楽しめる!ヒューケラの寄せ植えの作り方

公開日:2022.04.20

更新日:2022.04.20

バラを育てて20年、バラ栽培のコツや自作の庭、花に囲まれた暮らしを発信するバラ愛好家・奥野多佳子さん。今回はヒューケラを使った寄せ植えの作り方とコツをご紹介します。美しい彩りのカラーリーフの魅力を存分に引き出した、奥野流の寄せ植えです。

ヒューケラは優秀なカラーリーフ

ヒューケラは多年草で、寒さに強く冬でも枯れることなく一年を通して葉を茂らせます。その魅力は葉の色合いでしょうか……色数が多くてバラエティ豊かです。艶があったり、斑入りだったり、アンティークな色合いだったり……。微妙な色合いで庭の引き締め役になってくれるとても重宝なカラーリーフです。 

日陰でも、いえいえ日陰の方がよく育ってくれ、春には花穂が上がって小さな釣り鐘型のかわいい花が咲きます。そして季節によって葉の色合いが変わるので、特に春先の葉色は鮮やかです。一年を通して楽しめます。

その上ほとんど手間いらず!本当に優秀なカラーリーフ!お気に入りです。

今回は美しい色合いのヒューケラで寄せ植えを作ってみました。

※以下、画像が複数あります。Yahooなどでご覧の方は、「>(次へ)」をクリックして続きの画像をご覧ください。

その1:アイアンリングを使った「ハンギング」のヒューケラの寄せ植え

長く楽しめる!ヒューケラの寄せ植えの作り方

ドーナツ型のハンギングに6個のヒューケラを植え込みました。春になるとワッサワッサ茂ってこんもりとしてきます。

準備するもの

  • ヒューケラ(チェリーコンポート、バタークリーム、ビターショコラ、メープルファッジ、フローズンマスカット、パプリカ)
チェリーコンポート(左)、バタークリーム(中央)、ビターショコラ(右)

 

メープルファッジ(左)、フローズンマスカット(中央)、パプリカ(右)
  • ハンギングバスケット

ハンギングバスケット

直径30cmのリング状のアイアンバスケットで、内側にヤシマットがセットされています。

  • 土や肥料など

土や肥料

土は、軽く保水性をよくするために市販の培養土にパーライトを加えました。肥料は、穏やかにゆっくり効果のある緩効性肥料を元肥として加えます。壁に吊るすので化成肥料の方が便利で、私はハイポネックスのネクスコートを使っています。

「ハンギング」ヒューケラの寄せ植え:作り方

ヒューケラの寄せ植え作り方

1.リング状のバスケットの底に土を少し入れ、肥料を混ぜておきます。
テーブルの上で作業をするとき汚れないように、ブルーのシートを使っています。四隅のホックを止めると60cm四方ほどあるので土が散らばらなくて便利です。

2.ヒューケラはポットから出して、肩の土を少し取り、根鉢を崩しておきます。

3.バスケットに少し深めに植えます。

4.葉っぱの向きや色合いに注意して順に植えていきます。
5.6個を植えこんだら最後に土を回し入れ、バスケットをトントンと落とし、土を少し押さえて落ち着かせ、水をかごから流れ出るぐらい注いて出来上がりです。

ヒューケラの寄せ植え出来上がり

「ハンギング」ヒューケラの寄せ植え:育て方

ハンギングは土が少ないので乾燥しがちです。水切れしないように水やりに注意します。
ヒューケラが機嫌良く育つのは、明るい半日陰の場所です。特に夏の強い日差しに当たると葉焼けするので、移動できるものは日陰に置く方が安心です。

また、ヒューケラは何年か育てていると、下の葉が枯れて茎だけになり姿が乱れてきます。そんなときは周りの土を寄せて増し土をしたり、掘り上げられるものは茎の親株の部分を埋めるように少し深く植えこんだり、鉢のサイズを変えたりしています。すると、またそこから新しい根が伸びてバランスよく育ってくれます。

春になると、明るい艶やかな新芽が出て寄せ植えの色合いも変わってきます。そしてヒューと細い花茎が上がって小さな釣り鐘型の花が咲きます。そんなときは水平に置くようにすると、きれいに立ち上がって花の姿も楽しめます。

ヒューケラはピンクや白、赤、緑などの花が4月頃から咲き始め、7~8月頃まで長く咲き続けます。

その2:アイアンのかごを使った寄せ植え

大きな四角のアイアンのかごに、ヒューケラとフワフワと頼りなげに咲く黄色いエスコルチアを合わせました。コントラストの強い組み合わせでも、小さな黄色い花がチラチラ動いていると優しい雰囲気が生まれます。

準備するもの

  • ヒューケラの苗(チェリーコンポート、オブシディアン、サーカス、キャラメル、シナバーシルバー)
チェリーコンポート(左)、オブシディアン(中央)、サーカス(右)
キャラメル(左)、シナバーシルバー(右)
  • そのほかの苗(エスコルチア ミニサンデュ2株、ワイヤープランツ)
エスコルチア ミニサンデュ(左)、ワイヤープランツ(右)

エスコルチアはハナビシソウの仲間で、寒さに強く、細い茎に小さな黄色い花を咲かせます。夜は花を閉じ日が当たるとパ~と開いてきます。黄色い花が風に揺れて動く様子がヒューケラによく合います。

  • 四角のアイアンのかご……34cm×23cm×高さ8cm
  • ワックスペーパー……22cm×25cm、3枚 ※縦半分に切ってかごの側面に敷き、その上にビニール袋をセットする。
  • かごに入れるビニール袋……内側にちょうど収まるように少し厚めの市販のビニール袋を折り畳み、水が落ちるように底に4か所ほど穴をあける。

アイアンのかごを使ったヒューケラの寄せ植え:作り方

1.ヒューケラの苗をポットから出して肩の土を落とし、色合いや葉の向きに注意して植え込みます。
2.エスコルチアはヒューケラの間に2株植え、ワイヤープランツは1株をほぐして少しずつ間に植えていきます。

水やりは、ヒューケラの葉っぱにかけるよりはちょっと手間ですが、葉をめくって土にかけるようにしましょう。ヒューケラは乾燥を嫌いますが、加湿はもっと嫌いです。梅雨時や湿度の高い夏の蒸れにはとても弱く、枯れることもあるので注意です。

その3:黒い鉢にシックな色合いの寄せ植え

秋に落ち着いたシックな色合いのヒューケラを選んで植え込みましましたが、春の鮮やかな新芽が出てまた雰囲気が変わった寄せ植えです。動きを出すために、「カレックス ブロンズカール」の小さな苗を中央に植えました。

準備するもの

  • ヒューケラの苗(フォーエバーレッド、プラムプディング、オブシディアン)
フォーエバーレッド(左)、プラムプディング(中央)、オブシディアン(右)

ヒューケラは春夏秋冬葉色が変化します。この3種類も下の方の葉が冬の葉色、上の葉が春に出た艶やかな新芽です。

  • その他の苗(カレックス ブロンズカール)
カレックス ブロンズカール

球根が咲き始めた早春の庭では、コントラストの強いヒューケラの寄せ植えはとても目立ちます。

ヒューケラは季節によって葉の色が変わるのでその変化が楽しめます。お花の色合いを考えて寄せ植えを作るように、ヒューケラも葉の色合わせをしながら寄せ植えしてみてはどうでしょう。お花よりもっと長持ちしてくれて、その色合いを楽しめます。おすすめのカラーリーフです。

■もっと知りたい■

奥野多佳子

1952(昭和27)年、兵庫県生まれ、大阪府在住のバラ愛好家。82年にタペストリー制作を始め、2000年に陶芸、04年に庭づくりを始める。豊中市美術協会会員。兵庫県立美術館で解説ボランティアに参加。ブログ「Soleilの庭あそび…布あそび♪」は人気です。

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