9月:野菜を干して、漬けて、夏の元気の素に
2021.08.272021年09月21日
横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・30
10月:秋のお彼岸はおはぎを供え、ご先祖様に感謝を
料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けする連載企画。今回のテーマは「秋の行事」。信州の料理研究家・横山タカ子さんは、家の中に小菊を飾ったり、お彼岸にはおはぎを作ってお墓参りをしたりしながら、秋の時間を過ごします。
お彼岸やお月見、秋の行事や味覚を楽しみましょう
9月も下旬になり、朝晩の気温が下がって過ごしやすくなりましたね。2021年の秋のお彼岸は9月20日(月・祝)から9月26日(日)までの7日間。そして、9月21日の中秋の名月(十五夜)は8年ぶりに満月になるそうです。
毎年、秋のお彼岸に入ると、おはぎを作ってお墓参りをし、日頃の感謝を込め、ご先祖様に挨拶をしています。お墓参りの後は、おはぎを仏壇に供え、家族でいただきます。
私はあんこが大好きで、食べ過ぎ防止と、お重にくっつかないようにおはぎの底には代わりにきな粉をつけています。きな粉のおはぎは、きな粉自体には砂糖を全く使わず、ほんのひと口、おはぎの中にあんこを入れています。
お客様がいらしたときは、赤いお重に、庭にある朴葉(ほおば)を敷いておはぎをのせ、ぐい呑みにし、その実のしょうゆ漬けを添えたりしておもてなしをします。
落ち着かない日々が続いていますが、お彼岸、お月見など、秋の行事や味覚を楽しみながら、お元気でお過ごしください。
おはぎの作り方・レシピ
- もち米2合を洗って水を切り、炊飯器に入れ、420mLの水を加え一晩おき、翌日、炊き上げます。
- 炊き上がりをよくつき、16個に丸めます。
- 8個分はあんこ(市販も可)240gを、残り8個分は10gずつあんこを中に入れ、きな粉大さじ3をつけます。
今月のお茶うけ:しその実のしょうゆ漬け
しそは葉の時期が過ぎると、小さな花をつけ、たくさんの実をつけます。このしその実をしょうゆ漬けにすると、ご飯に混ぜておにぎりにしたり、和え物に添えて香りづけにしたり、お正月のおもちにも合い、重宝します。
作ってすぐ食べられて、冷蔵庫に保存すると1年ほどもちます。さわやかな風味が楽しめますよ。
【作り方・レシピ】
- 茎から指先でこそぐようにしてはずした、しその実100gをボウルに入れ、水で洗う。
- ざるに上げ、ふきんで押すようにして水気を拭き取り、ボウルに戻す。
- しょうゆ200mLを加えて混ぜ、清潔な保存瓶に入れる。
執筆者プロフィール:横山タカ子さん
よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。
撮影=小林キユウ 構成=野田有香(編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2020年10月号に掲載したものを再編集しています。
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