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- 3月:命の芽吹きに力をもらって、春を待つ
料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けする連載企画。今回のテーマは「春を迎える準備」です。横山さんが住む信州の2月頃は、まだ寒さが厳しい時期。「春が恋しくて、台所に置いているものがあるの」と案内してくれました。
カブ、赤大根、ニンジンの切れ端を水に漬けて
みなさんのお住まいの地域には、そろそろ春の気配が訪れているでしょうか。信州の我が家では、2月頃がいちばん寒い時期で、「芽が出るもの」にとっても励まされるんですよ。
秋に越冬する野菜として農家から仕入れた、カブ、赤大根、ニンジンなどの切れ端を水に漬けて、明るい場所に置いておくと、ぐんぐん芽を出して、その生命力で私たちを元気づけてくれるんです。
「こういう野菜もものすごくがんばって、芽吹こうとしている。もうすぐ春だからがんばろう」って。そして芽が出たら、彩りとして料理に添えられるので、うれしいですよ。
菜の花は、地場産コーナーで買った食用のものです。ちょっと愛らしいでしょう。思い切り花を咲かせてもらってから、おひたしにして食べるの(笑)。そうして、愛でたり食べたり。みなさま、元気に春を迎えましょう。
今月のお茶うけ:甘酒の桜ゼリー
今回は、ひな祭りにもおすすめの一品です。
棒寒天(糸寒天でも可)3gを約30分水に浸した後、100mLの水で煮溶かします。150mLの甘糀を入れ、器4個により分け、上に桜の花の塩漬けを添えます。寒天だと冷蔵庫で冷やさなくても固まるため、ほどよく固まったら完成です。
【甘糀の作り方】
糀300gを電気炊飯器に入れ、水500mLを注ぎ、保温スイッチを入れて2時間おけば完成。煮沸消毒した密閉容器に入れて、冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
■執筆者プロフィール
横山タカ子さん
よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。
撮影=小林キユウ 構成=野田有香(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2020年3月号に掲載したものを再編集しています。
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