健康寿命の要「腎臓」を強くして病気知らずに!#2

慢性腎臓病は定期健診と6つの生活習慣で予防!

慢性腎臓病は定期健診と6つの生活習慣で予防!

公開日:2023年06月05日

慢性腎臓病は定期健診と6つの生活習慣で予防!

50代60代が気を付けたい腎臓の病気が、新たな国民病ともいわれる「慢性腎臓病」。症状が出たときには重症化していることも多いという慢性腎臓病の、早期発見方法と予防のための6つの生活習慣を専門医の上月さんに伺います。

教えてくれたのは:上月正博(こうづき・まさひろ)さん

教えてくれたのは:上月正博(こうづき・まさひろ)さん

公立大学法人山形県立保健医療大学理事長・学長、東北大学名誉教授
1981年、東北大学医学部卒業。同大医学部第二内科などを経て、2000年から現職。東北大学病院リハビリテーション部長も併任。日本腎臓学会腎臓専門医・指導医。日本腎臓リハビリテーション学会理事長なども歴任。『腎機能 自力で強化! 腎臓の名医が教える最新1分体操大全』(文響社刊)など著書多数。

初期の症状が出にくい慢性腎臓病は定期検診が必須!

初期の症状が出にくい慢性腎臓病は定期検診が必須!

高血圧や糖尿病などの生活習慣病、たんぱく尿などに心当たりのある方は特に注意が必要という慢性腎臓病。初期には症状が表れにくく、早期に見つけるには毎年の定期的な検査が必須と言います。

「慢性腎臓病の症状には、むくみや息切れ、倦怠感、就寝中の頻尿などがありますが、これらの症状が表れたときには病気がかなり進行していることが多いもの。そこで早期発見のために欠かせないのが、定期的な尿検査と血液検査です」と腎臓病に詳しい東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野教授の上月正博(こうづき・まさひろ)さんは強調します。

尿検査では、尿にたんぱく質や血液が混じっていないか調べます。糸球体が障害されると、本来ろ過されるべきたんぱく質が尿中に出てしまいます。たんぱく尿や血尿が3か月以上続く場合、慢性腎臓病と診断されます。

なお、トイレのときに尿が泡立っていたり、色が濃かったりする状態が1週間も続くようなら、たんぱく尿や血尿の可能性がありますので受診しましょう。

腎機能が低下するとクレアチニン値が高値に

腎機能が低下するとクレアチニン値が高値に

血液検査では「クレアチニン値」を調べます。クレアチニンは筋肉を使うことで生じる老廃物のこと。通常は尿から体外に排出されますが、腎臓の機能が低下すると排出がうまくいかず、血液中の値が高くなります。

この値を基に、糸球体が1分間にどのくらいの血液をろ過できるかを示す「GFR(糸球体ろ過量)」を推定することができます。「もし自治体などの健診でクレアチニン値が測定されていない場合は、ぜひ近くの医療機関で調べてもらうようにしてください」と上月さん。

定期健診では尿検査と血液検査が必要

【尿検査でわかること】
尿たんぱく+尿潜血

【血液検査でわかること】
クレアチニン値

たんぱく尿は2回続けて陽性の場合、またクレアチニン値は基準値(女性0.46~0.82mg/dL)を超えた場合、慢性腎臓病と診断されます。自覚症状がないまま進行するので油断大敵。異常がなくても毎年1回は尿検査と血液検査を受けましょう。

腎臓をいたわる6つの生活習慣

定期的な検査に加え、ぜひ今日から取り入れてほしいのが腎臓を守る生活習慣。食事や睡眠、水分摂取、体調管理などに気を付けて、慢性腎臓病を遠ざけましょう。 

生活習慣1:食事は減塩を心掛けたんぱく質をしっかりとる

生活習慣1:食事は減塩を心掛けたんぱく質をしっかりとる

塩分をとり過ぎると、それを排出するのに腎臓に大きな負荷がかかります。だしや薬味などをうまく使って減塩を。また腎臓を守るには運動が必要。筋肉の材料になるたんぱく質が不足しないよう肉や魚なども十分とりましょう。
※既に慢性腎臓病を発症している方は、たんぱく質の制限が必要ですので医師と相談を。

生活習慣2:トイレを我慢しない

生活習慣2:トイレを我慢しない

おしっこの我慢も腎臓の負担に。「血圧が上昇し、尿の逆流で腎臓が腫れる『水腎症』や細菌感染による『腎盂腎炎(じんうじんえん)』などを招くこともありますので注意を」と上月さん。

生活習慣3:しっかり眠り、たんぱく尿を防ぐ

生活習慣3:しっかり眠り、たんぱく尿を防ぐ

腎機能は睡眠と関係があり、睡眠不足の人はたんぱく尿の発症リスクが高いとの報告もされています。腎臓を守るには7時間程度の睡眠時間の確保を。高血圧や糖尿病の発症予防にもつながります。

生活習慣4:便秘にならないように気を付ける

生活習慣4:便秘にならないように気を付ける

便秘も腎臓によくないそう。「腸内で増えた尿毒素などの有害物質が血液中に入り、腎臓の負担に。便秘は慢性腎不全も悪化させます」と上月さん。腸内環境を整えて腎臓を守りましょう。

生活習慣5:水分をしっかりとり、脱水を防ぐ

生活習慣5:水分をしっかりとり、脱水を防ぐ

暖房の効いた屋内では知らぬ間に脱水状態に傾きがち。水分不足は腎臓の血流量を低下させるので要注意です。「水やお茶をこまめに飲んで、食事以外に1日1L程度の水分補給を」と上月さん。

生活習慣6:高血圧・高脂血症・糖尿病など持病をきちんと管理

生活習慣6:高血圧・高脂血症・糖尿病など持病をきちんと管理

高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満、痛風などがあると慢性腎臓病を発症しやすくなるので、予防が肝心。すでに心当たりのある方はきちんと治療を受けて、病気が進行しないよう気を付けましょう。

※効果には個人差があります。持病をお持ちの方は医師にご相談ください。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
取材・文=佐田節子 イラストレーション=ねもときょうこ 構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年2月号を再編集し、掲載しています。


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