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- 女性のBMI理想値・平均値は?肥満と痩せのリスクも
BMIは肥満や痩せの指標にできる体格指数です。50代・60代の大人女性のBMIの平均値や理想値、体重や体脂肪率などについて詳しく解説します。生活習慣病につながる太り過ぎ(肥満)だけでなく、痩せ過ぎにも注意が必要です。
BMIとは
BMIとは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略称で、体重と身長から計算する、肥満度を表す数値のことです。「体格指数」や「ボディ・マス指数」と呼ばれることもあります。BMIはベルギーの数学者、天文学者、統計学者のアドルフ・ケトレーによって1835年に考案されました。
BMIを見れば肥満度がわかるため、自分のBMI値を把握しておくと、健康管理にもつながります。
なお、BMIは成人(高校生以上)の肥満度を表す数値で、子どもの場合、幼児(3か月〜5歳)は「カウプ指数」、児童(小学生・中学生)の場合は「ローレル指数」が使われます。
BMIの判定基準
BMIは肥満度を表す指標として国際的に使われますが、肥満の基準は国によって異なります。ここでは「日本肥満学会が定める肥満度判定基準」と、「WHO(世界保健機構)が定める肥満度判定基準」をそれぞれご紹介します。
【日本肥満学会が定める肥満度判定基準】
- 〜18.5未満……低体重(痩せ型)
- 18.5~25未満……普通体重
- 25~30未満……肥満レベル1
- 30~35未満……肥満レベル2
- 35~40未満……肥満レベル3
- 40以上〜……肥満レベル4
【WHO(世界保健機構)が定める肥満度判定基準】
- 18.50未満……低体重(Underweight)
- 16未満……痩せ過ぎ(Severe thinness)
- 16~17未満……痩せ(Moderate thinness)
- 17~18.5未満……痩せぎみ(Mild thinness)
- 18.5~25未満……普通体重(Normal range)
- 25以上……過体重(Overweight)
- 25~30未満……肥満予備軍(Pre-obese)
- 30以上……肥満(Obese)
- 30~35未満……肥満1度(Obese class I)
- 35~40未満……肥満2度(Obese class II)
- 40以上……肥満3度(Obese class III)
日本肥満学会が定める肥満度判定基準の場合、肥満となるのは「25~30未満(肥満レベル1)」ですが、WHO(世界保健機構)が定める肥満度判定基準では「30以上が肥満」となります。
BMIの計算方法
BMIは、以下の計算式を使って体重と身長から計算します。
【BMI値 = 体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))】
例えば、身長150cmで体重50kgの場合は「50kg÷(1.5×1.5)=22.2222…」でBMIは22となり、日本肥満学会が定める肥満度判定基準では、普通体重であることがわかります。
なお、適正値とされる「BMI22」の数値を利用して、身長から標準的な体重を計算することも可能です。標準体重は、以下の方法で計算します。
【標準体重 = 身長(m)× 身長(m)× 22】
厚生労働省が公表する「令和元年 国民健康・栄養調査報告」によれば、20歳以上の日本人女性の平均身長は154.3cmとなっています。これを上の式に当てはめると「1.543×1.543×22=52.3786…」となり、約52kgが標準的な体重になります。
日本人女性の平均値は?BMI・体重・体脂肪
ここからは、日本人女性のBMIの平均値と合わせて、体重の平均値や体脂肪の平均値をご紹介します。
日本人女性の平均BMI
厚生労働省が公表する「令和元年 国民健康・栄養調査報告」によれば、日本人女性の平均BMIは以下のようになっています。
- 20〜29歳……21.0
- 30〜39歳…… 21.7
- 40〜49歳…… 22.3
- 50〜59歳…… 22.4
- 60〜69歳…… 23.1
- 70歳以上…… 22.9
女性は、更年期の年代になると太りやすくなります。理由は主に「加齢に伴う筋肉量の減少」と「女性ホルモンであるエストロゲン減少の影響」です。
筋肉量が低下すると、基礎代謝量(まったく動かない状態で消費されるカロリーのこと)が減少するため、消費されるカロリー量が減って、太りやすくなります。
また、女性ホルモンのエストロゲンは、脂質代謝に関連するホルモンです。そのため、エストロゲンが減少すると内臓脂肪型肥満になりやすくなるといわれています。
このような理由もあり、それまでは22台だったBMIの数値が60〜69歳では23台へ上がると考えられます。
日本人女性の平均体重
「令和元年 国民健康・栄養調査報告」によれば、日本人女性の年代別の平均体重は以下のようになっています。
- 20〜29歳……52.0kg
- 30〜39歳…… 54.3kg
- 40〜49歳…… 55.6kg
- 50〜59歳…… 55.2kg
- 60〜69歳…… 54.7kg
- 70歳以上…… 51.1kg
日本人女性の平均体脂肪率
体脂肪率とは、体重に占める体脂肪の割合のことです。体脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があります。日本人女性の体脂肪率は、約25%が平均値といわれているようです。
理想とされる体脂肪率は年齢や性別によっても変わり、タニタが公開するデータによれば40代、50代、60代以上の女性の体脂肪の目安は以下のようになります。
【40〜59歳の女性】
- 痩せ……21%以下
- 標準(-)……22〜28%
- 標準(+)……29〜35%
- 軽度肥満……36〜40%
- 肥満……41%以上
【60歳以上の女性】
- 痩せ……22%以下
- 標準(-)……23〜29%
- 標準(+)……30〜36%
- 軽度肥満……37〜41%
- 肥満……42〜45%
なお、体脂肪は測定結果が体内の水分量に左右されるため、自宅でなるべく正確に体脂肪率を測るためには、毎日同じ時間・同じ条件で計測することが大切です。
女性のBMIの理想値は?
日本肥満学会では、「BMI22」になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態としています。そのため、健康維持が目的の減量や増量を行う場合は、BMI22を目標にするといいでしょう。
美容体重、シンデレラ体重、モデル体重のような名称で呼ばれる細い体型を目指すためのBMI数値もインターネット上で存在しますが、健康に悪影響を及ぼすリスクがあります。
ダイエットで栄養が偏ると体調を崩しかねないため、無理なダイエットは避け、BMI22を目指しましょう。
BMIでは体脂肪量はわからないことに注意
BMIは肥満か痩せかの判断のための指標にはできるものの、内臓脂肪の蓄積と関連しているとは限らないことには注意が必要です。
内臓脂肪が増えれば必ずBMIが高くなるというわけではなく、反対に、BMIの数値が高くなったからといって内臓脂肪が増えたとは断言できません。
そのため、BMIはメタボリックシンドローム(メタボ。内臓脂肪症候群)予備軍の人の診断基準にはなっていません。ただし、特定健診・特定保健指導の対象者を選ぶ基準としてはBMIが使われています。
BMIの数値や見た目が痩せ型の場合でも、筋肉量が少なく脂肪が多い人もいます。これはいわゆる「隠れ肥満」と呼ばれる体型です。
BMIが標準値やそれ以下の場合で体脂肪率が30%を超えていると「隠れ肥満」となり、内臓脂肪のつき過ぎ、脂肪肝になっているリスクがあります。また、筋肉量が減っているケースもあり、転倒による骨折リスクが高まるため、注意が必要です。
高過ぎる・低過ぎるBMIのリスク
国立研究開発法人国立がん研究センターが公表する「肥満指数と死亡率との関係について」によれば、痩せていても太っていても死亡率が高くなることがわかっている。
ここからは、高過ぎるBMI(肥満)や低過ぎるBMI(痩せ)のリスクをご紹介します。
高過ぎるBMI(肥満)のリスク
肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病との関連が強く、肥満を放置すると血管にダメージを与えることで動脈硬化につながり、それがやがて脳卒中や心筋梗塞といった、命に関わる病気につながることになります。
日本人には、欧米人のような超肥満体の人はあまりいません。しかし、日本人は欧米人に比べてインスリンを分泌する能力が弱いため、それほど太っていなくても、糖尿病になりやすいため注意する必要があります。
大人女性の場合、更年期になり女性ホルモンの分泌が減ると、骨がスカスカになる「骨粗鬆症」のリスクが高まります。そこに肥満で骨や関節に負担がかかると、関節障害や骨折などを引き起こしかねません。
低過ぎるBMI(痩せ)のリスク
太り過ぎがよくないことは知られていますが、同様に、痩せ過ぎもよくありません。
高齢になってくると「サルコペニア(筋肉量の低下)」「フレイル(虚弱)」「低栄養」が健康に大きなリスクを及ぼすためです。
厚生労働省と東北大学が宮城県に住む40~79歳の約5万人を対象に行った追跡調査では、痩せ(BMI18.5未満)の人が最も平均余命が短く、過体重(BMI25以上30未満)の人がもっとも平均余命が長かったという結果が出ています。
厚生労働省による「国民健康・栄養調査について」では「20~50歳代の女性のやせの者(BMI<18.5 kg/m2)の割合は、いずれの年齢階級も10%超であり、特に20歳代では 21.7%」と、日本人女性は痩せ過ぎの人が多いことが指摘されています。
大人女性は痩せ過ぎにも注意!BMI22以上が適正値
BMIは、肥満や痩せを知るための指標になる数値です。BMIは国際的に使われる数値ですが、肥満の基準は国によって異なり、日本では日本肥満学会が基準を定めています。
日本肥満学会ではBMI22を標準体重(適正体重)としており、統計的に最も病気になりにくい体重であるといわれています。BMIは身長と体重から簡単に計算できるので、ぜひ計算してみるといいでしょう。
ただし、BMIだけでは体脂肪率まではわかりません。BMIは標準やそれ以下であるものの、体脂肪率が高い場合は、隠れ肥満の可能性もあるため、注意が必要です。BMIだけでなく体脂肪率なども合わせてチェックして、健康維持につなげましょう。
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