- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 健康
- 【救急専門医が教える】室内での熱中症と簡単応急処置
気温30度超えの真夏日に注意したい熱中症。特に65歳以上になると体温調節機能が衰え、暑さを不快に感じなくなるため要注意! いざという時の応急処置の方法や予防方法などを2回に分けて救急専門医に聞きました。まずはリスクと応急処置についてです。
教えてくれたのは三宅康史(みやけ・やすふみ)さん
帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長。1985年東京医科歯科大学医学部卒業。さいたま赤十字病院救命救急センター長、昭和大学医学部教授などを経て、2016年より現職。日本救急医学会専門医・指導医・評議員、日本集中治療医学会専門医・評議員など。
室内熱中症とは?シニアにとって家が危険な理由
熱中症というと、炎天下で発症するイメージがあるかもしれませんが、近年注目されているのが家の中で起こる「室内熱中症」です。
「熱中症による救急搬送者の過半数が65歳以上で、その半数以上が屋内で発生しています」と話すのは、帝京大学医学部附属病院で救急医療を専門とする三宅康史(みやけ・やすふみ)さん。
熱中症が一番多く発生する場所は「家」
- 住居(リビング、庭など)……2万8121人
- 道路(一般道路、歩道など)……1万1276人
- 仕事場①(工事現場、工場、作業所など)……7065人
- 公衆【屋外】(競技場、屋外駐車場、駅など)……6130人
- 公衆【屋内】(コンサート会場、飲食店など)……4340人
- 教育機関(幼稚園、学校など)……2901人
- 仕事場②(田畑、森林、海など)……1599人
- その他……3437人
「高齢になると体温調節の機能が衰える上、暑さを不快に感じづらくなるため、エアコンをあまり使わず、家の中で知らず知らず熱中症の症状を悪化させてしまうケースがあるので注意が必要です」と三宅さんは注意喚起をします。
熱中症で搬送される人の6割近くが65歳以上
マスク時代…脱水症状にも要注意!
暑い中でマスクをしていると息苦しく感じますが、「マスクが熱中症のリスクを上げるという明確なデータはない」と三宅さんは言います。それよりも心配なのは、マスクを外すのが面倒で水分補給を控えることや、自粛生活による運動不足だと指摘します。
「外出の機会が減ると体が暑さに慣れません。水分を補給し、室温を保つなど基本的な対策が大切です」と三宅さん。
一方、「手洗いは熱中症予防にも有効」と三宅さんは言います。血管が皮膚に近い手や手首を水で冷やすと、効率的に体温を下げられるそう。新型コロナも熱中症も、手洗いで上手に防ぎましょう。
「熱中症かな?」と思ったら、まず体を冷やして!
めまい、大量の発汗、頭痛、倦怠感など、“この症状はもしや熱中症?”と感じたら、ただちに応急処置しなければなりません。家の中で家族が倒れたときにも、あなたができることを頭に入れておきましょう。
熱中症の応急処置!1~4をチェックして
チェック1:熱中症を疑う症状があるか?
めまい・失神・筋肉の硬直・大量の発汗・頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・けいれん・手足の運動障害・意識障害・高体温などが、熱中症を疑うべき症状です
チェック2:意識があるか?
意識がない場合:すぐに救急車を呼んで!
意識がある場合:涼しい場所で服をゆるめて体を冷やします
チェック3:自力で水分を摂取できるか?
水分を摂取できない場合:医療機関へ
水分を摂取できる場合:水分と塩分を補給しましょう
チェック4:経過観察
症状がよくならない場合:医療機関へ
症状がよくなってきたら場合:そのまま安静にし、回復するまで十分休みます
次回は、熱中症にならないための7つの予防方法を紹介します。
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) イラストレーション=Yuzuko
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年7月号を再編集し、掲載しています。
■もっと知りたい■
- 第2回目【救急専門医が教える】室内熱中症を防ぐ7つの方法
- 夏バテ・熱中症対策にぴったりの「氷水出し緑茶」
- ベタつく汗に要注意! 汗トラブルの対処法
- 夏のエアコンの設定温度は何度がいい?
- エアコンの電気代を節約する5つのポイント
■熱中症の4割は「家」で起こっている■
- 【救急専門医が教える】室内での熱中症と簡単応急処置←今ココ!
- 【救急専門医が教える】室内熱中症を防ぐ7つの方法
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
子に遺すべき資産は?
「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは -
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?