腸内環境を改善!消化・吸収の新習慣#2
50代は隠れタンパク質不足?腸バリアを守る「動物性×植物性」の黄金比率
50代は隠れタンパク質不足?腸バリアを守る「動物性×植物性」の黄金比率
公開日:2026年04月21日
教えてくれるのは、二人の医師
平島徹朗(ひらしま・てつろう)さん
日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本抗加齢学会専門医。「福岡天神内視鏡クリニック」を開設し、院長、理事長を務める。「薬の服用は最小限に、食事と生活習慣の改善が最優先」をモットーに横浜と福岡で診療を行っている。
秋山 祖久(あきやま・もとひさ)さん
医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。多くの総合病院勤務を経て「福岡天神内視鏡クリニック」院長に就任。ビタミンDを愛し、ビタミンDの大切さを熱心に語ることから「ビタミンD先生」と呼ばれている。
※本記事は、書籍『腸疲労 40代から必要な消化・吸収の新習慣』(KADOKAWA刊)より一部抜粋して構成しています。
現代人の盲点!「隠れタンパク質不足」が健康のスタートラインを阻む
前回は、すぐお腹が空く状態に隠された意外なリスクや腸の「時差ボケ」についてお伝えしました 。今回は「タンパク質の正しい摂り方」を解説してきます。
腸の炎症を抑え、腸内環境を整え、健康な腸を取り戻す。そのために、あなたが今日から真っ先に始めるべきことは、「必要十分なタンパク質を、正しく摂取すること」です。
現代の日本人は、そのほとんどが「隠れタンパク質不足」に陥っています。特に、年齢を重ねるにつれて食事量が減ったり、「お肉は胃にもたれるから」と避けたりすることで、その傾向はさらに顕著になります。
私たちの体の水分を除いた重量の、実に半分近くがタンパク質でできています。タンパク質は、あなたの体を構成する最も基本的な栄養素。この栄養素が不足していては、健康という名のスタートラインにすら立てないのです。
お肉だけでは逆効果!動物性と植物性の黄金比率は?
とはいえ、お肉を食べれば良いかというと、そうではありません。タンパク質には次のような、効果的な摂り方があるのです。
摂り方(1)動物性と植物性は「1:1の法則」が最強である
「タンパク質を摂りましょう」とお伝えすると、「じゃあ、今日から毎日ステーキを食べます!」と、動物性タンパク質に偏ってしまう方がいます。
しかし、それはおすすめできません。タンパク質は、肉や魚などの「動物性」と、大豆製品などの「植物性」に分けられ、次のような特徴があります。
- 動物性タンパク質:体を作るのに必要な必須アミノ酸を、非常にバランス良く含む
- 植物性タンパク質:腸内の善玉菌のエサとなる「食物繊維」や、体のサビつきを防ぐ「ファイトケミカル(抗酸化物質)」も一緒に摂れる
なぜ「1:1」が理想なのか。それは、動物性と植物性の“いいとこ取り”をし、互いの弱点を補い合うためです。動物性タンパク質は必須アミノ酸をバランスよく含み、さらにこれらの消化吸収効率が高いという点で非常に優秀ですが、摂りすぎると、消化しきれなかった分が大腸で悪玉菌のエサとなり、腸内環境を荒らす原因にもなります。
一方、植物性タンパク質は、食物繊維などを摂れる反面、単体では必須アミノ酸のバランスが動物性に劣る場合があります。
この両者をバランス良く「1:1」で摂ることで、悪玉菌を増やすリスクを抑えながら、善玉菌のエサ(食物繊維)も補給し、かつ必須アミノ酸も満たすことができるのです。
摂り方(2)タンパク質に「食べ溜め」は効かない
タンパク質は炭水化物や脂質と違って、体内に貯蔵しておくことができません。タンパク質を一度にたくさん摂っても、体が必要とする分以上は、エネルギーとして使われたり、尿や便になって排出されてしまいます。
だからこそ、「毎食こまめに」補給することが鉄則です。特に、疲れやストレスで食欲がない時にそうめんだけで済ませるのではなく、そこに温泉卵を一つ足す。それがあなたの腸の修復を助け、体力の回復を早めてくれるのです。
タンパク質は1食あたりの摂取量が少なすぎても、細胞や筋肉の材料として使われずにエネルギーとして消費されるだけです。最低でも1食あたり20g以上は摂るようにしましょう。
今日から献立にプラス! 効率よく補える「タンパク質食材」一覧
ふだん入手しやすい食品の中からタンパク質を多く含む代表的な食材を紹介します。g数=タンパク質量を表しています。肉類は100gあたり約20gと覚えておきましょう。
- 鶏肉(100g)約19~24g
- 豚肉(100g)約19~22g
- 牛肉(100g)約19~21g
- 卵1個約6g
- 納豆1パック(50g)約8g
- 木綿豆腐(100g)約7g
- 鮭(100g)約20g
- サバ(100g)約20g
- ナッツ類(100g)約25g
今日から実践!腸のバリアを強くする「タンパク質習慣」5選
腸の細胞の材料であるタンパク質を、無駄なく、効果的に体に取り込むための5つの習慣を紹介します。
1 朝食に必ずタンパク質を加える
睡眠中は、体と腸の修復のためにタンパク質が消費されます。朝いちばんにタンパク質を補給することで、修復作業をスムーズに継続させることができます。パンだけ、おにぎりだけで済ませず、卵1個や納豆1パックを加えるだけで、腸の一日がまったく違ってきます。
2肉と魚を交互に食べる
同じ動物性タンパク質でも、肉からは鉄分や亜鉛、魚からは腸の炎症を抑えるオメガ3系の脂肪酸(DHA・EPA)といった、異なる栄養素が得られます。
3 大豆製品を毎日一品取り入れる
豆腐、納豆、味噌などの大豆製品は、必須アミノ酸をバランス良く含む「畑の肉」です。さらに、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖も同時に摂れるため、腸内細菌と腸壁の両方を元気にしてくれる、腸活における最強の植物性タンパク質です。
4 間食にプロテイン(タンパク質)を活用する
タンパク質は体内に貯蔵できないため、3食だけでは不足しがちです。小腹が空いたらお菓子ではなく、プロテインバーや無調整豆乳、ソイプロテインなどを選びましょう。間食を「腸の修復時間」に変える賢い習慣です。
5 食事の最初にタンパク質を食べる(プロテインファースト)
ごはん(糖質)より先に、肉や魚(タンパク質)を食べることで、血糖値の上昇を緩やかにする消化管ホルモン「インクレチン」の分泌が促されます。これにより、腸の“コゲつき”(糖化)を防ぎ、腸の老化を遅らせることができます。
次回の記事では、日本人の98%が不足!?腸を守る「ビタミンD」の威力を補う5習慣を紹介していきます。
※本記事は、書籍『腸疲労 40代から必要な消化・吸収の新習慣』(KADOKAWA刊)より一部抜粋して構成しています。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。
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#3:日本人の98%が不足!?腸を守る「ビタミンD」の威力を補う5習慣
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