腸内環境を改善!消化・吸収の新習慣#3

日本人の98%が不足!?腸を守る「ビタミンD」の威力を補う5習慣

日本人の98%が不足!?腸を守る「ビタミンD」の威力を補う5習慣

公開日:2026年04月21日

日本人の98%が不足!?腸を守る「ビタミンD」の威力を補う5習慣

腸の壁を修復し、有害物質の侵入を防ぐビタミンD。がん予防や免疫調整に不可欠な一方、現代日本人の98%が不足しているという衝撃の事実も 。食事だけでは補いきれないこの必須栄養素を、効率的に取り入れる5つの新習慣を医師が解説します 。

教えてくれるのは、二人の医師

平島徹朗(ひらしま・てつろう)さん
日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本抗加齢学会専門医。「福岡天神内視鏡クリニック」を開設し、院長、理事長を務める。「薬の服用は最小限に、食事と生活習慣の改善が最優先」をモットーに横浜と福岡で診療を行っている。

秋山 祖久(あきやま・もとひさ)さん
医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。多くの総合病院勤務を経て「福岡天神内視鏡クリニック」院長に就任。ビタミンDを愛し、ビタミンDの大切さを熱心に語ることから「ビタミンD先生」と呼ばれている。

※本記事は、書籍『腸疲労 40代から必要な消化・吸収の新習慣』(KADOKAWA刊)より一部抜粋して構成しています。

腸のバリアを固める! 最強の助っ人「ビタミンD」の威力

腸のバリアを固める! 最強の助っ人「ビタミンD」の威力
genzoh / PIXTA

第1回は「すぐお腹が空く」状態に隠された意外なリスクや腸の「時差ボケ」。第2回は、腸の壁を修復し「腸漏れ(腸から必要な栄養が体外に漏れ出し、有害な物質が体内に漏れ出す)」を防ぐための最も基本的な栄養素として、タンパク質の重要性をお話ししました。

しかし、どんなにタンパク質を摂っても、それを組み立て、壁の強度を高める優秀な“現場監督”がいなければ、頑丈な家は建ちません。その最強の現場監督こそが、「ビタミンD」です。

ビタミンDと聞くと、多くの方は「骨を強くするビタミンでしょ?」と思われるかもしれません。もちろん、それも正解です。

しかし、最新の医学研究で、ビタミンDが私たちの健康、特に腸と免疫、そしてがん予防において、これまで考えられていた以上に重要な役割を担っていることがわかってきました。それなのに、最新の調査では現代日本人の実に98%で、この最も重要なビタミンDが不足しているのです。

では具体的に、ビタミンDがもたらす効果について見てみましょう。

効果(1)腸壁を固め、腸漏れを物理的に防ぐ
ビタミンDが腸漏れに直接的に効く、その最大の理由。それは、腸の細胞同士を固く結びつけているタイトジャンクションを、物理的に強化してくれるからです。

私たちの腸の細胞には、「ビタミンD受容体(VDR)」という、ビタミンDからの指令を受け取るためのアンテナが備わっています。血液中のビタミンDがこの腸のアンテナに結合すると、「腸壁の守りを固めよ!」というスイッチがオンになり、細胞同士の結合を強化するタンパク質の合成が促進されるのです。

効果(2)免疫の総司令官として、腸の火事を鎮める
アレルギーやうつ病、糖尿病といったさまざまな不調の根源には「腸の慢性炎症」があります。

ビタミンDは、この炎症を防ぐ役割も担っています。全身の免疫細胞にも、ビタミンD受容体(アンテナ)が存在しますが、これにビタミンDが結合すると、免疫を高めてくれたり、逆に免疫の暴走を抑えてくれたりと、絶妙に免疫のバランスを取ってくれます。

つまり、腸の炎症を直接的に鎮め、アレルギー反応などを正常化してくれるのです。

毎日サバ缶を約9缶!私たちがビタミンD不足から逃れられない訳

毎日サバ缶を約9缶!私たちがビタミンD不足から逃れられない訳
shironagasukujira / PIXTA

本来、ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで、皮膚で合成できる唯一のビタミンです。しかし、日焼け止めを塗った状態では、その生成効率は90%以上も低下してしまいます。美肌を保ちたい現代人にとって、日光浴だけで十分な量を確保するのは、もはや非現実的です。

では、食事ではどうでしょうか? ビタミンDは、イワシの丸干しやサバ缶、きのこ類に比較的多く含まれています。

しかし、ここにも大きな壁が立ちはだかります。「至適な血中濃度」を目指すなら、食事だけでは絶対に足りないのです。

私たちが目指すべきビタミンDのレベルは、単なる「欠乏症の予防」ではありません。がんや生活習慣病を予防し、免疫機能を最適化するための、理想的な血中濃度です。その具体的な目標値は「50 ng/mL以上」。

そして、この数値を維持するために必要な摂取量の目安となるのが、「1日4000IU(100㎍)」です。これを食事だけで摂ろうとすると、毎日サバ缶を約9缶食べ続けなければなりません。

もうおわかりですね。食事だけでこの目標を達成するのは、現実的に不可能なのです。

ビタミンDを多く含む食品

1位しらす半乾燥(50g)
30.5㎍(1220IU)

2位銀鮭(100g)
15㎍(600IU)

3位イワシ丸干し(100g)
50㎍(2000IU)

ほかにも目安を挙げると、干ししいたけ(10g)1.7㎍(68IU)、乾燥きくらげ(5g)4.3㎍(172IU)、サバ缶(100g)11㎍(440IU)、いくら(50g)22㎍(880IU)などが多いとされる食品です。

がんリスク低下の報告も! 全身を守る「ビタミンD」の驚くべき威力

がんリスク低下の報告も! 全身を守る「ビタミンD」の驚くべき威力
Sachiko / PIXTA

なぜ、我々がこれほどまでにビタミンDの摂取量を重視するのか。それは、その効果が数多くの信頼できる研究によって証明されているからです。

特に、ビタミンDのがん予防に関する研究で、複数の報告があります。ビタミンDの血中濃度が高くなるとすべてのがん発生リスクが低くなるという報告や、ビタミンDをサプリメントで補給することで、すべてのがん死亡率を約13%減少させるといった報告などです。

このように、ビタミンDにはがんという最大の脅威から、私たちを守ってくれる可能性があるんですね。

今日から始めたい、効率よく補う「ビタミンD習慣」5選

今日から始めたい、効率よく補う「ビタミンD習慣」5選
genzoh / PIXTA

ビタミンDサプリメントを飲み始めて、血中濃度が落ち着いてくるのに3か月程度かかります。毎日コツコツと続けて飲むようにしましょう。サプリメントが合理的とはいえ、日々の生活でビタミンDを意識することは非常に重要です。腸を元気にするための5つの習慣を紹介します。

1 きのこ類を日光に当てる
きのこ類は、植物性食品の中では貴重なビタミンD源です。さらに、調理前に15~30分ほど窓ガラス越しではなく、窓を開けるかベランダなどで直射日光に当てるだけで、きのこ自身が紫外線を浴びてビタミンDを生成し、その含有量が数倍にアップします。

2 青魚の缶詰を常備する
サバ缶やイワシ缶は、ビタミンDと、腸の炎症を抑えるオメガ3脂肪酸を同時に摂れるスーパーフード。缶詰の柔らかい骨ごと食べることで、ビタミンDと相性の良いカルシウムも一緒に補給できます。

3 手のひらで日光を浴びる
顔や腕の日焼けは避けたいもの。しかし、シミなどができにくい「手のひら」は、日光浴に最適な部位です。日中の暖かい時間帯に、1日20分ほど、手のひらを太陽に向けて散歩するだけでも、ビタミンDの生成を促せます。

4 卵を毎日1個食べる
卵黄にはビタミンDが豊富に含まれています。さらに、腸の壁を作る高品質なタンパク質も同時に摂れるため、ビタミンDとタンパク質を一緒に補給できる、まさに「腸漏れ修復のパーフェクトフード」です。

5 ビタミンDのサプリメントを摂る
結論として、最も効率的なのがサプリメントです。選ぶ際は、体への吸収率が高い「ビタミンD3」の表記があるものを。また、ビタミンDは脂溶性なので、油分を含む食事(肉、魚、アボカドなど)と一緒に摂ると、吸収率がさらに高まります。

※本記事は、書籍『腸疲労 40代から必要な消化・吸収の新習慣』(KADOKAWA刊)より一部抜粋して構成しています。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。


■「腸内環境を改善!消化・吸収の新習慣」をもっと読む■

#1:「腸の時差ボケ」を招く消化の2つの大きな誤解
#2:腸バリアを守る「動物性×植物性」の黄金比
#3:日本人の98%が不足!?腸を守る「ビタミンD」の威力を補う5習慣

もっと詳しく知りたい人は、平島さん・秋山さんの書籍をチェック!

もっと詳しく知りたい人は、平島さん・秋山さんの書籍をチェック!
『腸疲労 40代から必要な消化・吸収の新習慣』(KADOKAWA刊)

Amazonで購入!>>
楽天ブックスで購入!>>

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。